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第41話 襲来!?2

大変お待たせしました。

「え!?と、泊まるのですか?」


 真っ先に驚いた声を上げたのは莉緒ちゃんである。妹が兄のアパートに泊まると当たり前のように言って衝撃を受けたのだろう。


「何か問題でもある?」


 絵菜はニコリと笑みを浮かべているけど目は笑っておらず、視線を向けられた莉緒ちゃんは肩をビクッとさせる。


「こら、莉緒ちゃんを怖がらせるんじゃない」


 俺がデコピンで絵菜を額を軽く弾く。


「イタッ。だ、だってこの子が嫌そうな顔したもん」

「え?そんな訳ないだろ。な、莉緒ちゃん?」

「は、はい、勿論です!」


 なぜか姿勢を正して答える莉緒ちゃん。不思議に思いながらも絵菜へ再び視線を向ける。


「俺が断ろうとしても絶対に泊まる気なんだろ?」

「当たり前じゃん。それに今までお兄ちゃんが断わりきった事ってある?」


 その答えは『無い』である。絵菜が遊びに来るのと泊まるのは常にワンセットである。最初の頃は色々な理由を付けて断ろうとしたけど、最後に泣き落としを使われればどうしようもなかった。

 そのうち言っても無駄だと学習したので、内心溜め息を吐きながらも絵菜の好きなようにさせる辺り俺も甘いなとつくづく思う。


「すまない莉緒ちゃん。しばらく妹が泊まる事になるけど良いかな?」


 ただ、今は莉緒ちゃんが同居しているので、改めて確認しておこう。


「は、はいっ、よろしくお願いしますっ」


 莉緒ちゃんの返事がどこかおかしいけど、特に問題なさそうだと判断する。


「仕方ない、数日だけだからな」


 俺がそう答えると、


「ありがとうお兄ちゃん!」


 絵菜は昔と変わらない無邪気な笑顔を浮かべるのだった。




「それではそろそろ晩御飯の準備をしますね」


 莉緒ちゃんの言葉で時間帯が夕方に差し掛かっている事に気付く。色々あったせいで時間の感覚がなくなっていたようである。


「そういえば絵菜の分も準備は出来そう?」


 絵菜が来る事は当然ながら予定外である。もう1人分の食材はあるのだろうか?


「はい、今日はカレーを作るつもりでしたので大丈夫です」


 確かに以前莉緒ちゃんがカレーを作った時は次の日まで食べるくらいの量があったな。


「良かったな、絵菜の分まで準備出来るらしいぞ」

「やったっ、アタシってやっぱ運がいいね~。じゃあアタシが味の評価をしてあげよっかな~」

「何で上から目線なんだよ。ちゃんとお礼を言うんだ」

「もう、冗談だってば〜。莉緒ちゃんって言ったっけ?ありがと〜」


 絵菜のお礼の言葉を聞いた莉緒ちゃんは台所からこちらへ視線を向けて笑顔で会釈し、再び調理へ戻った。


「ふ〜ん、良い子そうな感じ。誠也さんの娘とは思えないね」

「おい、微妙に失礼だぞ」

「と、言いながらもお兄ちゃんだってそう思ってるでしょ?」


 俺は絵菜からそっと目を逸らす。残念ながら絵菜の言う通り誠也の娘とは思えない程丁寧で礼儀正しいと思った事が多々あるからだ。

 この辺りは誠也ではなく母親に似たのだとつくづく感じるところである。


「ほら〜やっぱり思ってるじゃん」


 絵菜は笑いながら隣に座ってきて俺の左腕をギュッと抱きしめてくる。


「ん?どうしたんだ?」


 左腕が柔らかい感触に包まれるけど、特に狼狽えるという事はない。なぜならこのくらいのスキンシップは絵菜が普通にやってくるので慣れてしまっているからだ。


「あは、お兄ちゃん成分を補給してるの〜」


 出た、絵菜がたびたび持ち出してくる謎の栄養素であり、遊びに来ると毎回この補給作業(?)をしてくるのだ。今日はまだマシな方で、酷い時には身体に抱き着いてきてしばらく胸に顔を埋めたりする。

 ちなみにこれを拒否すると絵菜の機嫌が著しく悪くなるので、少し恥ずかしくても諦めて好きなようにさせている。


「おい、莉緒ちゃんに見られてるけど恥ずかしくないのか?」


 いつの間にか莉緒ちゃんが再びこちらへ視線を向けていて、その表情は微笑ましげながらどこか羨ましそうに見ている気がする。


「え、全然恥ずかしくないよ?むしろもっと見せつけても良いんだけど?」


 絵菜の言う通り表情には恥ずかしさが全く浮かんでいない。すでに社会人になってる年代であるにもかかわらず、こうやって兄の腕に抱き着いてくる妹なんて世間にどれだけいるだろうか?


 まあ絵菜に言ったところで「アタシはアタシだから」って答えるに違いない。


「ねえねえ、久しぶりなんだしいっぱいお話しようよ〜」

「はいはい」


 甘えたような声を出してくる絵菜に苦笑しながら、俺も相当甘いなと思ってしまうのだった。




 しばらく絵菜と雑談していると、晩御飯の準備が出来たようなのでテーブルをにスプーンや箸といった食器を並べていく。


「あ、アタシも手伝うっと」


 絵菜もソファーから立ち上がり莉緒ちゃんの方へと向かっていく。


「料理はアタシが持っていくから、莉緒ちゃんは料理を皿に盛り付けていって」

「は、はい、よろしくお願いします」


 莉緒ちゃんは少し驚きながらも頷く。


 こうしてテーブルにはカレーライスと生野菜のサラダが3人分並んだ。


「お兄ちゃんの隣も〜らいっ」


 絵菜はいち早く俺の隣に座り、莉緒ちゃんは対面に座る事になった。


「「「いただきます」」」


 3人同時に声を上げる。俺はまずスプーンで米にカレーを絡めて口に運ぶ。

 ちょうど良い辛さと旨味が口の中に広がる。うん、やっぱり美味しいな。


「へえ~、結構美味しいじゃん」


 絵菜が感心したような声を上げる。俺が料理したわけじゃないけど、喜んでもらえて何よりである。


「ありがとうございますっ」


 莉緒ちゃんも笑顔を浮かべてお礼を言う。やはり作った料理を褒めてもらえるのは嬉しいのだろう。


「それにこの味付けは・・・」


 絵菜が意味ありげな視線を向けると、莉緒ちゃんは恥ずかしげに目を逸らす。一体何だろう?


 視線の意味は分からなかったけど、夕食の席は概ね和やかな雰囲気で終わったと思う。

 食器を片付けてしばらくすると、絵菜がソファーから立ち上がる。


「そろそろお風呂でも沸かそうっと。沸いたらお兄ちゃんが先に入ってくれる?」

「ん、分かった」


 絵菜に言われて俺は二つ返事で頷く。祭川家の清掃後にシャワーは浴びてるけど、やっぱり湯船に浸かって1日の疲れを癒やしたい。


 15分後にお風呂が沸いたので、俺は浴室へと向かうのだった。


 [莉緒視点]


 弘人さんがお風呂に入っていった後、絵菜さんが私の方を向きます。


「さてと、ちょっと話があるんだけど良い?」


 先程までの和やかな雰囲気は一気に消え、厳しい視線を送ってきます。

 これは絵菜さんが最初私に向けてきたものと同じでした。どうやら気のせいではなかったようです。


 私は軽く頷くと、絵菜さんと2人で部屋へと向かいます。

 そして・・・


「キミに、ううん、誰にもお兄ちゃんは渡さないから」


 絵菜さんは冷たい笑みを浮かべて言い放つのでした。

いつもお読みいただきありがとうございます。

仕事がしんどくてかなり執筆意欲が削られていました・・・

次はもう少し早く更新できると良いなぁ・・・


ちなみに息抜き代わりといってはなんですが、短編を書いてみました!

時間があれば読んでみてください!


「妹がストーカーに付きまとわれていると相談しに来た結果」↓

https://ncode.syosetu.com/n9120hs/

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