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第58話 勉強会1

お待たせしました。

「あの、すみません・・・」


 莉緒ちゃんがしょんぼりした様子でおずおずと呟く。

 まあこうなるのも無理はないか。だって急に友達との勉強会に同行してほしいなんてかなり言い難いだろうし。


「気にしなくて良いよ」


 と俺は言うものの、すでにこれと同じ返答を何度かしている。この様子だと後で何度も同じ会話を繰り返す事になってしまうだろう。

 ここは1つフォローをした方が良さそうだ。


「よし、それなら今度の晩御飯を少し豪華にしてもらおうかな」


 すると莉緒ちゃんは薄く笑みを浮かべて、


「はいっ、腕によりをかけて作りますね!」


 と元気に答えてくれた。

 この後は雑談が増え、祭川家へ向かう車中は明るい雰囲気を取り戻したのだった。




「おっ、誰か居るな」


 祭川家へ到着した時にはすでに2人の女の子が立っていた。


「今日一緒に勉強会をする友達ですね」


 1人は黒髪のショートボブで赤のカチューシャをしている少女であった。身長は莉緒ちゃんよりも少し低いくらいで黄色のブラウス、白のショートパンツにスニーカーという出で立ちでどこか快活な印象を受ける。


 もう1人は茶色がかった黒髪をポニテールに纏めている少女で身長は莉緒ちゃんよりも少し高いくらい、白のTシャツにダメージジーンズにパンプスとカジュアルな出で立ちでありながらどこか目を引く雰囲気を漂わせている。


 車を停めてから2人の方へ近付くと、向こうもこちらに気付いて丁寧にお辞儀をしてくる。


「は、初めまして!ウチは初島恵です!」


 ショートボブの少女が緊張気味に声を上げる。


「星河美南です。よろしくお願いします」


 続いてポニテールの少女が丁寧に自己紹介をする。


「神白弘人です。話は聞いてると思うけど莉緒ちゃんの父親の友人で、今は一時的に莉緒ちゃんを預からせてもらっています」


 今日来る友達には事情をある程度話したと先程聞いたので、莉緒ちゃんにとっては2人をとても信頼しているのだと思った。


「す、すみません、今日は突然このようなお願いをしてしまって・・・」


 初島さんが申し訳なさそうな表情で再び頭を下げる。


「いや、気にしなくて良いよ。いつも莉緒ちゃんと仲良くしてくれてありがとう」


 初島さんの事は以前に莉緒ちゃんや誠也から話を聞いていており、仲が良い友達であるとは知っていた。きっと俺と誠也のような関係なのだろう。


 一通り自己紹介を終えたところで祭川家へと入る。室内とはいえ7月の午後なのでかなり暑い。


「それじゃ、終わったら呼んでくれるか?俺はいつもの部屋にいるから」

「はい、分かりました」


 莉緒ちゃんが頷いたのを見て、俺はいつも使っている部屋へと向かうのだった。




[莉緒視点]


「ねえねえ莉緒」

「どうしたの?」


 2人を私の部屋へと迎え入れた後、開口一番で恵ちゃんが声を掛けてきました。


「あの人が莉緒の想い人なのね!」


 ニヤニヤと笑みを浮かべる恵ちゃん。あ、これはいつもの揶揄うモードに入ったと思いました。


「恵ちゃん、今日は勉強会だからその話はまた今度に」

「ふふん、話を逸らそうとしてもダメよ。だいたいウチを含めた3人共成績は良い方なんだし、ちょっとくらい雑談してても大丈夫でしょ」


 恵ちゃんの言う通り、前回の中間テスト結果では私を含めた3人全員が学年で上位20位以内に入っていました。


「でも、期末テストは中間テストよりも範囲が広いからちゃんと勉強しないと良い点数取れなくなるよ」

「まったく往生際が悪いわね。ねえ、みなみんも良いでしょ?」

「ええ、私もメグちゃんの意見に賛成!せっかく祭川ちゃんの好きな人が近くに居るのに勿体ないわ!」

「あっ、星河さんも恵ちゃんの話に乗らないでください!」


 以前の林間学校の時から思っていましたけど、恵ちゃんと星河さんは相性が良いみたいで度々こういう話題を引き込んできます。ありがたいと思う反面、たまに困る時もあります。


「ふふ。でも会ってみて思ったけど、本当に30代半ばなの?」

「あっ、それウチも思った!見た目は10歳くらい若く見えるわ!」


 結局話を止められそうになかったので、内心で溜め息を吐きたくなる気持ちを抑えて私は仕方なく付き合う事にしました。


「仕事でも初対面の人には若手社員に見られるって言ってました」

「だよね〜。でもそれだけじゃなくて大人の包容力を感じるっていうか?容姿も結構イケメンだし、確かにモテそうだわ~」

「うんうん、メグちゃんの言う通りね。あれじゃ同世代に魅力を感じないのも納得」


 恵ちゃんに賛同するように星河さんが大きく頷きます。


 ・・・うう、自分の事ではないのに嬉しいような照れ臭いような気持ちになってしまいます。


「こら、何を呑気に頬を緩ませてるのっ。事態は思ったより深刻かもしれないっていうのに」

「えっ?」

「えっ、じゃないわ!ついさっき少し顔合わせをしただけでも魅力的に感じるくらいなんだから、ライバルが増えてもおかしくないわよっ」

「うっ、そ、それは・・・」


 私が言葉に詰まると、続いて星河さんも口を開きます。


「現にライバルの1人がご近所さんになったんでしょ?それって絶対に偶然じゃないと思う。きっとアタックするために住んでる場所を突き止めて引っ越して来た違いないって」


 それは私も感じていました。たまたま弘人さんの部屋の下に空町さんが引っ越してくるなんて偶然にしては出来過ぎている、と。


「ですがそう簡単に住んでいる場所とか調べられるのでしょうか?」


 空町さんが引っ越して来た時に弘人さんが驚いていた様子を見る限りだと、住所を教えていたという可能性は考えにくいです。


「ん〜、探偵とか雇えば出来るかも?だとしてもすごい執念を感じるわ」

「フツーはそこまでやらないでしょ~。ホントにストーカーと紙一重って感じ」

「ええっ!?そ、そんな、まさか・・・」


 冗談だと笑い飛ばしたいけれど、恵ちゃんの表情は割と真剣でした。


「案外、莉緒が同居したのがきっかけかもね〜。もしそうだとしたら最初から知ってた事になるけど」

「怖っ!夏なのに背筋がゾワッとしちゃったじゃん!」


 星河さんが思わず身体を震わせます。私も計算高い女性だとは思っていましたけど、そこまでの行動力があったとしたらとゾッとします。


「あははっ、ちょっと想像のし過ぎかなぁ〜。でもその人只者じゃなさそうな感じするわ。莉緒は気を付けなさいよ」

「う、うん、分かった・・・」


 私は頷くものの、ひょっとしたら空町さんへの認識を改める必要があるのかもしれません。


「それにしても聞いてる限り優良物件に思えるのに、今も独身っていうのが不思議」


 星河さんが首を傾げつつ話題を変えます。


「性格に難あり・・・って頼むから睨まないでくれる!?今にも人を殺しそうな目をしてたわよ!?」

「だって恵ちゃんが弘人さんの悪口を言いそうだったからつい・・・」

「ついってアンタね・・・。『難ありって訳でもなさそう』って言おうとしたんだけど?」

「あっ、ごめん、早とちりしちゃって」

「ホントに想い人の事になると目の色が変わるんだから・・・」


 恵ちゃんがジト目になって私を見てきます。


「ふふっ、祭川ちゃんの好きの気持ちがよく伝わってきたわ」

「まったくね。さっきの話に戻るけど、多分妹さんが関わっているんじゃないの?」

「え、絵菜さんがですか?」


 私は思わず目を見開くのでした。

お読みいただきありがとうございます。

少し長くなりそうだったので一旦切ります。


話は変わりますが、ポケモンのランクバトルシーズン1の最終順位はマスボ級の58000位くらいでした。

次はもっと順位を上げたいです!

(それよりも早く書き進めろって突っ込まれそうですねw)



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