8話 「歴史について」
澤谷「前の車についていき 最初何本かは、ゆっくりで行ってもらうようにゆったから」
河本「わかりました ありがとうございます」
澤谷「ヒルクライムも練習しときよ~」
河本「は、はい…」
メンバー「それじゃ出るからついてきてな」
澤谷「さーてどうなるかな」
一本目
河本「しっかりついてかな っていきなり!」
前のクルマが発進してからすぐに加速しだしたので河本はあわててアクセルを踏み込んだ
河本「たしか最初は高速ステージって言ってたな…」
数秒後
河本「コーナーが来た!」
瞬時にブレーキングに入りシフトを5速→4速→3速→2速に下げコーナリングに入った コーナーを抜けたあと河本は唖然とした そう、前の車がコーナーに入るときよりも離れていたのだ
河本「嘘ぉ!! ほとんど同じぐらいの速度で曲がったのにめっちゃ離れとる!」
メンバー「あらら 離れてしまった それもそうか、始めて走るコースを前のクルマと同じ速度で曲がれるわけないか」
数十分後
澤谷「帰ってきたな」
バタン
河本「はぁはぁはぁ… ムズイですよー」
澤谷「そうか?」
河本「初見では無理ですよぉー」
澤谷「そりゃそうか」
塚本「ありゃりゃ その様子やと全然できなかったみたいやな まだ最初やし澤谷の車の助手席乗って何回か見てきたら」
澤谷「そうやな ってか、なんで最初からやらんかったんやろ ここに持って来るわ ちょっと待っとき」
河本「ふぇ?」
その後、澤谷がクルマを取りに行き河本の前まで持ってきた
澤谷「それじゃ乗り今から行くから」
河本「これって!」
澤谷「お! 知ってるんや」
河本「アルピーヌA110Rですよね」
塚本「当たり! このチームじゃ一番新しいクルマかな」
河本「へぇ~」
澤谷「それじゃ行こか」
バタン
河本「おぉー!」
澤谷「内装で驚いてるようじゃこの後、もっと驚くことになりそうやな それじゃ行くで」アクセルON
河本「うおぉ! は、速い! シートに…押し付けられる!」
一気に速度が上がっていきコーナーの目の前まで近づいた そこからギリギリのラインでブレーキングしコーナリングに入った 河本は自分の走りと何が違うのかを感覚的に理解していた
河本(ブレーキポイント、コーナーでのライン、コーナリングスピード…どれをとっても速い 自分なんか全然だめだった… でもこの走りから何かを得ることはできるはず)
「それにしても、加速力が凄い! やっぱり、MRだからなのかな」
澤谷「馬力的には300ほどしか出てないけど、軽さとMRのおかげでグイグイ進んでいく 良いクルマだよ」
河本「確かに、MRで軽量…速いはずだ…」
澤谷「もうすぐテクニカルセクションに入るで」
河本「はい!」
澤谷(さっきより目付きがさっきよりも良くなってる 期待できそうやな)
メンバー「今澤谷さんがテクニカルセクションに入りました」トランシーバー
塚本「了解 登ってきたらまた連絡して」
高橋「ふぁ~」
塚本「ん? あれ、菜乃葉何してたん?」
高橋「暇だから寝てた」
塚本「寝てたって… まぁいいけど」
高橋「ふーん インプレッサねぇ 変わってるわね、期待の新人さんとやら」
塚本「興味あるのか?」
高橋「ないけど」
塚本(相変わらず冷たいな)
メンバー「今、澤谷さんが麓に来ました」トランシーバー
塚本「了解〜 そのままヒルクライムすると思うから」トランシーバー
メンバー「了解」
澤谷「どうやった? なんか参考にできた?」
河本「はい! だいぶ参考になりました 出来れば登りもお願いします」
澤谷「よっしゃ!」
河本「うぉ!」
澤谷が勢いよく返したあとに車を半回転させそのまま登りに入った
そしてその日の夜はチーム全員、峠全体が盛り上がった 一人を除いては……
7話END 「改に見るもの」