第16話
見渡す限りの平原――
ここが!私の領土か!
遠くに、水平線も見える。海そのものは、視野の広くを占める程は見えないが。
まず、人数確認か。
とりあえず、奴隷は、300名程いるよう。
……こんなに虐待していたのか……。
ゴーストの数は、もっと凄い。
1万5千程も居る。
……少ないな。
国の人口としては、少ない。
とりあえず、城が要る。国なのだから、城が無いと、ナメられる。
まず、イメージを固めて、立派な城をドーンと建てる。
但し、私の居住区画は、リアルで自分が住んでいた家と同等の便利で馴染んだ区画を用意しておいた。
「ゴースト、全員蘇生!着衣をイメージして纏う事!」
とりあえず、怯える者の何と多いことか……。
伯爵に優遇されていた者以外は、全員、怯えている。
……当然と言えば当然だ。
「私に従属する者は、能力を最大限に得よ!」
とは言っても、プレイヤーキャラクター以外は、才能という値が定められていて、能力値の上限とか得られるスキルの制限とかあるんだよねぇ~。
そして、住居に関しては、私がイメージする、豪華すぎないが最大限に便利な家を、人数分の二割増の数で作っておいて、初期配置を全員に通知。場所の変更や交換の許可を与えておいて、しばらく、場所が落ち着くまで待つこととして、人数を増やしていこう。ぶっちゃけ、部下の家を見たことのある中で、マンションとして一番良さそうだった所を3階建てで真似して作った。
一応、全部、無理すれば六人まで住める住居にして、集団で住むのも許可しておいたが、正直、六人で住むと色々不便だろう。四人位なら、問題ないと思うのだが……。
家は、これからも増やしていくつもりだし、そして、何よりも希望者の多そうな、食事を全員分用意する。
家を決めるのを随分と迷っている者もいるから、テレパシーで弁当を送る旨を伝えて、受け取らせた。迷っていた者も、近くの家へと入って、とりあえず食べることにしたようだ。ちなみに、トンカツ弁当にした。私が今、食べたかったからだ。食事に関しては、私はあまり美食への拘りが無い。一国の王がそれでは困るだろうから、対処はそのうち考えるが、まだ今後の課題だ。
そして、全員に通知する。
「一週間以内に、仕事を決めろ!
仕事をしない奴には食事は与えない!」
ちなみに、テレパシーは一方通行だ。全員からのをイチイチ受けて答えていたら、時間が足りな過ぎる。
「この国を、『女傑国』とする!」
国防は、全員、武器を与えれば優秀な兵士たり得るが、とりあえずは戸惑いや怯えがあるだろうから、しばらくは、国境に『アルフェリオン・ゴーレム』を配置した。高度な知能も持たせ、会話も可能なので、白旗挙げて交渉に来たら、私へと連絡が来る運びとなっている。但し、女性以外は入国できない封印も施してある。
仕事に関しても、城のメイドは多数雇うと伝えて、掃除等の雑用が主となるが、メイド服支給と伝えた。色は黒で、スカートはセミロングだ。
才能のある奴には、仕事の依頼をして、とりあえず、突出してメイド能力の高い者をメイド長として任命した。メイドは彼女に従って仕事をするように、と。
一番欲しいのが、宰相なのだが、残念ながら、これだけの数が居ても、宰相を任せられる程の能力者は居なかった。……まぁ、ここに来た経緯を考えれば、当然の事ではあるのだが。
奴隷商には、お世話になることだろう。
理想は、私が居なくても回る国作りだ。私はお神輿で良い。
人間の国・『ゴーファス王国』と、魔王の国『大魔王国』とは、三国で和平交渉をした後、他の勢力とも接点は作っておきたいのだが。
思考の傾向を探ってから、数は全体に対して少ないが、良いアイディアを持っていて、その方面の能力の高い者には、その役目を与えるとかした辺りで、一気に疲労が来て、今日はもう、掲示板だけ覗いて眠ろうと思ったが、メイドは早朝勤務の為、明日の早朝よりちょっと早い時間に、サンドウィッチと飲むヨーグルトを配給するよう、予約する言霊を使っておき、全員に通知しておいた。
ホント、『イメージ通りにお願い!』という言霊は便利だ。――但し、ほぼ物を作ることにしか使えないが。
問題点も幾つかは上がってきているのも分かっているが、明日に回すこととして、自室に篭った。