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■設定ノート

世界観に関する設定ノートです。

どのタイミングで読んでも大丈夫です。


文化的なところはヨーロッパのルネサンス期あたりのイメージです。産業革命が始まる前ですね。


「嘘でつないだこの手を、もう少しだけ」の「設定ノート」と内容同じです。


この世界には、三種類の人間がいる。

魔法使い、魔法を視る者、どちらの能力も持たない只人。




-INDEX-

1. 魔法のこと

2. 魔法石のこと

3. 魔法使いのこと

4. 視る者のこと

5. 用語解説的な

 ・パパラチア王国

 ・魔法使いダグラス

 ・都警察乗っ取り事件

 ・王都の護り

 ・安全エリア

 ・魔法使い狩りの時代

 ・対魔法使い 裏切り防止装置

 ・建国の祖サディアス

 ・魔法使いと視る者の確執

 ・人造魔法石コールライト

6. 都の勢力図(パパラチア歴286年)

 ・マッキンレイ一族

 ・キングスフォード家

 ・爵位

7. 組織

 ・視る者協会

 ・魔法不正監査局(監査局)

 ・王立視る者養成学校

 ・王立魔法学校

 ・王立医学校

8. 魔法装置のこと

9. 魔法道具のこと

10.Aランク魔法使い7人




 *  *  *




1. 魔法のこと


魔法は

(1) 魔法使いの魔力を魔法石に送り込む

(2) 術式を口で詠唱する

ことで成立する。


(1) は訓練が必要で、(2) は勉強が必要。


術式は、魔法文字を使った命令文や計算式で構成する。

術式ミスで思いもしない被害が出ることもあるらしい。




2. 魔法石のこと


定義:魔法媒介能力を持った宝石を魔法石と呼ぶ。

※ダイヤモンド以外の宝石が魔法石になり得る。


産地:紫害風の吹く鉱山より産出。

※紫害風は人体に有害なため、魔法装置で空気を浄化して採掘する。


等級:魔法媒介能力で1等級(高)~5等級(低)に分類。


管理:1等級は王家が管理。

市場に流通する魔法石は宝石屋が取り扱う。

2等級は店の奥に隠しており、基本は売らない。


数:1等級、2等級の数は少ない。

上等級魔法石は昔から魔法使い同士の争いの種で、魔法使いの単独行動主義につながった。




3. 魔法使いのこと


*魔力のオーラについて

無色透明で、魔法使いの周囲を陽炎のように包む。

魔法使いか視る者だけが視える。

魔力量は、オーラの持つ密度の濃さで測る。

(密度の濃さ=オーラを視たときに受ける圧迫感)


*ランク

魔力量で6段階に分類する。


A、B~とても強い:瞬間移動できる

C~強い:普通に見かける範囲で最強

D~強め:他者と一緒に空を飛べる(扱える重量300kg)

E~並:自分一人で空を飛べる(扱える重量100kg)

F~弱い:物を動かせる(扱える重量30kg)


*魔法石の等級

1等級魔法石=Bランク相当

2等級魔法石=Cランク相当

3等級魔法石=Dランク相当

4等級魔法石=Eランク相当

5等級魔法石=Fランク相当


*統計データ

パパラチア王国 (人口 約1,000万人)

視る者 10% (約100万人)

魔法使い 1% (約10万人)


Aランク魔法使い (7人)

Bランク魔法使い (約1,000人)

Cランク魔法使い (約3,000人)

Dランク魔法使い (約8,000人)

Eランク魔法使い (約20,000人)

Fランク魔法使い (約68,000人)


年代別人口

60~  4%

50~60 10%

40~50 12%

30~40 14%

20~30 16%

10~20 20%

0~10 24%


*魔法使いの制約(仕事)

魔法を動力として使う職場の単純労働員、警察官、魔法医、薬屋、魔法学校教師。

Eランク、Fランク魔法使いは、魔法使いとしてではなく、只人扱いで幅広い就職も許されるが、役人や問屋、宝石屋や魔法石加工場など、就けない職業がある。


*魔法使いの制約(居場所)

Aランク:都にいること。国の完全管理下。

Bランク:認可を受けた地にいること。移動禁止。

Cランク以下:旅行可能。居住地は認可制。

流民一座に所属可能なのはEランク以下。




4. 視る者のこと


*基本級

下級:魔力のオーラの有無が分かる

中級:魔力のオーラの強弱が分かる

上級:中級+魔法の術式を視る

   +魔法石の見分けがつく

※魔法使いは上級の視る目を持つ


超級:上級+映像の中の魔力を視る

   +終わった魔法の残滓を視る

   +魔法や魔法の残滓から魔法使いを見分ける


魔法石鑑定士:魔法石の見分けに優れた人がなる職業


*魔法使いランク判定能力

レベル1(細かい)~レベル8(ざっくり)

ただし、レベル1~4→上級

    レベル5~8→中級


*視る者の服装について

都の視る者のカラーは紺。

正装は紺の服に、自身の級を表すポーラータイをつける。


*ポーラータイで表す視る者の階級

下級:銅

中級:銀

上級:金

超級:サファイア


*支給品や特権

支給品:ポーラータイ、懐中時計

特権:学生の間の生活支援

上級能力者の独占職業:魔法石鑑定士、宝石屋

視る能力者主体の職場:視る者協会、視る者認定事務所


*視る者の魔法無力化(視る者の自傷)

メープル酒を摂取した視る者の血で魔法を無力化する。

但し成人男性で身長165cm (推奨170cm)以上の者。

飲酒・タバコ・体調不良・太りすぎ等により効果半減。

身長要件を満たした成人男性にはメープル酒と小刀が配給され、常時携帯が義務付けられ、日々自己管理が求められる。

逆に身長の低い能力者は太鼓腹も許される。


*メープル酒

メープル公国の特産品で高価で希少品。

国と縁の深い店で市販されているが、取扱店は多くはない。




5. 用語解説的な


【パパラチア王国】

 視る者が魔法使いを管理する国で、歴代国王はたいてい視る者。


【魔法使いダグラス】

 極悪犯として処刑される直前で逃亡したAランク魔法使い。

 当代一と言われる突出した魔法使いの為、国として、逃亡後の彼の居住地を把握しながら、捕縛不可能な存在として実質放置されてきた。


【都警察乗っ取り事件】

 パパラチア歴286年11月3日発生。

 ダグラスが都警察を乗っ取り、自分が王となって魔法使いのための王国をつくると国王に宣言した事件。

 クリスの陣頭指揮で都警察奪還、都は守られた。


【王都の護り】

 昔から、魔法使いが足を踏み入れれば呼吸困難を起こし、死んでしまう土地があった。特別な鉱物を身につけることで、魔法使いも生存可能となった。

 また、その土地は外からの魔法攻撃も無力化した。

 それらの特性から、視る者が魔法使いを管理するパパラチア王国の王都に選ばれた。

 以来、特別な鉱物(入都許可証)を王家が管理し、その土地の特性を『王都の護り』と呼ぶようになった。

 ダグラスの都警察乗っ取り事件も、都にいる魔法使いの刑事を懐柔して行ったもので、ダグラス自身は都に乗り込んでいない。


【安全エリア】

 王都の中心近くにある、すべての魔法が無力化されるエリア。王都の護りと同じく、昔からそういう土地だった。

 魔法で襲撃される心配がないため、視る者協会や視る者認定事務所など、視る者の主要機関が集中し、不審者チェックの厳しい区域となっている。

 視る者養成学校や学生寮も安全エリア内。

 発足当初、視る者協会の一室から始まった魔法不正監査局は、メンバーが増えてから三階建ての建物を一棟借り受け、監査局本部とした。監査局本部は安全エリアの端にあり、入り口が安全エリア内で、建物自体が安全エリア外となっているため建物内で魔法が使える。


【魔法使い狩りの時代】

 パパラチア王国建国前。視る者が自傷で魔法使いの魔法を無力化できるようになった時、魔法使い狩りが始まった。

 この時代、魔法使いは無条件で殺されていた。


【対魔法使い 裏切り防止装置】

 ボタンひとつで魔法使いの心停止ができる装置。

 裏切り防止装置は、魔法使い狩りの時代に、魔法使いを生かす免罪符として生み出された。


【建国の祖サディアス】

 パパラチア王国初代国王。一説には先読み能力があったとも言われ、優れた指導力で、悪徳魔法使い鎮圧を主導した。

 同時に彼は、魔法使いとの共存を謳い、裏切り防止装置を発案して、魔法使いが生きる道を拓いた。

 建国後、視る者が魔法使いを管理する体制が整ったとして、警察官以外の裏切り防止装置を外した。


【魔法使いと視る者の確執】

 建国の祖サディアスが魔法使いとの共存を謳って興したパパラチア王国。

 だけど、長い年月の間に理想は歪んで…。

 視る者たちは特権者意識を持つし、魔法使いたちは、押さえつけられ、虐げられているとしか感じられなくなってしまった。

 建国以来、積もり続けた魔法使いたちの国家への恨み・不信は根強く、ダグラスについた魔法使いは国王方の三倍。

 特に建国後も裏切り防止装置をつけられ、理不尽な目に遭い続けた魔法使いの警官たちは皆ダグラス配下となり、地方警察はダグラスの管轄になった。そのため地方では、魔法犯罪が急増した。


【人造魔法石コールライト】

 魔法使いダグラスが作った魔法石。黒い色をしている。

 天然の1等級の魔法石の2倍の魔法媒介能力を持つ。

 1等級の魔法石の魔法媒介能力がBランク魔法使いの魔力量とイコールで、Aランク魔法使いの魔力量に見合わないため作ったとされている。




6. 都の勢力図(パパラチア歴286年)


【マッキンレイ一族】

 長く都を支配してきた貴族の一大勢力。

 二代目国王の時代になりあがった貴族。積極的に権力闘争をけしかけ、大きくなった。何度か隆盛と衰退を繰り返し、240年を超えたころから向かうところ敵なしの一強勢力となる。

 その結果、マッキンレイ一族は、自分たちは王家につぐ特別価値のある存在で、他は虫けら同然だと認識するようになった。

『逆らうも地獄、従うも地獄』という言い回しにあるように、逆らって酷い目に遭うのはもちろん、従っていてもマッキンレイ一族の気分ひとつで酷い目に遭わされた。

 270年以降は、摂政ウィルフレッド・アンダーソン伯爵に嫁いだブレンダが、王妃の姉として社交界に君臨、陰では『マッキンレイの女王』と呼ばれ、栄華を誇った時代。

 286年。王家に牙をむいた魔法使いダグラスの登場により、マッキンレイだけが絶対的な上位者ではないと民が気付く。ダグラスを前に王家方が分裂するわけにはいかないので表面上は変わらなかったが、民の心から『どんな地獄でもマッキンレイに従うしかない』という意識は薄れていった。


【キングスフォード家】

*成り立ち

 もともとキングスフォード家は、北西の町で造船と貿易を行っていた港湾の元締めだった。

 初代国王を支えた忠臣として、伯爵に叙せられ、初代国王が未開の地を切り開いて造営した王都に移住。以来、都の海運業を担う。貴族街ではなく、港に近い中流層の地区に館を構えた。


*造船技術の家長継承と『キングスフォード家の保険』

 キングスフォード家は商人の感覚を忘れず民を大切にしたが、権力に溺れる貴族たちからは疎まれた。

 そのため、家の価値を守るため、造船技術を秘匿した。同時に造船過程を分業化。職人一人をどうこうしても造船体制は揺るがないし、職人一人から技術を奪っても造船技術は盗めないようにしたのだ。

 すべてを知るのは家長と跡取りのみと公表した。裏では保険として、他家に嫁ぐ娘も造船技術を覚えた。


*王の良心

 キングスフォード家は王に飢饉への備えを進言するなど、民寄りの行動を取り、王の良心と呼ばれた。

 また、表には出ない裏の歴史では、貴族から虐げられた民を密かに保護し、街に返すといった、駆け込み寺の役割を果たした。そのためキングスフォード家の屋敷は、守りの強固な中心部と、侵入し放題の外園部とに分かれる。外園部の食料備蓄倉庫の食料はあえて盗みやすくしている。

 キングスフォード家の危機には、キングスフォード家に救われた民が立ち上がった。いつの時代も、キングスフォード家を後ろ盾とした弱者を支援する民の隠れ組織が存在した。


【爵位】

 公爵…正当な嫡出子や血筋の近い王族に与えられる爵位。

 侯爵…非嫡出子を含む国王にとって遠縁の血族者に与えられる爵位。

 伯爵…王族の側近に与えられる爵位。

 子爵…男爵の上位。

 男爵…国家への貢献度の高い人に与えられる爵位。一代限りではなく世襲。


 実はパパラチア王家は代々、子どもが生まれにくく、作中の時代に王族の分家はありません。従って公爵・侯爵がなく、伯爵が最高位です。現王家に姫がいないので、伯爵令嬢が国内最高位の令嬢です。

 なお、爵位はパパラチア王国以外の国でも共通で、外国には公爵や侯爵が存在します。




7. 組織


【視る者協会】

 視る者が魔法使いを管理するパパラチア王国の要を成す国家権威。

 高位貴族の魔法不正も裁く権限を持つため、独立性の高い組織となっている。


 仕事は

 ・魔法使いのランク判定を含む戸籍管理

 ・視る者の認定

 ・視る者学校の運営

 ・魔法使い学校の運営

 ・魔法石の採掘、加工、鑑定、管理

 ・宝石屋の許可、管理

 ・王城の警護、有事の対応

 ・王城や王都を出入りする人々の管理

 ・警察の魔法事件部への干渉

 ・魔法事件の最終調停

 ・魔法使いの犯罪者用の牢とそこの住人の管理

 ・親に捨てられた魔法使いの子の保護と保護施設運営

 ・魔法使いと一般人の間の調停

 ・視る者を必要とされる場所へ派遣する、雇用調整する

 ・魔法技術の研究

 など。


 トップは長官。その補佐として副長官。それから、視る者協会の人事を行う総務部の総務長官。この三人が組織の中心。


*魔力判定

 生後3か月の赤子に対し、魔力判定を行う。ここで、Fランク、Eランク、Cランク以上の赤ん坊がピックアップされる。

 Cランク以上の赤子は後日、最終判定を受けて最終ランクを確定する。

 魔法使いと判定されれば、足の裏に魔法使いの焼き印と、ランクの焼き印が押される。焼き印は魔法で固定され、一生消すことができない。


*視る者判定と認定

 3歳で視る者の判定を行う。ここで判明するのは視るか、視ないかのみ。

 上級下級などの細かい判定は王都でのみ行われ、視る者認定と呼ぶ。視る者認定事務所で認定試験を受ける形。

 地方の子どもが詳細認定を希望する場合は自費で上京する必要があり、ハードルが高い。


*キャラバン

 全国を回って魔力判定と視る者判定を行う。流民一座の検閲も行う。


【魔法不正監査局(監査局)】

 魔法使いの刑事がほぼ全員ダグラス配下に入り、機能不全に陥った警察組織の穴を埋めるため新たに創設された。最終的に、ダグラス勢との全面戦争を見据えている。

 魔法使いに戦う力(魔法石)を持たせるものの、裏切り防止装置はつけないとしたため、魔法使いと視る者がペアを組んで動く組織とした。

 クリスを嫌う都の大貴族マッキンレイの嫌がらせで発足当初は名無しの組織として活動していたが、最終的に王太子が局長となり、クリスを事務局長に据えた。王太子は局長(王太子)はお飾りで、実質トップはクリスだと明言し、クリスを局長と呼べと監査員に指示した。

 監査局は、視る者と魔法使いが手を取り合いたいというクリスの理念を強く反映している。

 発足後から半年後。監査局は都の魔法事件だけでなく、地方の魔法事件も解決すべく、地方に監査員の出張派遣を始めた。ただし、地方は範囲が広く、事件件数も多く、対応できる魔法事件は極一部に留まっている。


【王立視る者養成学校】

 王国最高峰の教育機関。王都にある。

 生徒数700人程度。内、上級能力者120人程度。女性50人程度。

 併設寮は地方から来た上級能力者用。


*視る者養成学校 - 基礎 -

 年数:9年(6歳~15歳)

 基本教育:読み書き、計算

 高等教育:一般教養、歴史

 魔法学(基礎):魔法文字、術式、数学

 魔法学(理論):物理学、地理学

 ※基本教育は2年程度で、村の小さな学校等でも学ぶ最低限の教育。

 ※高等教育は2年程度で、只人の学校でも学べる内容。


*視る者訓練学校 - 応用 -

 年数:1年(15歳~16歳)

 実践トレーニング:視る者心得、魔法実践(魔法使い応対訓練)、護衛術、フェンシング


【王立魔法学校】

 都の東の海の沖の孤島にある、世間から隔離された学校。

 生徒、教職員すべて魔法使い。

 島へは船で行き来する。魔力障害があって瞬間移動はできない。

 Bランク以上の魔法使い(義務)と、Cランク以下の希望者が入学する。

 生徒数600人程度。内、Bランク200人程度。

 基本的に女性の就学率が、基本教育60%、高等教育10%~20%くらいの社会で、魔女だけが高等教育70%。

 また、島で自給自足生活のため、学生でも農業や畜産、酪農作業の分担がある。


 年数:10年(6歳~16歳)

 基本教育:読み書き、計算

 高等教育:一般教養、歴史

 魔法学:魔法文字、術式、数学

 実技:魔法石操作訓練、魔法実技

 ※魔法実技の呪文は丸暗記。理論は学習しない。

  魔法学の数学は距離や容積などを計算するためのもの。


【王立医学校】

 王都にある、医者を育成する学校。

 魔法使い・視る者・只人それぞれの学部がある。只人は高等教育終了者、視る者は視る者養成学校卒業者、魔法使いは魔法学校卒業者が入学できる。

 学費は高額で自費のため、医者の家系や裕福な家の子息でないと通えない。

 人体の仕組みや医療技術が学べる。病院での教育実習あり。医学校卒業試験(筆記・実技)に合格して卒業することで、医師免許が取れる。




8. 魔法装置のこと


 前王陛下の時代、魔法石採掘場で紫害風を浄化する魔法装置が作られたのを皮切りに大規模魔法装置が作られるようになって、人々の生活が便利になった。

 ただし、大規模魔法装置は多数の魔法が組み込まれているため、時折、思いもしない暴走を引き起こす。

 なお、昔から存在した大規模魔法装置がひとつある。

 王城を空に浮かばせている魔法装置である。




9. 魔法道具のこと


 元来、魔法使いは自身の技量を誇り、自身の技術を独占したがるものだった。

 従って、一人の魔法使いで実現できる魔法を魔法道具化するという発想がなく、昔からあったのは、貴人の身を守る魔法返しの札、定点監視のための映像投影スクリーン、家への侵入防止や盗難防止を目的とした警報装置やトラップなど、貴族のためのものだけだった。


 魔法使いダグラスの叛乱、そして監査局の設立で、ブラウン・イーグル(*)が様々な魔法道具を作り始めたのが、一般人向け魔法道具の最初。

 従って、監査局設立から二年後時点での魔法道具の7割はブラウン・イーグル製。


*魔法道具の例


(監査局)

・魔法の縄…魔法使いを自動で物理的に縛り上げ、魔力を封じる。対象が魔法使いでなくても自動で縛り上げてくれる機能が便利。

・魔法の手錠…魔力を封じる。

・魔法の手錠Ⅱ…魔力を封じ、対象者を眠らせる。

・魔法封じ器…対象の空間を設定し、その空間内での魔法使用を封じる。強力な魔法道具だけど、使用方法が難しい。

・魔法返しの札…攻撃魔法をそのまま攻撃者に返す。昔からあった魔法道具。

・魔法相殺の札…想定された数種類の攻撃魔法を相殺する。

・魔法防御器…攻撃魔法を防ぐ壁(シールド)を作ってくれる道具。空間設定が必要なため、扱いが難しい。

・魔法通信器…遠隔地と音声通信できる機器。

・魔法記録紙…近くで使われた魔法を記録する紙。魔法不正の証拠になる。

・瞬間移動地点計算機…監査局で瞬間移動による人員運搬を担うBランク魔法使いランディが、計算が苦手なため、ブラウン・イーグルが作った。監査局には瞬間移動の発着地点となる部屋があり、そこを起点に計算しているらしい。移動先の現状を映し出す便利機能付き。


(ダグラス側)

・魔力増幅器…魔法使いの魔力を増幅する装置。

・魔力増幅器Ⅱ…Fランク魔法使いの魔力をDランク相当まで上げる装置。粉問屋に加担した老人魔法使いが使ったのはこれ。


監査局側は魔法使い以外も使える便利道具なのに対し、ダグラス側は魔力増幅のみ。魔法書も配って、技術は自分で磨けというコトらしい。



(*)ブラウン・イーグル…

 別作品の主人公でAランク魔法使いのケントのこと。

 フルネームのケント・ブラウンと、トレードマークの茶色いフード付き外套からこの通り名がついた。

 仕事嫌いのケントだが、クリスを守りたい一心で作る魔法道具製作は仕事の範疇に入っていない。

 なお、ケントはクリスから魔法理論を教わったので、自力で術式の組み立てができる。が、Aランク魔法使いに魔法理論を教えるのは視る者協会的にNG行為。逃亡者・魔法使いダグラスの脅威に備えるという名目でギリギリ許された。

 魔法使いダグラスは本気の天才で、学校で理論を習わなくても自力で理論を突き詰めてしまったタイプ。




10.Aランク魔法使い7人


(パパラチア歴288年)


王家側:ケント(18)、王太子(18)、王城勤務(男/45)、魔法学校職員(女/31)

ダグラス側:ダグラス(52)、未亡人(女/60)

フリー:マリー(16)


※王城勤務のAランク魔法使いは王城を空に浮かばせる動力源で、自己判断能力は潰されています。



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