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第115話 帝立学園祭準備①

さて、転移魔法を研究していた二学期中盤。


この学校の文化祭、帝立学園祭が行われるためクラスでの出し物会議が行われた。


議長はもちろんリーダーのこの僕・・・ではなく副リーダーのアルス。


僕は特に興味もないし、話には関わらないことに決めたからアルスに任せた。


「それでは、帝立学園祭のクラスでの出し物を決めたいと思います」


前に立ったアルスが話を始める。


「まずはどのようなものを出したいか。案を出してください」


すると意外にも案がちらほら出てくる。


というより僕以外全員目を輝かせていた。


貴族の子息女だろうと所詮はガキ。


こういうクラスで出し物をやるということにウキウキしているのだろう。


僕はまるで興味がない。


僕は話も聞かずに本を読んでいるとアルスに当てられた。


リーダー(・・・・)、何か意見をお願いします」


あからさまなリーダー呼び。


僕は無視を決め込んだが、何度もアルスに呼ばれ仕方なく顔を上げる。


「うるさいな」

「意見をお願いします」


僕の文句を軽くスルーして聞いてくる。


仕方なく思案した僕はいい案を思い出す。


「一番いい案があるぞ。最高級のシェフを呼んで料理したのを振る舞う。このクラスでは小さすぎるからどこか広い場所を借りよう」

「費用は?」

「心配しなくていい。僕が全てを支払うぞ。代わりに売上の九割は貰うがな」


どうだこの案は!


どうせ費用は学園から貰えるなけなしの金だ。


大々的なこともできないなら僕が出したほうがずっといい!!!


「却下です」


すぐにアルスに言われる。


「何でだ!」

「禁止されているんですよ、学園から出されるお金以外を使うのが。この前の・・・会合ではルイ兄様は参加されていませんでしたね」


会合?ああ、めんどくさいからアルスに行かせたな。


「もう少しマトモなのはありませんか」


アルスはこちらを見つめてくるが僕は目線を本に戻す。


別に参加したいわけではないからな。


「はぁ〜〜とりあえず今上がったのは、カフェ店と作った物品の販売、演劇ですか。多数決でどれにするか決めますか?」


アルスの質問にみんな同意する。


?何で貴族社会に如何にも民主主義な多数決があるんだ?


もっとこの社会っぽい、伯爵以下の貴族出身者は二票、侯爵以上は五票入れられる的なことにはならないのか?


まあ、考えても仕方がない。


とりあえず多数決は終わりカフェ店をすることになった。


そして次に何を作るかについて話し合いが行われた。


そこでまず手を真っ先に上げたのが、アレックスだった。


「発言いいか?」

「どうぞ?」

「俺は帝国の代表的なお菓子、マカロンを作るのはどうかなと思う」


その意見に賛成の声が上がる。


だが、アルスは難色を示す。


「二つほど問題があります。まず僕ら一年生がそう簡単に作れるものではありません。マカロンはそこまで材料はいりませんが工程が少し多いです。もう一つは単純に競争倍率が高いことです。売店の作るものに関しては他クラスと被ってはいけないのですが、恐らくマカロンは多くのクラスが案として出してきますから・・・」


その言葉に一同が静まる。


そこからちらほら意見は出るものの、中々決まらない。


そんな中、一人の生徒が手を上げる。


「はい!発言いいですか?」

「どうぞ、リリスさん」


リリスが立ち上がると全員の厳しい目がリリスへと行く。


「最近話題のパンケーキをやるのはどうでしょうか」


しばらくして、その意見にちらほら賛同の声が上がる。


「平民にしてはいい意見ね」

「新しいものという発想は無かったわ」

「あれ、美味しいわよね」


だが、そこで一人の生徒が否定する。


「だが、レシピはどうするんだ?」


その発言にリリスも口を噤んだ。


「流石に新商品なんだから、そう簡単にレシピを知れないだろ」


賛同していた全員が静まる。


レシピが無ければ作ることができない。


「いいえ、入手はできますよ」


そこでレーナが立ち上がる。


僕は嫌な予感がして本から顔を上げる。


「ルイ様は、パンケーキを出している唯一の店を買収したんですよ」


「「「・・・・・・はぁぁぁぁ!!!!!」」」


クラス全員が驚く。


「・・・そうだったっけ?」

「帰郷する前に初めて寄ったじゃないですか。そこでルイ兄様が美味しいから買収すると言ったんですよ」

「あの後そんなことをしていたの!!!」


買い物に付き合ったナータリが声を上げる。


そうだった、ナータリが帰った後すぐに買収したんだ。


まあ、安い買い物だったけど。


「それで、何だって言うんだ」

「ルイ様ならレシピ、入手できますよね?」


周りの空気を見て、僕は頷くしか無かった。




20万字突破!

・・・まだ20万字。

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