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優秀な妹と婚約したら全て上手くいくのではなかったのですか?  作者: 木山楽斗


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21.仲良し姉妹

「お姉様、今日はですね。数学の勉強をしたんです」

「あら、そうなの? それは偉いわね」

「褒めていただけますか?」

「ええ、もちろん、よく頑張ったわね」


 私がゆっくりと頭を撫でると、エルメラは目を細めて喜んでいた。

 今となっては、それはなんとも不思議な光景であると思える。

 ただエルメラは、ある一定の時期から私にとても懐くようになっていた。二人でのお茶会が始まったのも、丁度そのくらいの時期だっただろう。


「お姉様に褒められると、なんだか元気が湧いてきます」

「私もエルメラからは、元気をもらっているわ」

「本当ですか? それは嬉しいです」


 当時のエルメラは、明るい性格だった。

 幼少期の頃や今と比べると、信じられないくらいの天真爛漫さだった。

 子供らしくなったといえばそうなのだが、どうしてそうなったのか、私は未だによくわかっていない。


「そんなエルメラにご褒美とかお礼って訳でもないのだけれど、実はケーキを作ってみたの」

「ケーキ、ですか? わあ、すごく上手に作れていますね?」

「そうかしらね? 確かに、見た目は上手くできたような気はするかも。でも、問題は味だものね」

「大丈夫です、きっとおいしいですよ」


 昔の私は、お菓子作りなんてものに精を出していた。

 別に今でも嫌いという訳ではないのだが、いつからか私はそういったことをしなくなった。

 そういえば、始めた動機は妹が喜ぶ顔が見たかったから、だっただろうか。妹の心が私から離れたことによって、私はモチベーションを失ったのかもしれない。


「……やっぱり、おいしいです」

「そう? それなら良かったわ」

「こんなご褒美があるなら、いくらでも勉強を頑張れちゃいそうです」

「それは少し大袈裟なような気もするわね……でも、ありがとう」


 私達は、仲が良い姉妹であった。お茶会に限らず、二人で時間を過ごすことが多かったような気がする。

 ただ、その関係性はそれ程長く続かなかった。ある時から、エルメラは私のことを避け始めたのである。


 それから、エルメラの態度も大きく変化していった。

 いつも不機嫌というか、少なくとも明るくはなく、あまり笑顔を見なくなったのである。

 そこにどのような心境の変化があったのかは、私にはわからない。何かあったのだろうか。それは改めて振り返ってみると、気になることである。


 とはいえ、単に思春期とかなのかもしれないし、本人に聞けることではないだろうか。

 いや、せっかくエルメラと話すつもりなのだから、この際気になることは全部ぶつけてみるべきかもしれない。

 そうすることによって、何かが見えてくる可能性もある。ここは勇気を持って、ことに当たるべきだろう。

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