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第45話 3人で過ごす休日

大変お待たせしました。

「ねえねえ、カラオケ行かない?」


 翌日。昨日のカレーを朝食に食べた後、3人でゲームをして遊んでいると絵菜が突然言い出した。


「カラオケか・・・」


 前にカラオケへ行ったのはロンド1で仙堂と遭遇した時だから割と最近である。


「良いじゃん〜!アタシ最近行ってないから久しぶりに歌いたいし、お兄ちゃんの歌声も聴きたいの!」


 あまり乗り気じゃないのを表情で察したのか、絵菜がさらに押してくる。


「ちょっと待て、莉緒ちゃんにも訊かないと。莉緒ちゃんはどうかな?」


 絵菜がどこか不満げな表情を浮かべているけど、まさか2人だけで行く訳にもいかないだろう。まあ行くような流れになっている以上、莉緒ちゃんが断る事もないと思う。


「そうですね、私も行きたいです」


 案の定、莉緒ちゃんも絵菜の提案に賛成する。表情を見る限りでは嫌々という感じではなさそうなので一安心かな。


「よ〜し、決まったなら早速準備しよ!運転手さんよろしく!」

「誰が運転手だ。まあ車で行くけど」


 絵菜がこうやって強引に誘うのは今に始まった事でないので驚きは無い。という訳で3人でカラオケにやってきた。


「いらっしゃいませ、何名様ですか?」

「3名です」


 受付に来た店員に絵菜が次々と答えていく。時間はフリータイムでドリンクバー付き、機種はDAMを選択したようだ。


「さ、行こっか!」


 テンション高めの絵菜に半ば呆れながらも莉緒ちゃんと一緒に絵菜を追う。

 カラオケ部屋に入るとすぐに絵菜がタッチパネルで選曲する。


「1番手はアタシが歌いま〜す」


 流れてきた曲は最近テレビでよく流れるCMソングである。アップテンポでさわやかな曲調を絵菜は楽しそうに歌っていく。少し聴いただけでもかなり歌い慣れているのが分かるくらいである。


「絵菜さんも歌が上手なのですね」

「カラオケは絵菜の趣味みたいなもんだから」


 そのせいで何回もカラオケに付き合う羽目になっているけど、と内心で付け加える。

 絵菜が歌い終えるとその後は莉緒ちゃん、俺、絵菜とローテーションで歌っていく。

 最初の1時間程は楽しく歌っていたけど、そのうち自然な流れ(?)で採点モードに突入する。

 こうなると昨日のように点数勝負になるのは目に見えている。


「莉緒ちゃんにこんな点数が出せるかしら?」


 絵菜の明らかな挑発に莉緒ちゃんも「負けません!」と気合いを入れて歌を披露する。

 点数勝負は絵菜が勝ったり莉緒ちゃんが勝ったりと一進一退の攻防(?)が繰り広げられていて、だいたい僅差なのでほぼ互角と言って良い。


 こうして数時間があっという間に過ぎていくのだった。



「う〜、ちょっと歌いすぎたぁ〜」


 そう言った絵菜の声はやや掠れているように聞こえる。

 まあローテーションとはいえ、昼食と飲み物を取りに行く以外はずっと歌い続けていたので無理もない。


「そうですね・・・」


 絵菜に同意する莉緒ちゃんも疲労の色が見える。


「思ったより時間が経ってるな」


 カラオケ店から出ると時間はもう夕方近くになっていた。


「あの、弘人さん。帰りにスーパーへ寄っていただけませんか?昨日で食材をほとんど使いましたので」

「ん、りょう・・・」

「ちょっと待って」


 俺の言葉を絵菜が遮ってくる。


「とうしたんだ?」

「今日の夕食はアタシに作らせて。久しぶりにお兄ちゃんに料理を振る舞ってあげる!ね、良いでしょ?」


 絵菜の提案を聞いて俺は莉緒ちゃんへと視線を向ける。


「莉緒ちゃんもそれで良い?」

「は、はい、私も絵菜さんの料理を食べてみたいです!・・・ライバルの腕がどれくらいか見ておきたいですし」


 後半はよく聞こえなかったけど、賛成である事は分かったので特に問題無いだろう。


 スーパーに到着すると絵菜は早速カートにカゴを載せて野菜コーナーへと足を運ぶ。


「ん〜、これが良さそう!」


 絵菜は次々と野菜を入れていき、次に肉が売っているコーナーへと移動する。迷いが無いところを見ると、どうやら献立もすでに決まっているようだ。


「・・・さすがです。きちんと状態の良い食材を見分けて入れていますね」


 隣では莉緒ちゃんが小声でブツブツと何かを呟いている。絵菜に対して言っているのだろうけど、周りの音でよく聞こえなかった。


 買い物時間はわずか15分程度。絵菜が言うには滞在時間が長くなるとそれだけ無駄な買い物が増えるのだそうだ。

 莉緒ちゃんも同じ意見なのかしきりに頷いていた。


 アパートに帰ってくると絵菜はすぐに夕食の準備を始める。


「何か手伝う事はありますか?」

「今日はアタシ一人で作るからゆっくりしてて」


 莉緒ちゃんの申し出を断り、絵菜は食材を切り始める。そういえば絵菜の手料理を食べるのは久しぶりな気がする。


「すごい、私よりも手際が良いです」


 莉緒ちゃんは感心したように声を上げる。どうやら絵菜の調理風景に興味があるらしく、視線はずっと台所を向いたままである。


 しばらくすると料理が出来たらしく、莉緒ちゃんは食器の準備やテーブルに料理を並べるのを手伝っていた。ちなみに俺が手伝おうとしたら2人に断られてしまったので待っているしかなかった。


「おお、今日はハンバーグか」

「お兄ちゃんの好物を作ってみました〜」


 絵菜がニコリと笑顔で答える。テーブルにはハンバーグの他にポテトサラダ、野菜スープといったおかずが並んでいる。ハンバーグもチーズが有るのと無いのと2種類である。


 料理を並べ終わると絵菜と莉緒ちゃんが腰を下ろす。今日は莉緒ちゃんが隣、絵菜が対面である。


「「「いただきます」」」


 俺はハンバーグを箸で割るとジュワッと肉汁が溢れるくらいに出てくる。これは絶対に美味しいと思いつつ口に運ぶ。


「美味い!前よりもさらに腕を上げたんじゃないか?」


 思わず頬が緩む。あまりの美味しさに思わず大きな声を上げてしまう程である。


「ふふ、ありがと!」


 絵菜が俺の反応を見てドヤ顔になっている。


「すごく美味しいです!しかもこの味付けは・・・」


 言葉とは裏腹にどこか悔しそうな表情を浮かべる莉緒ちゃん。


「アタシがこの味付けに辿り着くまでにどれだけ研究したと思ってるの?言っとくけど、そう簡単に負けるつもりはないから」

「むむ、私ももっと頑張らないと・・・!」


 何か気合の入った様子で呟く莉緒ちゃん。一体どこの料理対決なんだと思ってしまう。


(それにしても・・・)


 今日の休日を振り返るとほとんど3人一緒に過ごした気がする。独りは独りの良さがあるけど、こうして賑やかに過ごすのも良い息抜きになるのだと強く感じる一日となった。


 そして美味しい料理に舌鼓を打った後は再び3人でゲームをして残りの休日時間も楽しく過ごすのだった。

お読みいただきありがとうございます。

最近の仕事が忙しい&しんどくて中々更新出来ませんでした。誰か少しでも仕事を受け持ってほしいと言いたいところです・・・。

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