表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
114/256

第114話 新たな魔法!?


「なあ、魔法陣ってすべての魔法で違うのか?」

「はい、そうです。同じ魔法だったら発動者が誰であろうと変わりません」


なるほど。


「ちなみに何故各魔法陣が決まっているのかは判明されてません。ただ、私の推測では魔法が生み出された時に何かが起こったのではないかと思います」


考察をし始めるレーナは放っておく。


僕は自分の考えが正しいか少し実験してみることにした。


「【ワープ】」


唱えるが何も起きない。


魔法とはイメージ。


火は燃え盛るイメージを、水は流れるイメージをする。


では、転移は何をイメージする。


前世で読んだとあるSF小説ワープを知った。


最初は馬鹿げていると思ったし、実現不可能だと考えた。


複数の小説で決まった形のワープは無かった。


だが、この世界には魔法という都合の良いものが存在する。


つまり、向こうでは不可能だったものが可能になるかもしれない。


実際に瞬間移動ができる。


あの時、意識が消えるような感覚。


点から点まで動かずに行けるはずがない。


必ずそこまで動く必要がある。


ただ、それはもの凄く速く一瞬のようにしか感じない。


・・・・・・・・・


駄目だ、それを理解してもいざやろうとすると全くイメージできない。


妙案は思いついたが、ピースがいくつか足りない。



どうしようか・・・・・あ!あれなら!


僕は思いついた考えの前段階の案を閃く。


行動は迅速にした方がいい。


その日の実験は解散させ、自室に引きこもる。


そして必死に魔法陣を小さな紙(・・・・)に写した。



そして二日後、僕はレーナとアルスを屋敷の庭へと連れてくる。


「ルイ様、どうされたのですか?突然引きこもって、セバスさんが心配されていましたよ」

「ルイ兄様、隈ができています。一回お休みになられたほうが―」

「いらぬ心配だ」


僕は言葉を遮る。


この僕が、徹夜して考えたんだ!


最後まで見ないで寝れるわけがない。


「見ろ、これが何か分かるか?」


僕は手元にある小さな紙を二人に見せる。


それを見て、二人は声を重ねる。


「「瞬間移動の魔法陣!!!」」


僕は巨大な魔法陣を大きな紙へと写したものを更に十分の一の小さな紙に写した。


元の百分の一。


僕はその紙を薄いバリアで覆わせ、無詠唱で人のサイズほどの円形の水の膜を作る。


そしてその中へとバリアを纏わせた紙を入れる。


少しずつ調整を行っていき、ある地点に紙が来た時。


「くっきりと魔法陣が!」


ちょうど太陽が出ていたこともあり、魔法陣が僕の半分ほどの大きさでくっきりと円形の水の表面に見えるようになる。


そう、僕は水中の光の屈折を使った。


水中で光が屈折することで中にある本体よりも大きく外から見える現象である。


それを使って、魔法陣を大きく見えるようにした。


更にここからが重要。


あらかじめ魔力を入れていた紙の方の魔法陣が発動する。


すると、紙の方が光り輝きそれに合わせて大きな魔法陣も光りだす。


僕はその光る部分になぞるように更に魔力を込めると、形として魔法陣が目の前にできる。


「凄いです!瞬間移動の魔法陣ができましたね!」

「いや、違う。これは転移魔法陣だ」


僕の言葉に首を傾げる。


魔法陣をもう一つ、本来なら結ばなければならない。


しかし僕は気づいたことがあった。


それは魔法陣を少し流す魔力を変化させることで全く別の所に行けるというこの魔法の都合の良すぎる点だ。


魔法陣は本来同じである。だが、瞬間移動は魔力の流れというなんとも大雑把なものを変えるだけで別の所へと行ける。


レーナの話では、流れを掴むには訓練が必要らしい。


流れは元々誰かによって作られたはず。


だったら僕が作り出しても問題ないはず。


そう考えて小さな同じ魔法陣を写し、それぞれに僕の独自の魔力を流してみると発動したのだ。


つまり、発動するのに一番必要なのが魔力の流れ。


それさえ習得すれば誰でも自分の好きな所に繋げられる。


僕は唖然とする二人の前で自分の魔力を流してイメージする。


ここで魔法で一番大事なイメージが必要だ。


魔法陣を繋げる時、恐らく同じものを書くだけではダメ。


たぶん、術者は少なからずイメージしている。


普通の魔法と同じだ。


今回は繋げる場所をイメージする。


ブルボン家の屋敷の中をイメージして発動させる。


「【ワープ】!」


僕が唱えると魔法陣が一気に光り輝く。


だが、今回は設置型じゃないため強制的には行かされない。


僕は恐る恐るそこへと入ると、一瞬意識が飛ぶ。


「ど、どどどどどうしてルイが突然現れるんだ!!!!!」


目を覚ましたときには父の書斎にいた。


後ろを振り返ると本棚に魔法陣がしっかりと光り輝いている。


「・・・さよなら」

「お、おい、せつ―」


僕は急いで戻り魔法陣を消す。


「い、今のは!」

「どうやら成功したようだな」


思っていたところと少しずれた所に転移したが、それでも成功だ。


ピースは少しずつ埋まっていく。


後は自ら発動できるようになるだけだ。




・・・・それにしても、三日したら父から何かしらのお怒りメッセージが来るな。


それまでに言い訳を考えとかないと。


僕はそのまま倒れるように意識を失った。



色々と書きましたが、とりあえず転移魔法ができるかも!という所が重要です。


明日から文化祭の話を書いていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ