二度寝はダメ…ですか…
大変遅れまして、そして短い話となってしまいまして本当にすみません。
続読よろしくお願いします
「お姉ちゃん、起きてー、朝だよー。朝ごはんに遅れちゃうよー?」
リンが布団を引きはがそうとしてくる。私はそれを必死に布団を引っ張り返すことで抵抗する。お姉ちゃんは基本的に食欲よりも睡眠欲なのです。だから……
「リン、私の分も食べてきていいよー、そうすればもったいなくないし」
「無理だし、第一にそういう問題でもないから早く起きてー!」
リンは引き続き私の布団を引っ張る。……このままじゃどっちにしろ眠れない。仕方ない、リンの頑張りには負けたよ。まぁ、本当に眠かったら二度寝すればいいだけだし。
体を起こし、ベッドに腰掛けた態勢でぼーっとしていると、リンが服を取ってきてくれた。
「おかーさん、ありがとー」
とお礼を言うと、リンは苦笑しながら早く着替えてね、と言って部屋を出て行った。スルーはやめてよ、スルーは……
リンが私の扱い方を覚えてきたのを少し悲しく思いながら、いつものセーラー服に着替える。因みに毎日セーラー服を着てはいるけど、ちゃんと『リキッド』で洗濯したものを着ているから衛生的、女子的には問題なし。
まぁ、洗濯しているのはリンだし、通常服がセーラーっていう時点で若干思うところがあるけど。現実世界でも私服としてセーラー着ていたし、だって服選ばなくていいから楽じゃない。……あれ? やっぱり女子力的に私ってアウト?
「おはよう」
「「「おはようございます!」」」
はい、元気がよくて大変よろしい。でも寝起きにその音量は地味にダメージ来るからやめてね。ああ、頭と耳がキーンってする……フラフラしながら昨夜、夕食を貰った時の席につく。すると、リンの席にはみんなと同じ朝食、私の前には具を多めに盛られたスープと小さなパンが置かれた。
理由を聞くと、私の起床前にベルさんが来て、リンに朝食のことを聞きに来ていたそうで。リンが、お姉ちゃんは朝苦手なので軽いものにしてあげてください、と伝えてくれていたのでこうなったらしい。やはりリンは出来る子だ。妹の機転を褒めつつ、もそもそとパンとスープをいただく。
十数分後、みんなが食べ終わる頃に私も完食、量も丁度良かった。満腹になって眠くなってきたけど、一応私はタイム、二度寝の雰囲気は部屋に戻るまで出してはならない。食器を洗い場に出して、シスターさん
にお礼を言う、ご馳走様でした。
さて、二度寝をしましょうか。そう思って部屋に戻ろうとすると、リンから袖をつかまれストップがかかる。
「タイム、これから薬草を見て回りに行くのだけれど付き合ってくれないかしら?」
うわー……目が、二度寝なんてさせないよ、って言ってるよー。暗くならなければ『メタファリング』は見破られることはないけれど、リンは街中でさらわれそうになってたわけだし、そう考えたら二度寝しに行けなくなっちゃうじゃんか……
「分かりました。外套を取ってきますのでしばしお待ちください」
そう言って一人部屋に戻り、ベッドで横になりたい衝動を何とか押しとどめて外套を羽織る。どうしてカードの中に入れておかないのかというと、カードの中はどういう仕組みなのかは分からないけれど、入れたものがそのまま出てくる。
つまり、干すことをしなければずっとシワがよりつづける、というのだ。そのため、シワを防ぐために棒にかけておいたのだ……リンが。因みに私はシワなどまったく気にしない。やっぱり女子として……(以下自粛)
とりあえず外に出てきてはみたものの、特に行先ものないのだけれど……
「リン、どこか行きたいところあるの?」
「今は外だからマリーの方がいいかも」
あ、自分で作っておいてなんだけど忘れてた。外に出たからいいかな、と思ってたけど、よく考えたらもっと気を付けなきゃいけないんだった。騎士団の方々に聞かれてたら一発で職務質問だね。ま、姿的にこっちが口滑らせなければばれないけど。
「失礼しました。ではマリー、どこに向かわれるのですか?」
「……タイムのその切り替えの早さは尊敬に値するわ……。行先だけれど薬草を見て回りたい、というのも本当よ。それに毒草も許可が得られるのであれば手に入れるつもりだから見ておきたいの」
……毒草、ね。やっぱり自分の身は自分で守れるようにしておきたい、守られるだけでは嫌、ということかな。私的にはリンに危ないことはしてほしくはないけれど、決心したリンを動かすのは難しそうだしね。
それに、瞬間移動魔法を入れ損ねた身としては、リンが自衛出来るのなら、離れてしまった時、私としては安心材料が増えるからいいか。温かく見守ろう。もちろん危険なことはさせたくないけれど。
そう心に決め、リンの後を追う。リンは覚えていたのであろう薬屋を次から次へとはしごしていく。っていうかすごい記憶力。一度も道を間違えずに目当ての店に最短距離で向かっていく。向こうの世界で『メタファリング』が使えれば、ある程度覚えてもらって替え玉受験してもらうのに。そうすれば絶対第一志望合格できるよ。リンー、本当に脳みそ分けてくれない?
その後、昼前に、以前イーヴァさんに買ってもらったシチューパンを昼ご飯として挟みつつ、昼過ぎまで薬屋めぐりをして、子供たちと遊ぶという、ベルさんとの約束のために教会へと戻った。
切らずにいくと結構長くなってしまいそうだったので、途中で切り、今回の様な短い話となってしまいました。それなのに、前話から大分時間が空いてしまいました…本当にすみません。
次話も…ストックが心もとないので多少遅れるかもしれませんが続読よろしくお願いします。




