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第30話

 女傑国にて、3ヵ国会談が行われることになった。


 大魔王国からは魔王自らがやって来たが、ゴーファス王国の方は、王妃を中心とした一団がやって来た。国王から、全権を委任されてやって来たという。


 まず、会食の場を用意して、場を和ませた。大魔王国用に、世界三大珍味と、日本三大珍味の両方を用意したし、ゴーファス王国用に、華やかな料理も用意した。


 私の立場は、女傑国の『上皇』。女王より上の立場である、という名目である。


 ゴーファス王国は、とりあえず、第一王子が王位を継承し、公爵家の長女との婚約も決まっていたので、継承の儀式と挙式を織り交ぜながら行ったらしい。

 どうやら、国の腐敗に対策を行っているらしく、王は真っ当な人格者らしかった。


 つまりは。

 公爵家の長女が、いきなり外交で、国の全権を委任されて、3カ国の従属関係について、交渉を行わなければいけないのである。

 ただ、新鮮なレッドバニーのお肉には、大変喜んでいただけた。「久し振りにいただきました」と言っていたから、如何に私がやり過ぎてしまったことか、ということの証明になってしまった。


 それでも。

 我が国の女王は、ゴーファス王国の元姫君である。向こうが、『交渉に易し』と思ったとしても仕方が無い。


 魔王は、一度思い知らせているし、分を弁えるだろう。会食に関しては、未だ知らぬ珍味を食べられたとあって、満足そうだ。


 ゴーファス国王が、王妃に何と指示し、こちらに来ているのか、という問題になるのだろう。

 少なくとも、暗殺者を忍ばせている馬鹿ではなかった。


 ……つうか、イチイチ調べるのはメンドクサイけど、何処かの時点で、『国の腐敗改善クエ』とかをクリアしてそうな気がするのは気のせいか?

 称号とかも、イチイチ『クエスト』扱いされていて、無駄だけど経験値とか入って来ているし、今回の会食とか会談とかも、『クエスト』扱いされてるような気がするなぁ……。――チラッと見たら、クエスト扱いされていることは確認出来たけれども。


 うん。このゲーム、凝り過ぎていて、無駄が多すぎるね♪……その『無駄』を楽しめ、ってことなんだろうけれどもさぁ……。


 つうか、LVもEx.が最高だと思っていたけれども、創造しようと思えば、その上の概念も作れるんじゃないかなぁ……。――ほら、私って職業は一応、『言霊使い』だしさぁ……。


「……エクストラレベルの上に、アルファからオメガレベルまであれば良いのに」


 ポツリと、呟いてみた。――レベルを確認すると、『LV:ν1543』まで上がってたし……!


 何なの!?私の記憶でも、LV:C1~はしばらく苦戦した記憶があるけれども、イチイチの行動がクエストに繋がっていて、それをクリアしたら経験値が、場合によっては馬鹿にならない値になっていたから、苦戦したのもLV:C100位までだし!ゲームバランス、悪すぎるよ!


 しかも!レベルの1543って、『以後、止さないか』ってデジタルソウル側からのメッセージなの!?ねぇ、GMコールで聞いて良い!?


 ちなみに、私が最初に獲得したチート転生の『チート能力』は、『以後のチート転生で、必ず以前に獲得したチートは引き継ぐこと』だった。なので、チート能力は転生回数-1回分持っている。


「まさか、フォンセさんが、女傑国の女王になっているなんて、私、思いませんでしたわ」


 ゴーファス王国の王妃・ウィンプから、そんな言葉が投げかけられた。


「……ほぼ、書類手続きのお神輿ですけれどね」


 苦笑いして、フォンセが返す。


「知り合いか?」

「従妹です」


 うーん……。従妹を従属国の従属国にするのは、心苦しいものがあろう。


「ウィンプ妃殿下。条件があれば、多少は飲もう」

「……国としての不可侵条約。これは可能な限り飲んでいただきたい条件だと、国王より言い含められております」

「……構わないのではないか?

 魔王女史も国としては、問題無かろう?」

「……構わぬが。フフフ……。貴君は、妾にも名前があることに、全く興味を示されないのであるな」


 ……そうか。『魔王』は称号か。道理でおかしいと思っていたんだ。自分に、今、『魔王』の称号があることを。


「……それで?

 魔王女史のご尊名は?」

「黒百合」

「……!」


 ……何てこった……。黒百合の花言葉は、『呪い』だぞ?


「……文字通り、呪われた存在、ってことか」

「……どういう意味だ?」

「いや……分からなければそれでいい」


 その後、会談も恙無く進み。

 こちらの世界では、ひと段落がつきつつあった。

申し訳ありません、この先、話のストックがありません。

掲載し続けられるかどうか、怪しい状況です。

ご容赦願います。

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