東京~ムズイ
史実通り関東大震災は発生したが、その後の歴史は違う。最も、その前から史実は異なっているのだが。
埼玉県民には申し訳ないが、この世界に武甲山の雄姿はもう存在しない。全て掘り尽くされて、東京のゼロメートル地帯をかさ上げする『人工地盤』として使われてしまった。
高さ三十一メートルのコンクリート柱を百メートル間隔で建て、蓋で覆うようにして建築された、巨大な人工地盤である。
そんな東京には、『ハーフボックス』という新型のエレベーターが町中を走行している。エレベーターなのだから窓は無く、何段にも重ねられて、電気自動車で運搬できるから凄く効率的だ。
昔構築された交通インフラは人工地盤の上には移設せず、今もそのまま使われている。しかし、採算が合わないと判断された所は、最初から建設されなかった。
昭和の初期に開業した所までが殆どで、その後は『日陰の存在』となってしまう。だから都民にとって『電車に乗る』というのは『非日常』と化しており、とても珍しいことなのだ。
千葉県民の琴美が友人を連れて、切符を買う所から町を案内し、世界遺産である上野寛永寺に向かう。そして浅草へ繰り出す。
そこで見たのは『東京アンダーグラウンド』だった。
一方、牧夫が務めるNJSでは、ハッカー集団『薄荷飴』が犯罪者との攻防を繰り広げていた。
牧夫のコードネームは『ホーク』改め『カイト』である。そして、次々に現れるハッカー達。その中に二人、濃い奴がいる。




