試験~父はハッカー
仲の良い三人組で家路につく琴美。いつもの喫茶店でいつもの席に座り、いつものように注文し、いつものように会話する。
最初は散々だった日本史の話だが、それでも琴美の成績は他の二人よりは『マシ』だったらしい。話は大学受験へと変わる。
そこで琴美は『東京の大学へ行きたい』と『出来れば一人暮らし』を希望するのだが、他の二人は異様に驚くばかりだ。
そればかりか、大学受験をするには『ネットへの接続資格』が必要なことが判り、『もう受けた?』『まだ』の話になる。
琴美は今まで『異世界から来た事実』を誰にも話していないため、知らんぷりをすることも出来ず、話を合わせて行くのだった。
家族団らんの場で、琴美は『資格』と『大学受験』のことを話す。
すると、父・牧夫は『ネットへの接続資格』について、最高ランクであると判明する。
そんな父と言い争いになって部屋に閉じ籠るが、父が部屋に尋ねて来た。そこで『家を売り弟が中卒なら東京の大学へ通える』と切り出され琴美は驚愕する。琴美には『東京の常識』がなかったのだ。
そんな牧夫は、会社で『弄られ役』だった。課長にも成り立てで、部長からは勿論庶務からさえも馬鹿にされているように見える。
しかしその実。牧夫は会社でも数える程しかいない『貴重な資格の持ち主』であり、実力は一目置かれているのであった。
勤務する日本情報処理株式会社(NJS)という会社の中で、『日常の業務』が行われているのだが、何かがおかしい。
いやいや。現実も、実は同じようなもの。かもしれない。




