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第36話 親友の娘VS後輩2

お待たせしました。

「という訳でまずはお昼を食べませんか~?」


 どういう手を使って莉緒ちゃんを説得したかは分からないけど、一緒に遊ぶ事になった仙堂。

 図々しくもしれっと仕切ってきた事に思うところはあるものの、時間を見るとすでに正午を過ぎていて仙堂の提案も尤もであった。


「そうするか。莉緒ちゃんも良い?」

「はい」


 仙堂の同行に了承してはいるけど、表情自体は明るいどころか少し不機嫌気味に見える。これは後でフォローが必要そうな気がした。

 ロンド1には大規模なフードコートがあるので、そこに向かう事になったんだけど・・・


「・・・」

「・・・」


 莉緒ちゃんも仙堂も無言。しかも時折お互いをチラチラと見ては険しい表情を浮かべる。先程の会話で一体何があったんだ?


 どこか重苦しい空気の中、フードコートに到着すると仙堂が突然口を開く。


「センパイは何食べますか〜?」

「そうだな・・・麺類にしておくか」


 あまり食べすぎると午後にスポーツをする事になった場合にあまり動けなくなるので、軽めの食事にしようと思っていた。


「奇遇ですね〜。私も麺類にしようと思ってたんですよ!」


 なぜか莉緒ちゃんの方を見てニコニコと笑顔を浮かべる仙堂。対する莉緒ちゃんも笑顔なんだけど、どこか営業スマイルのように貼り付いた笑みに見えるのは気のせいだろうか。


「私はカレーにします。麺類は弘人さんが今度美味しい店に連れて行ってくださいますから。そうですよね?」

「え?う、うん、勿論」


 いや、そんな約束をした記憶は無いんだけど・・・莉緒ちゃんの笑みに圧を感じて思わず頷いてしまった。


「へえ、じゃあ私も」

「お、ちょうどテーブル席が空いてるな。俺は席を取っておくから、2人とも先に買ってきたらどうだ?」


 仙堂が変な事を言いそうな予感がしたので、遮るようにして提案をする。


「分かりました」

「りょ~かいですっ」


 2人とも頷いてくれたのでホッと一安心である。


「ふう・・・」


 2人を見送った俺は4人掛けのテーブル席へ腰掛ける。重苦しい空気から一時的にではあるが解放されてどっと疲れが押し寄せてきた。

 一体なぜこんな事になったのか。様子を見る限りだと2人の相性は良くなさそうである。午後からもあの空気が続くのであれば少々気が重い。


 しばらくすると2人がほぼ同時に戻ってきたので、今度は俺が行く事にする。

 麺類も色々と種類があって迷ったけど、結局きつねうどんを食べる事にした。

 注文をしてから少し待ってきつねうどんを受け取り、テーブル席へ急いで戻ると莉緒ちゃんと仙堂が対面で座っていた。


「あっ、お帰りなさい弘人さん」


 笑顔で迎えてくれる莉緒ちゃん。先程のような圧を感じる笑みでなさそうで良かった。

 莉緒ちゃんは言っていた通りカレーライス、仙堂はどうやら塩ラーメンにしたようだ。

 俺はテーブルにきつねうどんを置いて莉緒ちゃんの隣に腰掛けると、仙堂がどこかムッとしたような表情になる。


「むむ、あの娘の隣に座りましたか・・・まあ今日のところは花を持たせてあげましょう」


 仙堂が何かブツブツと呟いているけど、俺には全く聞こえなかった。


「待っててくれたのか?」


 よく見てみると2人ともまだ料理に手を付けていない様子であった。


「はい、弘人さんが戻ってきてから食べようと思いましたので」


 そういうところは律儀だなと思いながら、俺達は食事を始めるのだった。




 結論から言うと、午後からはあまり激しい運動をする事は無かった。といってもあくまで俺だけ(・・・)だが。

 最初は食後という事もあって、仙堂の提案でダーツをする事になった。

 始めのうちは順番に投げていたのだけど、そのうち莉緒ちゃんと仙堂が点数勝負をしだして最後の方はほぼ2人だけが投げていた。

 最終的には莉緒ちゃんが僅差で勝利していた。


 次も仙堂の提案で卓球をする事になった。といっても俺はほとんどプレイしていない。なぜならここでも莉緒ちゃんと仙堂が勝負をしだしたからである。

 結果は仙堂の勝利。莉緒ちゃんも善戦していたけど、仙堂は学生時代に卓球をやっていたらしく一枚上手だった。というか自分の得意分野で勝負を吹っ掛けるのは少々大人気ないと思った。


 次はバドミントンである。こちらは莉緒ちゃんからの提案で、やはりというべきか例の如く2人が勝負をしだした。

 結果は莉緒ちゃんの勝利。最初はほぼ互角だったけど、徐々に体力に差が出始めて最後はほぼ一方的なゲーム展開となっていた。この辺りは社会人になって運動量が落ちる仙堂が不利だったという訳である。

 ただ、負けた仙堂はかなり悔しがっていたので、ひょっとしたら結構負けず嫌いなのかもしれない。


 少し休憩を挟んで最後はカラオケである。もはや言うまでもなく今度も点数勝負をし始めた。

 莉緒ちゃんがすごく歌が上手い事を知っていたので、莉緒ちゃんが有利かと思っていた。

 しかし仙堂の歌声を聴いてみると、同じくらい上手い事がすぐに分かった。

 音程は莉緒ちゃんの方が取れていて、仙堂はビブラートや上手く強弱を付けて点数を稼いでいくタイプであった。

 結果はというと、予想を裏切って仙堂がわずかに上回って終わった。

 余談ではあるけど、1番点数が良かったのは俺である。高校時代に合唱をやっていたので、面目躍如といったところか。


 こうしてあっという間に時間が過ぎ、いつの間にか夕方となっていた。


「んん~、目一杯遊んじゃいました〜。じゃあセンパイまた明日!莉緒っちもまたね~」

「ああ、気を付けて帰れよ」

「はい、また今度」


 仙堂は元気に手を振りながら去っていった。最初の空気感からどうなる事かと思いきや、何だかんだ最後の方は莉緒ちゃんとも親しげに話すようになっていたのでホッとした。莉緒ちゃんへの呼び方も『莉緒っち』に変わっていたし。


「今日はどうだった?」

「楽しかったです!でも、次は弘人さんとゆっくり遊びたいです。・・・今度こそ邪魔が入らないようにしないとっ」


 後半は何を言っているか分からなかったけど、楽しんでくれたようで良かった。たまには身体を動かして遊ぶのも良いかもしれないな。


「さて、俺達もそろそろ帰ろう。買い物はどうする?」

「今日はまだ食材があるので大丈夫です!家に帰ったら腕によりをかけて晩御飯を作りますので楽しみにしててください!」


 今日一日結構激しい運動をしたにもかかわらず、晩御飯の準備をするとはりきっている莉緒ちゃん。とてもじゃないけど疲れているならやらなくても良いと言える雰囲気ではない。


「はは、そうさせてもらおうか」


 であれば莉緒ちゃんの好きなようにやってもらうのが一番である。


 こうして俺と莉緒ちゃんは家路につくのであった。

お読みいただきありがとうございます。

そろそろ次のドリフェスのためにスターを溜めておきたいところです。

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