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something hot

作者: 誰かの中の誰か

「好きです」

真っ黒なディスプレイに向かって言った。

そこには鈍く自分の姿が写っている。

なんてバカらしいんだろう。

たった一人で自分ではないなにかに向き合っている私。

なんてかわいそう。なんてかわいそうなんだろう。


目の前に佇む画面から自分の知らない自分が動き出す。歪んで写っていた自分の像さえ消えてしまった。

そこに私はいないから。

どれだけ言ってもムダ。


大して高望みをしてるわけではなく、なにか温かい物が欲しいだけだった。


画面が光ってる間は歪んだ自分も歪んで見える自分も忘れられるけど。映像が写ってる時間なんてそこまで長くない。画面の向こうの人はいいわね。ずっと光のなかにいられるし。

……なんて。

見てる世界が全てではないと気づいて欲しいのはこちらの方なのに。


なにか温かい物が欲しいというのは、高望みだとあとから気づいた。


そして、酸っぱいブドウを嫌っているうちになにもかも腐って消えた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 簡潔ですが情緒的なとても素敵な文章です。なろうで純文学は珍しく、英語のタイトルも目を引きました。 [気になる点] 主人公の人物像がよくわからず、どんなことが起きて今の心理状況があるのか説明…
[良い点] 虚しさがすごい。 [気になる点] もうちょっと情報が欲しい。これだと詩寄り過ぎるような。 [一言] 貴腐なオチということでしょうか。それに加えて、二次元という意味か、画面越しだけの関係とい…
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