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優秀な妹と婚約したら全て上手くいくのではなかったのですか?  作者: 木山楽斗


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13.王子からの知らせ

「……すみませんね、こんな時間に」

「いえ、お気になさらないでください。私も暇を持て余していた所がありましたから」


 夕食が終わってから、ドルギア殿下が私の元を訪ねて来た。

 紳士的な彼が、何の理由もなくこんな時間に女性の元を訪ねて来るとは思えない。恐らく、何かがあったということなのだろう。

 事実として、ドルギア殿下の顔は明るくない。私に関する何か良くないことが、起こっているということだろうか。


「これをあなたに話すべきかどうかは迷いましたが、念のために伝えておくべきだと思いました。実は、王都の周辺以外でも、魔物の大量発生が報告されています」

「それは……」

「パルキスト伯爵家の周辺です。確か、エルメア嬢が訪ねているとか」

「ええ、そうですね。確かにエルメアは、パルキスト伯爵家の屋敷にいるはずです」


 ドルギア殿下の言葉に、私は驚いた。

 まさかよりによって、パルキスト伯爵家の周辺で同じことが起こっているなんて、奇妙な偶然である。

 ただ、エルメアのことは別に心配ではない。彼女は魔物が例え一万体いたとしても負けないだろうし、私なんかが心配するのは失礼である。


「わざわざそれを伝えに来てくださったのですね。ありがとうございます」

「いいえ、まあ、アーガント伯爵家の方から連絡はあると思ったのですが、もしも知らないなら早めに知らせておいた方がいいと思って」

「……そういえば、お父様やお母様からの連絡はありませんね」


 ドルギア殿下の言葉に、私は少し首を傾げることになった。

 エルメアに関することを、両親が把握していないということもないだろう。然るべき連絡がないのは、おかしなことであるような気がする。

 とはいえ、今回の件はあのエルメアのことだ。心配する必要がないことなので連絡を入れていないということも、あり得ない訳ではない。


「まあでも、エルメアは多分大丈夫だと思います。彼女は才能溢れる魔法使いでもありますから、魔物なんかには負けません」

「妹さんのことを信頼されているのですね」

「信頼……」


 ドルギア殿下は、私に対してとても真っ直ぐな言葉を返してきた。

 しかし私は、その言葉を素直に受け止めることができない。私がエルメアに抱いている感情は、信頼などという言葉で言い表せる程、明るいものではない気がしたからだ。


「……少しお話を聞きましょうか?」

「……え?」

「なんというか、思い悩んでいるような気がしますから。僕で良かったら力になりますよ?」


 私の心中を察してくれたのか、ドルギア殿下はそのような提案をしてくれた。

 その言葉に、私は昼間のことを思い出す。彼に婚約のことを話したら随分と心が楽になった。もしかしたら今回も、そういった効果が期待できるかもしれない。

 それなら迷う必要はないだろう。そう思って、私はドルギア殿下にお願いするのだった。

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