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第28話 GW最終日1

お待たせしました。今回は短いです。

「え?今日は出掛けないって?」

「はい、今日は外出せず弘人さんと一緒に過ごしたいです」


 莉緒ちゃんの一言に首を傾げる。連休前に仕事がない日はどこかに出掛けるという話で莉緒ちゃんがとても楽しみにしていたはずである。


「またどうして?」


 ひょっとしたら俺の事を気遣って遠慮しているのでは?と少し思ったので理由を聞いてみた。


「どこへ出掛けても混んでいるでしょうし、それならお部屋で弘人さんと一緒に本を読みながら過ごす方が良いなと思ったんです」


 莉緒ちゃんの言う通りGW最終日とはいってもどこも混んでいるだろうし、目的地まで行くにしても道路も同様に混んでいるはずである。

 そう考えると家でゆっくり過ごす方が良いのかもしれない。


「それなら『木漏れ日』に行ってみる?」


『木漏れ日』とは以前に莉緒ちゃんと一緒に行ったカフェである。莉緒ちゃんと同居する前はゆっくり本を読めて居心地の良い店なので時々通っていたのだ。

『木漏れ日』なら道中はそんなに混んでないだろうし、美味しい料理や紅茶を楽しめて一石二鳥というやつである。


「えっ!?い、いえ、今日はゆっくりすると決めたので、また今度にしましょう!」


 なぜか焦った様子で答える莉緒ちゃん。以前の様子だと気に入ってくれていると思ったので提案したけど、どうやら本当に外出する事は考えていないようだ。


「分かった、今日は外に出ず本でも読んでいようか」

「はいっ!」


 莉緒ちゃんから笑顔で返事をもらったところで各自が読みたい本を棚から持ってきてソファーに腰掛ける。莉緒ちゃんはいつも通り隣に座ってくるので、もはや慣れつつあった。


「おっ、それはこの前出掛けたときに買ったラノベだね」

「ふふ、以前から楽しみにしていましたので。先に読ませていただいても良いですか?」

「もちろん。遠慮しなくて良いからね」


 読む前にちゃんと訊いてくる辺りが律儀な莉緒ちゃんらしいと思う。

 それからはお互い読書に集中した。周りの音が聞こえなくなり、次第に本の世界へと没頭していった。




「ん?」


 昼食を食べて読書を再開してからしばらくすると、肩に何かが重みが加わったように感じて読んでいたラノベから肩に視線を向ける。


「寝ちゃったか」


 肩には莉緒ちゃんの頭が寄りかかっていて、静かな寝息も聞こえてくる。どうやら読書しているうちに眠ってしまったようである。読んでいたラノベはページが開いたままテーブルに置かれている。

 横にさせてあげたいけど、身体を動かすと起こすかもしれないしこのままの方が良いか。


 ・・・それにしても穏やかな寝顔だな。


 同居するようになってすでに2週間経っているけど、体感としてはあっという間に過ぎたと思う。最初はどうなる事かと心配な部分もあったけど、何だか1人で居る時よりも楽しく過ごせている気がする。

 しかも色々家事をしてもらっているので本当に感謝しかない。赤ちゃんの頃から知っている身としては子供の成長を見れているようで感慨深いものがある。

 ただ、少々気を遣い過ぎていてもっと遠慮しなくても良いのにとは思っている。この辺りは今後の課題といったところか。

 今の同居生活がいつまで続くかは分からないけど、莉緒ちゃんが楽しく過ごせるように頑張らないと。

 改めてそう思いつつ莉緒ちゃんの頭を軽く撫でると、莉緒ちゃんの表情が少し嬉しそうに微笑んだ気がした。


 結局莉緒ちゃんが目を覚ましたのは夕方近くであり、慌ただしく夕食の準備をし始めたのはご愛嬌といったところである。

お読みいただきありがとうございます。

GW編も次でラストになる予定です。


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