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とある彼女の活動履歴。  作者: 葛葉 ゆずり
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彼女との飲み会。

なんかあったら誘ってよ☆8割方行くからさ☆


って言って、誘うと本当に来る人がいる。

こいつがびっくりするほど来る。

8割と言うだけあって断るときもあるけれど、本当にくる。


まず、そいつの自宅から近い場所での誘いは9割以上くる。

前日に誘っても来るので

「暇なの?」

と聞いてしまった事があるが、きょとんとした顔をして

「職場での年間休日の内。半分くらいひきこもる程度には予定ないですよ」

と、返してきた。


なお、就業日の夕方はスーパーなどで必要な買い物する以外は、9割方まっすぐ帰るとの事。




「友達多くないですからねー」


「友達と遊ぶ用事とか無いの?」

と聞いた時の答えがこれ。

「いないわけではないんですけどね。どこまでの範囲を友達と言っていいのかわからなくて。はっきり友達だと言えるのが片手の指分いるかどうかです」

特に悲観した様子もなく言う。


それどころか

「友達いなくても死ぬわけじゃないですからねー」

とまで言い出した。



「一人ご飯とか大丈夫な人?」

と聞いたら

「大概の事は平気ですよ」

と言って、思いつく範囲の一人行動をあげる。


旅行でしょー

ご飯でしょー

映画でしょー


三つで止まった。

「あれ?少なくない?カラオケとかは?」

と聞けば

「一人カラオケするほど興味ないんですよね。一人飲みするほど酒好きでもないですし、したらばこんなもんでしょ?」

そう言って、芋焼酎のロックを口に含んだ。


「芋好きなのに酒好きじゃないの?」

疑問を口にすれば、僅かに怪訝な顔をして

「よく言われるんですけどね。こんなの酒の中ではの好みであって、お酒に強いとか酒が好きとかとは別問題だと思うんですよ」

今度は水を口に含む。


「いつ水頼んだの?」

居酒屋では頼まないと来ないはずだけど・・・と疑問を口に出すも

「お酒と一緒に頼みましたよ。飲むなら潰れないように飲みたいですし」

酒好きじゃないと言いながら、飲み方を心得た返事が返ってきて、苦笑が漏れる。


「酒好きだよね?」

「嫌いではないです。でも、二日酔いとかは嫌い」

いい二日酔い対策とかあったら教えてくださいね。と笑う。

そんな彼女の芋焼酎は、いつの間にか空になっていた。


「次頼む?」

「んー。目の前にお酒がない時間があったほうがいいと思うし、先にお手洗い行ってきます」

やっぱり飲み方知ってるじゃんと思う。


そして、トイレから戻ってきた彼女は、自分に次何飲むかを聞き、それと泡盛の水割りと追加の水を頼んだ。

「強いね」

「いえ、全然。弱くもないけど、強くもないです」

思わずと漏れ出た言葉に返してくる。


「調子に乗って戻してしまう時もありますしね」

嫌そうな顔で言う。

「戻すまで飲みたくないし、調整しているつもりなんですけどね」

どうしようもない時もあるんです。と続いた言葉に

「どうしようもない時?」

と返せば

「両肩をひっつかまれてゆすられた時とか。ですね」

と返してくる。


「あれは吐いた・・・まじで吐いた・・・」

唐突に言葉を崩して言い

「本当にやばいので、酔っ払い相手にやっちゃ駄目ですよ」

と笑う。

その顔がなんだか楽しそうだった。




別れ際。

「じゃあ、また暇な日あったらまた飲もうよ」

と言ったら

「暇??」

と返してきて

「予定のないひきこもり日が多いんじゃないの?」

と聞けば

「ひきこもり=暇じゃないです。でも、何かあったら誘ってください」

おやすみなさい。と、数駅先に住んでいるはずの彼女は何故か駅とは別方向へ去っていった。



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