27話 「初めての敗北」
河本(このまま逃げ切れば勝てる! 一気に引き離す!!)
雛森(まずいわね… 差を詰められないからどうしようもないのよね コーナーで詰めないと)
インプレッサとMR2との距離は一定の間隔で走っていた 離されることはなくそのままセクター3に入ると一気に差をMR2が詰めてきた
雛森(立ち上がりはターボよりスーパーチャージャーの方が速い もう少し…)
河本(詰められてる! やっぱり、ターボラグのようなものがないスーパーチャージャーの方が立ち上がりは速いか! きついな…)
2台の車間がとうとう無くなり、そのまま連続S字に入った セクター4の手前のコーナーのところでインに付き並んだままコーナーに入った
河本(アウトから被せていけば!)
雛森(そうきたわね、でも甘い!!)
コーナーをクリアしたあとでも2台は並んだまま次のコーナーに入った そして、ついには最終コーナーまで並んだまま突っ込んでいた しかし、MR2がわずかながら前に出始め被せてきた
河本(しまった!!)
雛森(このまま行けー!!)
塚本「来た! はぁ!?、マジでか!!」
ゴールした時にMR2が前に出ていた その後、2台は駐車場に入った
塚本「お疲れさん 二人共、どうやった?」
雛森「いや~、ぎりぎりでしたよ、本当に」
河本「負けたーー!!! 悔しいーー!!!」
塚本「そんな、膝ついて悔しがらんでも…」
河本「負けてもた…」
塚本「結構、頑張ったんだから落ち込むなって 聞いたで、パイロンで同時にターンしたって」
雛森「そうそう、ほとんど同時にターンに入ったからびっくりしたわよ どうやったらそんなこと思いつくのよ… というか、普通ならあんなとこで行こうなんて思わないでしょ リスク高いし」
河本「いや…そこしかないなって というかあの時、感覚的にインプレッサが早く動いた気がするんです」
塚本「そりゃ、インプレッサがMR2より早く動かないと主導権はないだろ」
河本「そうじゃなくて… ん~なんて言えばいいやろ、クルマのほうが先に動いたっていうか、自分がやる前にクルマのほうが先にその動きに入ってたっていうか…」
塚本、雛森「ん?」
河本「自分でもよくわからないんです」
雛森「ドライバーがハンドルを切る前に、クルマがそれより早く曲がろうとしたってことかな?」
塚本「まさか〜 クルマに意思があるとでも言いたいのか」
河本「多分…」
塚本「まぁ、河本が言ってるだしそういうことにしようか」
雛森「でも、勝ちは勝ちだからね」
河本「わかってるよ…」
塚本「それじゃ、帰ろうか」
矢志田「おーい わしを忘れてないかぁ〜」トランシーバー
塚本「や、矢志田さん?! 今、どこに…」
矢志田「頂上だよ! 見とけって言ったのそっちだろ!」
塚本「す、すいません… 今から迎えに行きますから」
矢志田「はぁ~ ところで、どっちが勝った?」
塚本「後で話しますよ」
矢志田「早く迎えに来てくれ さっきから、周りでガサゴソ言うてるから気味悪くてしゃーない」
塚本「今すぐ行きますから…」
矢志田「頼むぞ~」
塚本「完璧に忘れてた…」
河本「早く迎えに行ったほうが」
塚本「そうやな 行ってくるからここで待っといて」
塚本がFCに乗り込むと勢いよく駐車場を飛び出した
河本「は、速い… 飛び出しただけやのに…」
雛森「ま、まぁ チームのリーダーでトップでしね…」
27話END「初めての敗北」




