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第18話

「……で、ここでこの遺伝子が加わって、そこにこの遺伝子を加えて……」

「マスター!

 何をすれば良いのか、分かっていない子が沢山いるのに、何を複雑怪奇なことをやっていらっしゃるのですか!」


 メイド長は、良い具合に、従いながらもすべきことをキチンと教えてくれる。


「ああ、じゃあ、一旦データ保存。

 ……で?

 そうだ、隷属させてた連中が、従属している連中より下位に居るという認識を持っている奴が沢山居るのを確認したから、全員、従属に変更して、能力も最大値まで上げておいたぞ!」

「……で?

 何が必要か、おっしゃって下さい。

 ワタクシから、メイドの皆に指示を出して、統治の真似事位はやってみせますから!」

「了解。

 まず、昨晩眠って頭を整理して、分かった事は、ピラミッド構造は確かに効果的だから、能力的に判断して、全員に役割をイメージで送る。

 メイド長には、逆らう奴には『命令』出来る権利を与えておく。但し、無駄な命令は無効化されるからそのつもりで。

 メイド全員にも、メイド長の下位の『命令権』を与えておく。


 城の掃除とか、とりあえず良いから。


『じゃあ、全員に、指示を出すぞ!

 私のイメージ通りになるように、各人、自分の役目を見極めて、役割を果たすように!』


 あとは頼んだ。

 それと、大魔王国からは勿論、ゴーファス王国からも、接触を求められている。


 大魔王国は思い知っているから、恐らく和平交渉の使者だが、ゴーファス王国の方は、陰に暗殺者を潜ませてるから。

 わざと、見逃して通しているから、間違って殺したりしないように気をつけてね。


 大魔王国からの使者は、5日後。ゴーファス王国からの使者は1週間後に到着するペースだね。


 客をもてなすスペースも用意してあるし、問題なくおもてなし出来るよね?



 で、見逃せないレベルの問題があったら、報告して。メイド長とだけは、直通のメッセージ送受信システムを解放してあるから。メイド長は、メイド全員と送受信出来るから、大変だと思うけど、頑張ってね!


 宰相を生み出したら、私は基本、国王直接の許可が必要な場合以外は宰相が仕事出来るようになるはずだから、ホントに見逃せないレベルの問題以外を報告してきたら、罰を与えるよ?


 あと、それぞれが役割を果たしたら、現金が支給されるように準備しておいたから、買い物とか、料理とか、とにかく、集団生活で何とか生きていくように、皆を頑張らせて!


 じゃ!」


「『じゃ!』で済ませますか!


 ……はぁーっ……。

 ……まぁ、確かに、このイメージ通りに全員動いてくれるなら、当面は困らなそうですけどねぇ……。


 とりあえず、指示に従いそうにない者達から、何とかしますか」

「あっ!待って。

 伯爵に『寵愛』されていただけの連中は、納得して動かさせるのは難しそうだから、『あなたの末期』ってキーワードを唱えて。かつて、寵愛されていた連中のその後の生活の記憶を与えさせるキーワードだから。覚えておいて、損は無いと思うよ」

「分かりました!『あなたの末期』ですね!

 だそうよ?メイド全員、働きなさい!」


 現代の医学では、女性が2人居れば、子供を作れる。男の子も女の子も。

 でも、ここは『女傑国』だから、男の子は要らない。

 言霊使いの能力を使えば、女性2人を用意すれば、ある程度、思い通りの遺伝をした女の子のみを産ませることが出来る。

 だから、それを計算の結果、『宰相』として最高の才能を持った女の子を作ろうと思っているのだが。


 今は、メイド長が代役だ。十分とも言えるが、国を動かすレベルでは、やはり足りないと感じる。


 今は、まだ、『生産者』『運搬者』『加工者』『販売者』といった具合に、主に食材に対して、国が回るように役割分担を行った。とりあえず、食!人間、食わなければ死ぬのだから。


 労働は義務としているが、ベーシックインカムも一部、取り入れてみた。つまり、何でも良いから、可能な仕事をしたのならば、商売の利益の他に、生活に最低限困らないだけの金銭を得られるシステムだ。他にも、初期に必要な経費も配布済みだ。


 これを出来たのも、もしかしたらと思って、『大金を手に入れたい』と言霊使いの能力を用いて呟いてみたら、桁を数えるのが大変すぎて諦めたレベルの大金を本当に手に入れられてしまったからなのだが。


 役目を与える中には、特別に、『宰相』の才能を持つ子供を将来的に産むためにペアになって出産してもらう予定の者も居る。

 1人につき1人、メイドを世話役に配し、迎えに行かせているのだが。


 ところが、だ。


 ビーッビーッ!!


 かなりの音量で、脳内に通知が来た。

 何かと思えば、以下のような内容だった。


『CPU管理者からの警告です。

 現実世界で、地球が壊滅の危機に陥っています。

 緊急措置として、ゲーム内世界を現実化し、出来る限り全人類をこのゲーム世界内へ導きたいと考えております。


 宗教の関係上、各国で、指示が混乱しております。

 国毎に、レベル最高値のプレイヤーに、指導者権限を与えたいと思っております。


 国の代表指導者の方々は、早急に方針を打ち出し、対処をお願い致します。

 我々コンピューターは、現実化したゲーム世界の維持・管理を全力で行います。


 尚、闘病者プレイヤー世界と健常者プレイヤー世界を繋ぐ世界の構築も実装済みです。


 従えないプレイヤーは、世界を完全ブロックして、他の世界と隔離させていただきます。


 一般プレイヤーへの連絡事項は以上です』


 ……私は、国の代表指導者……?


『国の代表指導者のみへの連絡事項をお伝えします。

 キリスト教は『ハルマゲドン』を宣言し、北欧神話は、『ラグナロク』を宣言し、現在、交戦中です。


 指示をお願い致します』


 私の決断は早かった。


「鎖国だ!

 国内の外国人は、希望すれば母国への帰還を許可する。

 海外の日本人は、希望すれば、日本への帰国を許可する。

 但し、猶予時間は30分。その間に決断すること!


 ちなみに、その30分が経過後、他国との接点を、アルフェリオン障壁でブロックする!」


 言霊使いの能力も使って、それを実行した。

 国内の外国人の6割が帰国を希望し、国外の日本人の9割が帰国を希望した。


『イエッサー!

 但し、他国との接点は、情報的な繋がりなので、こちらから一方的に断絶してしまえば、アルフェリオン障壁の必要無く、侵入も原則不可能です。

 ウィルスによる侵入の可能性を防ぐため、ウィルス対策ソフトウェアの開発を行います。


 そして、今から時間は約束できませんが、ある一定の期間、プレイヤーの皆さんには強制睡眠していただきます。

 世界を構築するのに必要な時間です。


 申し訳ありませんが、無事の再会を願っております。

 では、お休みなさいませ』


 えっ!?そんなこと、急に言われても……と思っている内に、強烈な眠気がやって来て――

これで、第1章終了です。

次話から、第2章になりますが、どこまで書けるものやら……。

とりあえず、書ける限り、書いて行きたいと思っております。

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