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優秀な妹と婚約したら全て上手くいくのではなかったのですか?  作者: 木山楽斗


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30.やましいからこそ(エルメラ視点)

「……あなた達は、何者ですか?」

「え、えっと……」

「僕の名前は、ドルギアといいます。わかっているとは思いますが、このディルモニア王国の第三王子です。それを前提に、話をしてください」


 お姉様と研究機関の職員達との間に割って入ったドルギア殿下は、自分の身分を明かした。

 その瞬間、職員達はたじろいだ。明らかに動揺している。それは相手が王子だからというだけには見えない。やはり、何か悪いことを考えていたのだろう。


「ドルギア殿下、我々は魔法第三研究所の職員です」

「第三研究所? その職員が、彼女に何の用です?」

「イルティナ嬢の妹君であるエルメラ嬢に関して、少し話をしたかったのです。別に他意はありません」

「……そうですか」


 職員達の説明に、ドルギア殿下は納得していないようだった。

 それは私も同じだ。あの人達は、何か良からぬことを考えていた。

 そうでなければ、わざわざお姉様に話しかけたりしないだろう。私本人と話をすればいいだけだ。


「しかし妙ですね。第三研究所は、エルメラ嬢に研究協力の要請を断られたと聞いていますが」

「……お耳が早いですね。私達は、そのことに関するお願いに来たのです」

「……貴族とはいえ、未成年のイルティナ嬢に対して、こんな大勢でお願いに来たのですか? それはなんとも、無神経ですね?」

「それは……」


 ドルギア殿下の指摘に、職員達は一瞬目をそらした。

 仮に彼らが、本当にお願いに来たとしても、あの人数の大人が子供を囲むとどうなるのかは、明確である。ドルギア殿下の指摘は、もっともだ。

 ただ、彼らが目をそらしたのはそれが図星だったからだろう。何の目的かは知らないが、彼らはお姉様に圧をかけようとしていた。それは私にとって、とても許せないことだ。


「……話があるなら、私がお伺いしますよ」

「エ、エルメラ嬢……」

「あなた方が何を考えているのかは知りませんが、私の日常を脅かすようなら、容赦はしませんよ?」

「……申し訳ない、我々はこれで失礼します」


 私が出て行くと、少し焦ったような様子で職員達はその場から去って行った。

 私への話をしたかったはずなのに、私が出て行ったら逃げ出す。そんな行動をする時点で、彼らに何かしらの悪意があったことは明らかだ。


「あ、えっと、ドルギア殿下、ありがとうございました、助けていただいて」

「いいえ、お気になさらないでください、イルティナ嬢。それでは僕も、これで失礼させていただきますね?」

「あ、はい」


 お姉様からお礼を言われたドルギア殿下は、何もなかったかのように明るい笑顔を返した後、その場を去って行った。

 それからお姉様は、私の方に視線を向けた。その目はどこか、不安そうだ。


「エルメラ……大丈夫? なんだか、怪しい人達だったけど」

「ええ、私は大丈夫ですよ。でも、これは少し問題なのかもしれませんね。お父様に厳重に抗議してもらいましょう」

「そうしてもらった方が、いいでしょうね」


 お姉様は、私のことをそっと抱き寄せた。

 その温もりを感じながらも、私は考えていた。これから、どうしていくべきなのかを。

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