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第41話 ラブハートに法の鉄槌を!

俺は、先生から西城さんの話を聞き飛び出した後、アテナに指示を出す。


「アテナ、西城咲良のツブッターアカウントで居場所を特定してくれ」


≪了解しました、マスター!≫


ままさかこの機能を短期間のうちに2回使うことになるなんてね。

居場所が分からないときは、使うに限るか・・・。

里奈の時と同じだ。

また事が起きて気付き行動を起こしてしまった。

俺は悔やむが、悔やんだところで過去は変わらない。

こうなってしまっては、1秒でも早く助けることに重点を置く。


≪マスター、場所を特定しました。ここから走って5分程度のビルです≫


俺はスマホでその位置を確認する。

良かった、そんなに遠くはない。

しかし胸騒ぎがする。


「その西城さんの状況は分るか?」


≪はい!どうやら男性によってソファーに押し倒されていますね!!≫


やばい、このままじゃ間に合わない!


「アテナ。とりあえず警察にこの件を通報してくれ」


≪分かりました!≫


「アテナ!そのビルに使えそうな機械はないか?」


≪天井に設置されている放送スピーカー程度です≫


「じゃあ、声だけで、時間稼ぎしてもらっていいか?」


≪了解です!≫


「テレビすらない事務所なのか・・・」


≪テレビはあるのですが、どうやら故障中みたいです≫


「運がないな・・・」


声だけでは、そんなに足止めにならないだろう。

どうする・・・。

そうだ!

俺は思いついた。

モニターに映し出せないなら、その場に映し出したらいいじゃない!と。

俺が今進行しているプロジェクトの1つに、ホログラムがある。

何もない空間に、まるでそこに物体などがあるかのように映し出す技術だ。

俺はホログラムを、太陽光を利用した衛星アテナからの光照射で、それを実現できるようにした。

窓が全くない部屋であればホログラムを映し出すのは無理なのだが、おそらく窓はあるだろう。

俺はさっそくそれを使おうと思いアテナに声をかける。


「アテナ!ホログラムで足止めできないか?」


≪マスター!あれはまだテスト段階です!≫


「じゃあ、今回が本番だな!」


≪わかりました。やってみましょう!≫


まぁ、テスト時のホログラムを見たが、もうすでに文句がつけようがないほどの完成度だったので行けるだろう。


≪しかしマスター。ホログラムデータですが、テスト段階とあってマスターの物しかないです≫


そうだった!


この際しょうがないか。


「俺のホログラムでやろう!」


≪分かりました。ホログラム照射します!≫


ビルまでもう少しだな。

俺は疲れて重くなった足を強引に進めていく


「間に合ってくれよ!」




*********************************

走り続けた俺は、目的のビルに到着する。

するとちょうど、通報して駆けつけてきた警察も反対側から来て合流した。


「いつもすいません!この中です!」


「分かりました!」


すると俺の後ろを警察の人がついてくる。

そして目的地のドアを開け放ったのだ。




*********************************

「ごめん助けに来るのが遅くなった!」


「和樹先輩!」


西城さんは、こちらを見て助かったと言わんばかりに笑顔を見せる。

警察官は、すぐに社長の身柄を確保した。

さすが慣れていらっしゃる。

俺はすぐに、西城さんの拘束を解き、その上から自分のブレザーをかぶせる。


「何もされてない?」


「もうちょっとで危ない所でした」


どうやら、大事になる前に事件を防げたみたいだ。

そして安心したからか、西城さんの目には涙があふれてきた。


「とても怖かったです!」


そういうと俺の胸に顔を埋めた。

そんな中、確保された社長の声が響き渡る。


「くそー!なんでこうなるんじゃ!!」


すると警察官がこっちに来た。


「和樹様。今日はこの後どうしましょう。」


「うーん。今日はパトカーで送ってもらっていい?」


「了解です!」


里奈の時の様に、うちの車を呼べば怪しまれるかもしれない。

そう思い取った判断であった。


しばらく待っていると送迎用のパトカーがやって来たので、俺たちはそれに乗り込んだ。

乗り込むとすぐにパトカーは動き出した。

今日起きたことはもうすでに、データとして警察に送ってある。

この後事情聴取されるという事はない。

俺は、横に座る西城さんを見る。

西城さんは先ほどの下着姿ではなく、自分の制服を身に着けていた。

そして俺の肩に頭を乗せ、落ち着きを取り戻している。

しかし。


「すいません、和樹先輩!」


「ん?どうしたの?」


「私もう所属事務所無くなったので、週末の廃園ライブできなくなっちゃいました。」


なんだそんなことか。

とりあえず彼女にこれだけは伝えておくか。


「実は俺、アイドル事務所作ったんだけど、うちに来ないか?」


すると、西城さんはびっくりしたようで、俺の肩から首を上げこっちを見た。


「えっ?」


「みんなの心、元気にしたいんだろ?」


西城さんは目が潤んでいる。


「昔一緒に、遊園地でやってたアイドルライブを見た俺も、気持ちは同じだよ」


西城さんは一瞬目を見開き涙がこぼれ落ちてくる。


「あの時俺は親が亡くなってふさぎ込んでいた。そんな時、君と遊園地で出会って、そこで聞いたライブで俺は元気を取り戻したんだ。」


西城さんはこぼれ出る涙を拭いている。


「これからは俺達で、みんなの心を元気にしようじゃないか!ねぇ、咲良ちゃん」


すると彼女はこちらに顔を向け答えた。


「はい!」

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