最終話
スミマセン!構想を練っていたら、最終話とする方法を思い付いてしまい、これ以上、この作品を続けられないと思い、終わらせることにしました。
掲載も遅れてしまいましたが、申し訳ありません。
読んで下さり、大変ありがとうございました。
※英語のひらがな読みのより正確な表現と思われる表記へ、修正致しました。
『MMOwA』と呼ばれる世界の、北海道で。……ちなみに、今現在、『MMOwA』~『MMOwZ』までのMMOワールドが構築されているようだ。一時期より、増設されていると……私の記憶に因れば、そのはずであった。
私の城は、完成していた。
私のアバターが36体居て、レイド戦を仕掛けてくるのを待つだけの城が。
他の全アバターは廃棄した。いざとなれば、また作れる。
私をブロックしたスレが立っていたから、恐らく、連中は仕掛けて来るだろう。
フルレイド戦という名の、各個撃破を狙われているとも知らずに。
玉座の間の開錠条件が、城内36室の各アバターの撃破。
但し、全36室に各1人が入らなければ、私のアバターは現れないし、各室に1人のみが入室している状態だと、扉が閉じられて施錠されるという鬼畜設定。
まず、負けない。
ブレスだって、未だ誰にも見せたことが無いし、恐らく、初撃のそれで、半数以上はアバターが死去し、壊滅状態に陥ることだろう。
勝者のみが部屋を出て、果たして、どちらの方が人数が多い状況で戦うことになるだろうか。
――しばらく。
そう……一ヶ月位の時間は待っただろうか。
奴らは攻めて来た。
だが、彼らが城に入って、すぐに行った事は、余りにも意外な事だった。
「頼もう~!!」
別に、第一声が意外だった訳では無かった。
「ここに、貴様が発明したゲームがある!
これで、勝敗を決しようじゃないか!」
ゲームの発明?
ああ、現実世界で、1つやっていたことだったな。
私はアバターの1体を、奴らの眼前に送った。
「……貴様らの要求は?」
「この『MMOwA』以外の全MMOワールドの、生態系の再構築」
私は、目を細める。
「私に、そんなことが可能だと思っているのか?」
「出来ない、とは言うまい」
「世界のリセットボタンを押せと言うのか?」
「その通りだ」
少々、悩ましい。
確かに、彼らが用意してきたゲームは、私が発明したものだが、発明したから、強い、とはイコールでは結ばれない。
彼らの代表者は、そのゲームの強者だろう。
正直、勝算が薄い。
「私たちの代表者は、紅百合さんだ」
「……!」
あんな女性が、世界の運命を託されるゲームを?
……否。『この世界』のアカシックレコードを部分的にでも読んだ私には、理由が分かった。
彼女は、アカシックレコードの断片を読んだ可能性のあるプレイヤーだ。
私は、彼らの前に姿を現す事にした。
「……ホントに、その条件で良いのか?」
「紅百合さんの提案だ。口約束で良い。その条件で、勝負をしてくれ。
アンタが勝ったら、紅百合さんが何でも望みを聞くそうだ」
迷ったが、勝てる!と、私は思ってしまった。
「いいだろう。
彼女を連れて来てくれ」
「ついて来ている」
彼女が、2つのデッキを持って、現れた。中身は、同じはずだ。同じデッキ同士で、場合によっては「Fate Battle」と言って、自分の山札を自由に並び替えた状態で始めるルールもあるゲームだった。
「よろしく」
紅百合さんが、ただそれだけを言って、デッキを1つ、私に渡してきた。私はテーブルと椅子を用意して、準備を整える。
「『Fate Battle』と参りましょうか」
……!選択を誤った!
彼女は、自信のある配列があるのだろう。
だが、私の選択肢は1つだった。
ところが、『Fate Battle』と言いながら、紅百合さんはデッキをシャッフルし始めた。
彼女は、こう言って、デッキをテーブルに置いた。
「あい・あむ・のっと・わんと・ふぇいと」
それは、『Fate Battle』でシャッフルをして、『Non-Fate Battle』と同等の条件で、世界戦を制した、有名な女性チャンピオンのセリフだった。
私も、シャッフルを終えたデッキを置いて、こう言う。
「『Me too』」
この瞬間、この世界が、運命から放たれた。
End
竜頭蛇尾にすらならない作品で、申し訳ありません。
また、機会があったら、他の作品を掲載するかも知れません。
その時まで、サヨウナラ。




