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チートってのも悪くないね。  作者: 葉月 コウ
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異世界ってあるんだ・・・

 初投稿です。温かい目で続読して下さると嬉しいです。

 「貴様は誰だ!どこから来た!」


 目の前には私の首筋、ちゃんと頸動脈の位置、に剣を当てて立つ鎧姿の男がいた。

目が覚めてから初めて聞いたセリフがこれって・・・私、面倒なのは嫌いなんだけどなー・・・

一体全体どうしてこうなったんだっけ?






 「今日、処刑されたのは海斗君です。」


そう部長が言った瞬間テーブルについていた章君がガッツポーズをしながら立ち上がった。


「やった!これで俺達の勝ちだな。やっぱ真央がいると勝率がすげー上がるよ。さすがだな!」


私が何をしているかというと、一時期流行っていた、人狼ゲームというゲームを文芸部の皆でやっているのだ。

 人狼ゲームというのは、簡単に説明すると村人陣営と人狼陣営に分かれ、昼の処刑や夜の人狼による殺害を繰り返し、村人は人狼を全て処刑、人狼は村人を生存中の人狼と同数以下にすれば勝ち、というゲームだ。

 因みにローカルルールが多数に存在するので説明は割愛させてもらいます。気になる人はググって下さいね。まあ、端的に言ってしまえば、信頼と疑惑の渦巻く騙し合いのゲームなのだ。


 そんな中、ゲーム内で生き残っていて、テーブルについているのは私、真央と村人陣営である章君の二人だ。章君は今先ほど人狼である海斗君が処刑され、私と二人で村人陣営が勝ったと思っているのだろう、ハイタッチを求めてきた。


「うん、やったよ。おめでとう、章。」


そのハイタッチに応じて、手を彼の手のひらに当て、そのまま彼を引き寄せた。そして耳元でささやく。


「だから私に喰われてね?」


「え・・・?」


章君が疑問符を言った瞬間、進行役である部長がため息交じりにゲーム結果を伝えてくれた。


「このゲームは人狼陣営の勝利です。」


「・・・え?」


その結果を聞いて章君は呆然としていたが三秒ほどたってからどういう事になっているかに気が付いた。


「真央、まさかお前・・・」


気づくのがおそいな、章君は。私は机に伏せられていた、私を示すカードを手に取り章君に見えるように突き出す。そのカードに描かれているのは、牙を血に染めた狼の姿。つまりは人狼を示すカードである。


「そのとーり、騙されてくれてありがとね、哀れな村人君?おかげで勝てたよ。」


「くっそー!またやられたー!」


すっごい悔しがってくれた。うん、その顔が見たかったのよ、私は。すると私がゲーム内で前日に殺害した綾が溜息をつきながら


「いつもやられてるよね、章君。だから真央ちゃんを信じちゃダメだって。」


その言い分に苦笑しながら反論する。


「流石にひどいよ、綾。人を悪魔みたいに。私泣くよ?」


「悪魔の方がまだいいと思うよ。」


・・・泣いていいよね?私泣いても仕方のない扱いを受けたよね、今。仕方ない、悲しんでいる間に自己紹介でもしよう。


 私、真央まなかはごく普通の高校三年生である。

特筆することなど何もない、敢えて挙げるならばひたすらに面倒くさがりで、ダウナーであることぐらい。

 容姿は背中まで伸びている黒髪、それにいつも眠たげな眼ぐらいしか他人と見分けるところが無い程の普通の女子高生。いや、でも身長が175もあるので基本的には遠くからでも見分けがつくという事に関しては特筆できるのかな?


 好きなことは家でラノベを読みながらダラダラのんびりすること。

 

 あと人との舌戦に騙し合い、いわゆる駆け引きと呼ばれるもの一覧。所属している文芸部ではさっきみたいに人狼ゲームをやっては友達を騙して、悪魔と呼ばれています。


 出生も普通の一般家庭の長女で一人っ子。成績は県下有数の進学校らしい、学校で中の上。特技は無し、言い換えるなら器用貧乏。うん、自分で言うのもなんだけど本当に特筆点ないなー。


 そんな特筆することのない私の毎日の中のとある日、私ののんびりライフは突如として終わりを告げた。

というか、勝手に告げられた。


 「ん、もう六時か。そろそろ閉めるから皆、後片付けして。」


 部長が皆に声をかけると、はーい、と返しながらそれぞれに後片付けをして、帰る準備を終え、学校を出た。じゃーねー、また明日―。みんなと別れていつも通りにバスと電車を乗り継いで下校していた。

 

 その強制的な終わりは駅のホームに入って電車を待っていた時だった。黄色い線の上を歩いていたら急にホーム側から強く押されて線路へと放り出された。


 誰、と思って見るもそれらしき姿は無い。そしてその目線を横に向けると、驚いた顔をしている運転手さんと目が合った。あー、死んだなー。やっぱみんなを騙しすぎたのが悪かったか、と思ったのが最期。その時点から私の意識は消えた。電車に轢かれると即死だから痛くないって本当だったんだねー。






 気がついたのは体感で数瞬後。頭痛ったーと思いながら目を開けたら口も同時に開きました。ついでに閉じることを忘れましたとも。なぜなら目の前に広がっていたのは、青い空、白い雲、新緑の若葉が茂る森、そして。

 こっちに赤い目を爛々と光らせているでかいイノシシ、しかも牙が五十センチもあった。


「マジ・・・?」


ウソでしょー・・・


 いきなり主人公が事故に魔物と死にかけてます。どうなっちゃうんですかね、彼女は・・・

 1話目から申し訳ないのですが連載が本当に不定期になります。連載が安定するのは2015年の3月以降の予定です。本当に申し訳ありません。

 感想、ミス指摘等お待ちしておりますので何卒よろしくお願いします。

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