8.解釈と発動
「いたぞ!あそこだ、、」
「静かな森だと探しやすいですわね」
マイルドの通知音を聞きつけたプレイヤーがマイルドに迫る。
そんなことは知らずにマイルドは"カード"を発動する。
「"カード"! 」
近づいてきていたプレイヤーたちは
自分たちの存在がバレて"カード"を発動してきたのではと
身構える。
「"テントウムシ"おいで!」
「「テ、テントウムシィ、、⁈」」
「きゃああっ!だれだれだれいつからええ??」
マイルドはびっくりして足が震えている。
「しまいましたわっ、ありえない"カード"の名前に思わず声が」
「すまないおれも出た、、
俺たちはついさっきからだ、、
気になる通知音が聞こえてきてな。」
「通知音、、わたしの??あなたたちはいったい??」
「そうだないきなり失礼した。おれは"ヘデラ―"ランクはⅢ6だ。」
「わたしは"トゥアイビー"といいますわ。ランクはⅢ8ですの。
驚かせてしまいごめんなさいね。」
ランクというものがよくわからないが
わるい人たちではなさそうだという安心感が
マイルドの直感で広がった。
「ヘデラ―さんとトゥアイビーさん!
わたしはマイルドといいますっ!
はじめたばかりで、、出会えてうれしいですっ」
「そうなのですわねマイルドちゃん、、
たしかに見る限り初期装備のようですが、、こんな子が、、」
「あぁ、そうだった、、
その、"OR"と聞こえたんだが、」
「あ、そんなこと言ってたかもです!
このテントウムシちゃんです!
わたしのはじめての"カード"なんですよっ!」
「こ、こいつがぁ?!」
「信じられませんわ、、」
二人の反応が先程から驚き続きのようで
マイルドは少し可笑しくなった。
「あの、、"OR"というのは
そんなに珍しいモノなのですか、、? 」
「あたりまえだ、! 10万に1つの遭遇率って言われてる貴重さだ。」
「テントウムシちゃん、、不思議だなとはおもってたけど
そんなに珍しい子だったんだね、、」
「知らずに"カード"で切り取りましたの、、? 信じられませんわ。。」
「はじめは"SR"って言ってたんですけど、そのあと"OR"になったみたいです」
「カードランクが上がるってのは本当なんだな、、それも2段階も、、」
「ほんとうに興味深い子ですわ。。
"静森"にはもうめぼしいところはないとおもっていましたのに、、」
「ちがいない。あいつをのぞいてはな。」
二人がなんの話をしているのかさっぱりわからないが、
自分のことについてあれこれ話を膨らましているようだった。
その時、"静森"の静寂をまたしても破る、
しかしそれはテントウムシとは比較にならない空間を引き裂く音だった。
「ッシャガアアアアァアア!!!」
木々を掻き分け、目の前に突然、
巨大な陸上の鮫とも言えばいいのか
いかにも狂暴そうなモンスターが現れた。
「う、うわさをすればっ、、で、でやがったあ!」
「まだなんの準備もっ、、!うわさなんかするからですわよっ」
そうはいいながらも二人は装備を構え
いつでも戦闘できるように備えている。
なんだかんだ言っても少しはこの世界に慣れた動きである。
マイルドはというと、
初期装備の服装で、左手に鉄棒、右肩にはテントウムシという具合である。
巨大な陸上鮫は三人をギロリと見渡す。
どのプレイヤーから襲おうかと涎を垂らしながら。