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遊簡蒐集  作者: もぐもぐ熊猫
【文字集合体内】
2/4

『堕羽』 より

 私もただ、羽根が降る空を見上げていた。


 街には、闇のような黒色の、夥しい数のその羽根が、しんしんと舞い落ちてくる。


 その光景は街の営みを遮って、次第に空気を仄暗く染めた。


 つい先刻までは、いつもの空で、いつもの空気で、いつもの日常であった。


 しかし、それはすっかり様子を変えて、非日常がそこには広がっている。


 立ち止まる人々の頭上を、立ち止まる建物同士の間を、黒がだんだんと埋めていく。


 悍しく、それでいて、神々しい。


 おそろしく、それでいて、うつくしい。


 生まれて初めて得たこの感情が、降るそれと同じようにして、黒く静かに積もっていった。


 ひらひらと、ふわふわと。

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