第15話
今日は、ヴァイオリンさんから教えて貰ったクエのクリアを目指して、行動することを目指そうと思う。
まず、やって来たのは、奴隷商。
そこの、地下一番奥の、『部位欠損奴隷』を取り扱っているエリア。
「フム……。
男より女の方が比較的高いのは理解出来るが、30倍は、流石に高過ぎないか?」
「仕方ねぇだろ!
……それでも売れるんだから」
「……死んだ奴隷も居るのではないか?」
「……俺でも胸糞悪くなる話だが、少なからずいるね。
死体は火葬しているが、ゴースト化して、ここの地下水路を占拠している」
「それを始末したら、この値を吊り上げている貴族の事を教えて貰えないか?」
奴隷商は、かなり迷う。だが、長時間待って結論を出させるつもりは無い。
「その貴族を、私が始末するが?」
「……それが出来そうな腕前ではありそうだな。
良いだろう。ゴーストに殺されるのが、いつが自分の番かを恐れ続けて眠れぬ夜を過ごすより、よっぽど良さそうだ」
説明口調、ありがとう!時々ある、こういう説明口調が嫌いというプレイヤーが少なからずいて、改善を順次行っているらしいが、ここの改良はまだだったようだ。……受けられるプレイヤーキャラクターが少ないから、優先順位が低いのだろう。
「ちょっと、行って来る」
「死んでも責任は取らんよ!」
「もちろんだ」
地下水路の入り口を降りる。そして、まずはだ。
「女のゴーストは私に従属しろ」
これだけで、女のゴーストは無力化だ。尽々、言霊使いになっていて良かった。これを全部無駄にするとか、勿体無い。
「男のゴーストは成仏しろ」
様々な言葉を私に投げて、男のゴーストは成仏して行った。感謝の言葉が多かった。
次は、地下室に戻り、奴隷商から情報を貰わねば。
「戻ったぞ」
「ちょ……!約束が違うじゃねぇか!
ゴーストを……従えているのか!?
……アンタ、何者だ?」
「情報が欲しいのだが。
……それとも何か?私の僕に呪われたいか?」
「じょ、冗談じゃない!
マウンティア伯爵だ。……俺から聞いたなんて、言わないでくれよ?」
「もちろん。
今日中には奴の命は無い。
あと、礼だ」
と言って、欠損部位を持つ奴隷を全回復させた。男女関係無く。
さて。
……作戦の開始だ。
転移の魔法を使って、まずは貴族街の入り口に姿を現す。
真正面からは、入れてもらえない。
だから。
声には出さず、マウンティア伯爵の居場所と屋敷を見つけた。
どうやら、今は屋敷の中で、くつろいでいるようだ。
そして、地下には奴の趣味の部屋と、死体の始末所。
正直、見たくも無いが、地下に出現し、死にかけている女奴隷全員を、完全回復させる。
あと、血の跡とか見たくないから、部屋全体を洗浄するが、拷問道具は……そうか!
「拷問道具、全部消滅しろ」
良し、無くなった。
「マウンティア伯爵の全女性奴隷は、俺に従属しろ」
第一段階はこれで、第二段階は。
「私の全奴隷は、能力を最大限に得よ」
そして、第三段階として。
「私の全奴隷に、マウンティア伯爵をどう扱っても良い許可を与える」
まだまだ~!!
死体の始末所に行って、まぁ、さっきと同じだな。
「全女性ゴーストは、私に従属しろ」
ゴースト無力化の魔方陣が描かれていたが、破壊して無効化する。
さっきから、盛大にMPを消費しているが、これでもまだ、減った気がしない。
マウンティア伯爵は、とっくの前にお亡くなりになっていた。あとは、死体を滅茶苦茶にされていたが。まぁ、私は知らん!
さあ、では、皆で私の領土へ行くぞ♪
「私の全従属奴隷と、全従属ゴーストは、私と共に、私のイメージする地点へ転移!」
そして、初めて、私は、私の領土のど真ん中にやって来ることになった。