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第14話 部下を買う

少年編 2章


奴隷という少しセンシティブな内容ですが、気軽に読んでください。

ダンジョン騒動から一年。


何事もなく日常は過ぎていく。


僕は毎日魔法の練習。遂に聖級が使えるようになった。


剣術はもうすぐ剣士まで行けるぐらい。


歴史や領地経営などの日々勉強している。



アルスは相変わらず剣術に励んでいる。


既に剣人になり、もうすぐ剣豪の域に達する。


流石スピンオフ主人公と言うべきだ。


公爵家の中でもアルスに勝てるのは数人だけだ。


護衛として十分だ。



だが、僕は今ものすごく悩んでいる。


部下をどうすればいいか。


この物語の主人公、リリス・デ・エヴルーと敵対する上でまだ配下が足りない。


相手は最強の精霊術士に、めちゃくちゃ強い男たち。


対して僕の直属の部下はアルスとオールドだけ。


オールドは生まれたときからの部下、そして護衛だ。


公爵家の中では一番強く、剣聖一歩手前の剣王。


四十歳の赤髪のおっさんだ。



とりあえず配下は二人。


さらに敵は成り上がり共だけではない。



この国は貴族たちの政争で渦巻いている。


いつ暗殺者を送り込まれるかわからない。


だから、優秀な配下が欲しい。



アルスを何故配下にカウントしているか。


小説内では敵対しており、家柄も血筋も違う。


裏切られないか心配になる時もある。


だが、目からは絶対の忠誠を感じられる。


だからとりあえず信頼して、魔剣スピフレイバーを与えてやった。


剣も捧げられたし裏切る心配は無いと思ったから部下にカウントした。


仮にも弟だし、信頼はしてやる。



さて、僕は裏切らない家臣が欲しい。


ということで奴隷市場に行くことにした。




奴隷。

前世では違法的、非人道的とよく言われたものだった。


前世のあの忌々しい家にも奴隷はいなかったし、さらに言うとメイドではなく家政婦が身の回りの世話をしていた。


名家生まれの僕は奴隷という存在が欲しくて堪らない時期もあった。


何でも言うことを聞いてくれる存在。


今思えば自身が孤独だったから都合の良い人が欲しかったのかもしれない。


いいや、前世の話はいい。


とりあえずこの世界には奴隷が当たり前に居て、当たり前に売られている。


奴隷になる理由は主に三つ。

一つは単純に何処かから攫われたか。

二つ目は誰かに売られたか。

三つ目は借金などをして仕方なく奴隷になったか。


奴隷は買われると、主人と契約を基本的にする。


体に契約の印を入れられ、破ると気絶するほどの電流が流れると言うものだ。


奴隷を売っている市場は大きな街には必ず存在している。


そして、この公都にもあるのだ。



「こ、恐いところですね」


僕の後を付いてくるアルスが呟く。


人が賑わう細い通り。


鎖で繋がれた人が並べられており、全員が売られる商品だ。


そんな光景にアルスとオールドは顔を顰める。


僕は特に気にせず辺りを見渡して良さそうな奴隷を探す。



少しして目的地に着く。


奴隷市場の奥の奥。


最上級とも言える奴隷たちが売られる、いや競られる場所。


奴隷の競り場。


僕は一応警戒のためフードを被っており、ワクワクした表情を隠しながら競りのする会場に入る。


大きな広間に一段高くなった舞台。


広間には数十人の人々が座っている。


どいつも金持ちそうな奴らばかりで中には身分が高く、顔がバレたくないのか仮面をしている奴もいる。


「さぁ〜皆さん、お待ちかね競りの始まりです!」


席に着くと同時に競りの始まりのアナウンスが流れる。


それと同時に奴隷たちが舞台へと連れてこられる。


何人か屈強そうな奴もいたがピンと来ず買わなかった。



そして十七人目の奴隷が連れてこられた。


特徴的な銀色のストレートな髪、シュッと長い耳に端正な顔立ち。

青い目はスポットライトで輝き、豊満な胸部を上下に揺らしながらみすぼらしい服を着て歩く、同年代の女。


会場中男どもは馬鹿みたいに興奮して歓声を上げたが、僕はそこじゃなく顔を見た。


「そうか、この時期か」


思わず呟く。


スピンオフのヒロインで、主人公アルスの右腕レーナ・デ・アルダリースがそこにいた。


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