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魔眼は夢をみる  作者: 聖堂 天音
第一章 異世界に生まれ落ちて
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第9話 作戦会議と事情説明(4)

 俺の言葉で静まり返った談話室。俺を見つめるウヅキの辛そうな顔がなんだか気になるが、まぁ、今、気にしても仕方ないだろう。


 唐突な告白をしたから養父母たちの顔色は悪い。政治的な事情で引き取ったとはいえ、子宝に恵まれなかった彼らは俺にとても優しかった。短い間でも、彼らの愛情をしっかり感じ取れたのは、俺を保護してくれた施設の職員のおかげだろう。


 いつ、魔眼の暴走を引き起こすか分からない状態の俺を恐れず慈しんでくれた。


 もし、施設の職員が最低限の世話しかしていなかったら、俺はこの異世界で最低限の常識すら身に付かず、皇帝ほどでは無いが、好き勝手にやらかしていただろう。で、ウヅキが所属しているらしい、イステンスの組織に捕まっていたはずだ。

 

「前世の俺はな……成人する前に親に殺されてるんだ」


「っ……なぜだい……?」


 養父の声に怒りが混ざっている。

 この世界にも身内を殺すことへの忌避感ぐらいは普通にある。それがなんだか嬉しい。


「まぁ、ぶっちゃけ、自分の人生を狂わせた元凶だから、憎くて憎くてたまらず、殺したんだと思う。……俺の前世の母親の実家は歴史に名前が残る名家や、貴族みたいな偉い身分の家系ではなかったんだけど、そこそこ価値のある土地を、それなりの広さで持っている家でな? その土地を他人に貸したり、空き家を貸したりして、その金だけで普通よりちょっと贅沢な暮らしができる、ちょっと裕福な家だったんだ」


 日本では比較的よくある話だ。地元では土地持ちの金持ちとして有名で、土地を貸し出してる関係で地元オンリーではあるが発言力があった。


「祖父母はうまく金を稼いでいたらしく、貸している人たちとの関係は良好で、町の誰かが些細なことで揉めても上手く仲裁できるほどの人だった」


 この世界に置き換えた場合は地方の小さな土地を上手に治める領主といったところか。


「だが、アオイさんの前世の親は違った、と?」


「そう。祖父母には娘が一人いた。俺の前世の母親だな。祖父母が健在な時は家の仕事は全部任せっきりにしていて、俺の母は手助けなど一切せず、なのにたくさんの小遣いを貰い、浪費し、実に自分勝手に生きていた。浪費しすぎて、慌てて祖父母が金絡みの問題を無理やり解決したことが何回もあったらしい。……これだけでも、扱いに困る人なのはよくわかるだろう? だが、母の一番の悪癖は……『人の物を欲しがる』ことだ。欲しいものを金を出して買うのではなく、他人が持っているモノを欲しがる傾向がかなり強くて、友人の私物を頂戴と言ったり、どこそこの有名人が着ていた一点物の服が欲しいから買えるようにして、というのをずっと繰り返していた。幼少の頃は小さなワガママだったのが、肥大化し、成人してから、最悪の『おねだり』をした。……結婚して妻子が既にいる男性に無理やり関係を迫って、既成事実を作り、その男性の子を妊娠し、産まれてきたのが俺。……俺の存在を盾に男に妻子を捨て、結婚してと言った」


「はい!?」


 普通の家庭より裕福な家の一人娘が、お転婆を越えた究極のヤバイ女というのは、上に立つ者として常に誇りを持って生きている人間には理解しがたいだろう。


 そんな事態になるまで母を放置していたのもどうかと思うが、祖父母は地元の噂に耐えきれず、結婚はダメ、俺を育てるのもダメだと、生まれて早々に母と俺を引き離し、俺は祖父母に直接育てられた。


 祖父母の教育の中には、本来なら母が受けていて当然の内容のものも含まれていて、祖父母が所有する土地の情報や、貸している人の個人情報、土地活用する上で関わってくる法律の勉強も含まれていた。


 俺が貴族の付き合いや在り方に多少理解があるのも、町の有力者の後継者として、小学生の頃からあちこち連れ回され、いろいろ叩き込まれたせいだった。


 俺の妙な口調は……そんな祖父と毎日会話をしているうちに身に付いたものである。


「幼いながらも俺は母の異常な部分には気づいていた。気に入らない物はとことん排除したがり、気に入った物は何が何でも手に入れたがる……。俺が十五歳になってもだぞ!? 祖父母は金に余裕があるからと、とことん甘やかしたのが、まさかそんな結果を招くとは思わなかったらしい。また、母が成人する前の話だが、祖父母の土地を借りている家の子や店舗は、母を怒らせたらどんな結果になるか分からないからと、どんな我が儘も受け入れていたから、余計に手遅れになってしまったらしい」


 ここで一旦話を区切ろう。

 見た目が5歳児なのに、こんな話をするのは聞いてる側も疲れてるはずだ。


「……聞いていいのか迷うのだけれど、アオイのお父様はどうなったのかしら?」


 養母はまずそこが気になるらしい。


「……そもそも通常……という言い方もあれだけど、妻子がいながら違う女に手を出した、とは言い難い状況なのは誰の目から見ても明らかだったらしいよ? なにしろ、誰もが理想の夫婦、理想の親子と言っていたほどで、その男性は母に付きまとわれ、女性は非力だから乱暴な真似は出来ない、を逆手に取って手に入れた既成事実を母は町中に噂として広めた。母としては、『彼は私の旦那様になるの! 素敵でしょ?』な程度の感覚だったようで、彼の人生を滅茶苦茶にした自覚は無かったらしい。事実は異なるとはいえ、酷い噂に耐えれなくなった妻は泣きながら離婚を求め、子は妻に引き取られ、町を去った。以後、一度も再会することは出来なかった」


「一度も?」


 養母はその言い方に引っ掛かりを覚えたようだ。俺はうなずきながら、話を続ける。


「……俺が祖父母に引き取られ、母は実家を追い出された。父も同じ町に住み続けることができず、引っ越した。母は……あの女は何をどう考えたらそんな結論が出たのか……。母は俺と一緒じゃないが、父と結婚して一緒に住めると思ったらしく、父がどんな町に逃げても追いかけ、父が住む家に押し掛け、毎日毎日結婚して、と言ったらしい」


 今、思い出しても、あの人から教えられた、あの女の狂気じみた行動の数々は本当に絶句する。


「祖父母は俺を育て、町の住人たちの信頼を取り戻すことに必死だったから、最悪の悲劇に最後まで気づかなかった。今、思うと祖父母も人として未熟過ぎるだろ、と突っ込めるけど、当時二人に意見が言える奴なんてあの町にはいなかったからな」


 そして最悪の悲劇が起きた。


 15年もの間、母の狂気に触れさせられた父は理性を無くしたんだと思う。


 住む町を頻繁に変え、職場を変えて、同僚と仲良くなっても、母が奥様面をして行動し、周囲に悪影響を与える。また、支払い能力皆無の母は『主人が払いますから』と言って、なぜか買い物を繰り返し、事実婚というか、内縁の妻だと嘘をついて、父に支払いを押し付ける。


 厄介な女につきまとわれる、厄介な事情持ちの味方になってくれる人はいなかった。


 ストーカーはやめろよ、と本気で止める人間は警察とかにいたらしいが、母にはまったく話が通じなかった。


 そんな母の所業は少しずつ有名になっていくが、解決策は見つからなかった。


 本当はどうにか出来たのかも知れないが、その辺は俺にはよくわからない。


 でも、そんな母を15年を放置する時点で祖父母は本当に頭がおかしいと思う。


 今なら断言できる。

 だが、当時の俺は隣近所に絶大な影響力を持つ祖父母を信頼、信用しきっていて、祖父母が抱える問題について考えたことがなかった。




 そして、俺が15歳の誕生日を迎えたあの日、家に突然、父がやってきた。


 母がたまに写真を同封した手紙を俺に送っていたからすぐに父だとわかったが、その父の顔はまるで仮面みたいに背筋が凍るような、薄っぺらい笑顔が貼り付いていた。


 父の手には血に濡れた包丁が握られていて、俺は瞬時に母を刺したのだと悟った。


 何の警戒心も抱かずに玄関のドアを開けたことを後悔した瞬間、父は強引に家に入ってきた。


『父さん!?』


 俺はついそう呼んでしまった。15歳の誕生日を迎える少し前に父の状況を知ったから、俺からそう呼ばれたくないのはわかっていたはずなのに、そう呼んでしまった。


 当然、父の逆鱗に触れることになり、手にしていた包丁で何度も俺を刺した。悲鳴を聞き付けた祖父母にも罵詈雑言を浴びせながら切りかかった。俺は刺されて動けない状態でそれをぼんやり見ながら、次第に血を失い、体から力が抜けていくのを感じていた。


 俺、家族に恵まれてねぇな。


 金はあっても、他人を気遣う優しさとか、時に我慢する強さを手に入れなかった母。

 そんな母から一人逃げて、怯えて、狂ってしまった父。

 そんな二人を見捨て、噂話が絶えない地元で見栄を張る祖父母。


 パトカーの音が微かに聞こえてきた。まだ息があった俺は最後の力を振り絞って叫んだ。


『警察だよ! 逃げて!』


 どう考えても父は、この一家の被害者だが、第三者から見れば、民家に上がり込み、住民三人と血縁者一人を殺した極悪人だ。世間は父を確実に非難する。


 父は俺の言葉に反応した。振り返り、俺がまだ生きていることに気づくと、あの薄っぺらい笑顔を浮かべた。


『地獄に落ちろ』


 そう言うなり、包丁を自分の首に当て、勢いよく引く。


 頸動脈だか何かが派手に切れ、血が派手に飛び散る。

 俺は廊下や壁に血で真っ赤に染まったところを見ながら、やがて視界がぼやけていった。




「……とまぁ、こんな感じで人より恵まれた環境に溺れて、好き勝手に生きて、周囲に迷惑をかけまくった実例をしっかり知っているから、そもそも異世界で他人を痛めつけようとか、他人を自分の思い通りに動かそうって事はすごく嫌なんだよ」


 俺の締めくくりの言葉に、ウヅキは「なるほど」とうなずいた。


「アオイさんの落ち着いた言動は転生者特有の精神年齢の高さからくるものですが、その己の欲望のままに動いて、騒ぎを起こしまくる方々に対する、妙に冷めた態度は前世の影響でしたか」


「ちなみに異世界転生やテンプレートやチートに理解があるのは、そんなヤバイ家庭環境とは知らずに、のんびり暮らして、その手の娯楽小説を読みまくっていたせいです」


「いえ、アオイさんは祖父母に隔離されて、世間の厳しい評価を知らなかったのでしょう? 異世界の成人は二十歳と聞いています。しかも、話を聞いた限り、アオイさんがいたのは治安が非常に良い、日本という国でしょう? 未成年のお嬢さんだったとしても、責任はないはずです」


「……ん?」


 なんだろ、ウヅキの今の言葉に違和感があったぞ?


「あの、リードさん」


「私はただの小役人ですから、さん付けはちょっと……」


 あ、今の俺は公爵家令嬢だった。

 前世の話をしたせいで、うっかりした。


「今の言い方だと、日本以外の異世界の国を知っているみたいですね?」


「皇帝が密かに保護した転生者たちは全員、出身が違いました。我が家の記録によると、アメリカ、中国、イングランド、日本、ドイツ、ロシアから転生した方々でした」


 なんでイギリスじゃなくて、日常会話でなかなか使わない『イングランド』のほうなの!?


 これを聞いただけで、どれだけ真剣に転生者に対する調査をしてきたのかがわかる。


 そして異世界テンプレートから外れた異世界転生なのかも。どのタイミングで皇帝が、他の国からの転生者を保護したのか分からないが、神から選ばれた特別な存在じゃないってわかるだろ。


 テンプレ転生物だと、大体が神様が関わってくるが、信仰が違う国の人間も転生してるんだから、彼らの神様も転生に関わったことになるし、『この世界に転生した特別な存在』という定義が混乱してないか?


 あ、いや、この場合の『神』はどっちの世界の神だ?

 元の世界の神か?

 この世界の神か?


「なるほど、よくわかりました。あと、もうひとつ質問が」


「なんでしょうか?」


「皇帝が言っていた神ってどちらの?」


「どちらの?」


「あー、異世界の……俺がいた世界では主流となる宗教が3つあって、それ以外にも国や民族によって、宗派が違ったり、土着の宗教がありまして、俺がいた国は面白いことになってました。あと、この世界の宗教をまったく知らなくて、皇帝は一体どの神様を指していたんでしょうか?」


「……難しい質問ですね。皇帝は非常に異世界に置いてもかなり先進的な国からの転生者なのは分かっていますが、実はそれは曖昧なんですよ」


「曖昧?」


「転生者は大体、獣人亜人の皆様を珍獣、害獣扱いして、差別したり、虐めていて、なかなか信頼関係を構築出来ず、彼らのそういった内面に部分に触れた方が居ないんです。アイリーン様の魔眼は記憶を読み取れますが、何を信仰していたのかとか、わからないのです」


「……あー、なるほど」

 

 さらっと言っているが、皇帝以外の転生者もバカをやっていたんかよ。


「あれ? 帝国が無くなった後も転生者が現れ続けたんですよね? 彼らも?」


「非常に言いにくいのですが、この世界に馴染みませんでした。既に人格が出来上がっており、前世の常識が足を引っ張るのか、獣人亜人の正しく受け入れられなかったと記録されています」


 つまり、トラブルを起こしたってわけか。

 こうなると、ファンタジー小説やゲームの存在が結構ヤバイな。


「元の世界じゃあ、人狼……つまり、頭部は狼、体は人間のやつは人間を食い殺す怪物ってイメージなんだが、似たようなのが居るのか?」


 日本だとなんかファンシーな生き物にされてるが、ヨーロッパだと完全に人を襲う怪物扱いなんだよな。


「獣人の中にたしかに彼らが人狼と称する民族の方がいらっしゃいました。……皇帝の討伐命令で滅びました」


 おい! 一番やっちゃダメなパターンをやってるじゃないか!?


「彼らは山や森に住む、善良な狩猟民族でした。そもそも、ヒトと交わり、子を産めるのに、化け物扱いは、この世界では最低の侮辱です」


「子を……産めるんですか……?」


「子供が作れなかったら、亜人であるダルジア人の血を引くダニエル様の婚約が成立しませんよ? 貴族の婚姻は魔眼の子供が生まれることが一番大事なんですから」


 あ、そうだった。

 だから、俺は引き取られたんだった。


 そもそも魔眼持ちの農民の子が貴族に引き取られることに何の抵抗もない時点で、この世界の常識は日本とは全然違う。なのに、たまに忘れてしまうのは駄目だな。


「獣人亜人に限らず、結婚の話だけでもこれだけ違うから、すぐに受け入れられないんだろうな」


「これは私の推測ですが、魔法が無いが故に、世界そのものがまったく違う方向に成長してしまった結果、共通項が無いのではないかと考えています」


「それはあり得そう……。確かめる方法が無いですが」


「はい……。ですが、アオイさんがこの世界に馴染むかどうか、私がずっと監視する必要は無さそうですね」


「はっ? いやいや、皇帝のせいでイステンスにそういう組織が出来たんですよね!? 組織の意味が……」


「イステンスの人間がバーツ公爵家令嬢を監視するなんて、事情を知らない人間からすれば、異常な状況ですよ? だからこそ、アイリーン様たちは各国の王に皇帝の正体をお伝えしたのです」


 転生者の転生はあまりにも不規則だから、他国の人間だと、イステンスの組織が直接監視は不味いのか。


「しかもアオイさんは魔眼持ちなので引き取りたいという話で、アヴィールの国王陛下の許可を得て、バーツ公爵家の養子となりました。皇帝のようにさせないために養子の関係を取り消そうにも、魔眼持ちである時点で、それは良識あるアヴィール貴族の反感を買います。国の未来に関わるので」


 あぁ、俺が魔眼持ちだから、わざわざ手放す理由が無いのか。


 やばい。例の侯爵をなんとかしたいのに、いきなりバーツ公爵家に迷惑掛けてる。

 どう考えても前世の常識のせいで、対人トラブル必須の人生なのに。


「大丈夫」


 冷や汗をかいて焦っていたら、いかなりダニエルが口を開いた。


「アオイにそんなことをさせない。俺がアオイを守るし、俺がアオイにこの世界を教えて支えていくから」


「ダニエル様……?」


「それに皇帝みたいな事情を抱えた人をダルジア人が助けるって、すごく良いことだと思うし」


 そう言って、にっこりと笑った。その言葉はウヅキには意外だったらしく、目を丸くしている。


 こいつ、何者なんだろうか?

 まさか、俺みたいに転生者か、何か特殊な事情持ちなのか?


 単なる政略的な婚約話から皇帝の正体、異世界転生話と、話の移り変わりが激しくて、元の世界なら小学校入学前の年齢にあたるダニエルは激しすぎる話の流れに翻弄され、話の筋を理解してないだろうと思っていた。


 だが、成人年齢が元の世界より低い世界だからか、貴族の子として既に高度な教育を受けているからなのか、ヘルミーネに限らず、この世界の貴族の子どもは賢いらしい。


 本当に納得できるかは別にして、ここ、異世界だしな。深く考えるだけ、無駄かも知れん。種族的に賢いんです、と言われたら無理やり納得するしかないし。


「もし仮にアオイが何か失敗しても俺がアオイを助ける。そう約束するよ」


 なんだ、このちびっこ……!

 頼もしすぎるだろ!?


 まぁ、たしかに俺のフォロー役は必要かも知れない。


 皇帝の真実を知るのは極一部とはいえ、俺が転生者だと知られたら、必ず騒動になるはずだ。


 娯楽の設定やお決まりと違っているのに、俺はごく自然にうっかりミスをやらかしそうだし。


「ありがと」


 俺が笑顔で感謝すると、ダニエルも笑顔で「どういたしまして」と返した。


「この国でバーツ公爵家の一員となったアオイさんに手を出す人はいないと思いますので、そこまで酷い問題は起きないと思います。……あと、この世界の在り方を歪ませない限り、我々は基本的に静観の立場です。もちろん、アオイさんが可能な限り、この世界と娯楽のお話との違いを理解できるよう、手助けは惜しみません」


 ウヅキのありがたい申し出にうなずく。


「転生者に関する話はこれで終わりにして、夜会でのそれぞれの役割について話し合おうか?」


 養父がパンっと手を叩いて、そう締めくくった。



 その後、まるで舞台稽古みたいな形で、ヘイグ侯爵を夜会で潰す計画の話し合いが始まった。


 その話し合いの最中、良いアイディアが無く、煮詰まるとイシュヴァレン伯爵が脳筋な思い付きを言い出して、養父に即答で却下される一幕があり、俺の中でイシュヴァレン伯爵のイメージが脳筋で完全に固定されてしまった。


 あれ?

 ……伯爵って、たしか貴族の中では相当高位で、王族と結婚できるほどの家柄のはずじゃ?

 脳筋って、おかしくね?

 

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