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第16話 ビデオ電話で社長をお呼び出し

≪ビデオ通話を開始します。映像と音声はそちらに届いていますか?右舷社長?≫


「はい。ばっちりですよ、アテナさん」


こちらの映像は衛星のカメラを通して、右舷社長の元へいっている。

そして画面にはさわやかな雰囲気の右舷社長が映っていた。

右舷社長の目線は、沢良木の方へ向いた。


「おや、あなたは確か、情報課の人だったね。なんでここに?」


そこで沢良木の顔は青くなり、社長に向かって話しだした。


「情報課の沢良木です。なぜ社長が?」


沢良木は動転している。

質問を質問で返していることに気が付いていない。

それもそうだろう。

急に自分の会社の社長が画面越しとはいえ、目の前に現れたのだから。


「アテナさんから電話がかかってきたので、電話に出たのですが・・・」


そこで、やっと俺と目が合った。


「やあ、右舷さん。ごめんね、急に電話して」


すると社長はびっくりした顔をした。


「いえいえ。まさかびっくりですよ。大丈夫なんですか?山田さん、いろいろと・・・」


「大丈夫ですよ、右舷さん。ここにいる人たちには俺のこと伝えているんで。」


「そうですが、まぁ、あなたがそのように判断したのであれば大丈夫でしょう」


「あの、さっきから何を言ってるのでしょうか?そこの子供がそもそもなんで社長の知り合いなんですか?」


「何を言ってるんですか?知り合いも何も、山田さんより聞いたのでしょう。彼は私より上の立場であるCEOでこのツブッターの設立者です。うちの会社のトップですよ」


「なんですって・・・こんな子供が」


≪沢良木課長、マスターになんて失礼な態度取ってるんですか!≫


「ひっ!」


沢良木はだんだん委縮していっている。

今自分の置かれている立場がだんだんと理解できて来たのだろう。

そして俺は社長に伝えることにした。


「右舷さん。最近ツブッターを使った誘拐事件などの犯人は彼ですよ。情報課にて、ツブッターアカウントの個人情報を抜き取り、その情報で揺さぶり誘拐し、報酬を得ていたみたいです」


「なんですって!」


右舷社長は、びっくりして声が上ずっている。


「今回のターゲットは、俺の幼馴染である彼女を誘拐して、自分のお嫁さんにしようとしたみたいだけどね」


「山田さんが、それを阻止したってことですね」


「うちの社員で、なおかつ役職者がこんな大きな事件を起こす人が出たことは、信用問題に関わるよね」


「社員の不祥事を見抜けなくて申し訳ありません山田さん」


そこで社長は頭を下げた。


「いやいや右舷さん。俺も同罪だよ。SNSでの個人情報の管理で当初はこんな事が起こるとは思ってもいなかったしね」


「それでどのようにいたしましょうか?」


右舷社長はこれからどうすればいいのか聞いてるみたいだ。

俺はまだ学生だから、表立って活動するのは右舷社長に任せてある。


「そうだな。まず、沢良木さんは警察に任せましょう。アテナ!頼んだ!」


≪はい!それでは警察を手配しますね!≫


「そして、右舷社長。ごめんだけど記者会見を開いて、この事件を伝えてくれるかな」


「分かりました」


「そして、この件に関して立てた対策は、明日発表することも伝えておいてくれるかな」


「えっ?明日ですか?」


右舷社長はびっくりしていた。

それもそうだろう。

問題が起きた次の日には解決策を考え、それを実行するなど不可能に近いからだ。


「それについての会議も明日の朝にするから、役職者に伝えといてね」


「了解しました」


そこで右舷社長はあることに気付く。


「会議にお出になられるのですか?」


「そのつもりだよ。会社の会議ぐらいだったら顔を出しても大丈夫と思うしね」


「分かりました。明日お待ちしています」


今までは、ツブッターにCEOがいることは右舷社長しか知らない。

社員や、世間には秘密にしてある。

理由は、CEOである俺が学生であるからだ。

学生を卒業してから、改めてCEOとして社員や世間に発表する予定ではあったが、役職者だけには俺がCEOであることを公表してもいいと思った。


ツブッターが急激に成長すると同時に、問題も急激に増えてきた。

右舷社長だけに頼って、対処するのは限界が来たと感じたからだ。

役職者がそろう会議だけであれば俺も参加した方が、右舷社長の負担を減らし、問題解決もスムーズになるだろう。


まぁとりあえず。


「これにて一件落着かな!」


≪ちゃんちゃん♪≫


お気楽なアテナの声が響き渡る。

里奈はいまだに状況が呑み込めていないようだ。

1人ポツンと今の状況から取り残されていた。

俺はそんな里奈の元に行き声をかける。


「終わったよ。里奈!」


「はえ?」


「怖い思いしたよね。もっと早く来れなくてごめんね」


その言葉を聞いた瞬間、緊張の糸が切れたのか里奈は泣き崩れた。

俺はそれを受け止め、頭をなで、落ち着かせるのであった。

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