表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/93

第26話 GW4日目1

お待たせしました。

「セーンパイ、お疲れ様ですっ!」

「ああ、お疲れ」


 仙堂が担当していた工事も無事に終わり、約束した通り夕食を一緒に食べに行く事になった。

 仙堂の話では行きたい店は少し遠いらしく、俺は仙堂が住んでいるマンションに車で迎えに来たという訳である。


 なぜ俺が仙堂の家まで迎えに来なければならなかったかというと、仙堂が「私はお酒を飲みたいのでセンパイが連れて行ってください!」と言われたからだ。

 まあ仙堂を労うためだし、俺自身は普段ほとんど酒を飲まないので別に問題は無いのだけど、こうも堂々と言われてしまうと少し釈然としない部分もある。


 ちなみに俺が仙堂の住んでいる場所を知っているのは以前に仙堂を送った事があるからだ。


 ・・・仙堂を迎えに来た以上、帰りもマンションまで送らないといけないのは確定しているのだが。


「何でそんなにテンション低いんですか~?可愛い後輩と一緒に夕食を食べに行けて嬉しくないはずないですよね?」

「はいはい、可愛い後輩と食べに行けて嬉しい嬉しい」


 仙堂の煽りはいつもの事なので適当に流すに限る。尤も、仙堂は不満げな表情を浮かべているが。


「むぅ、心がこもってません!もっとありがたみを感じて欲しいものです!こう見えても同期からはすごく人気がありますし、外出するとナンパだってされるんですよ?」


 助手席でドヤ顔をしている仙堂だけど、容姿が優れているという点については不本意ながら認めざるを得ない。


「へえ、そりゃ良かったな。で、どこに行けばいいんだ?」


 が、容姿の良さを褒めようものなら調子に乗りそうなので強引に話題を変える。


「まったくノリが悪いセンパイなんですから~。あっ、場所はここです」


 仙堂がスマホの画面を見せてくると、最近になって開店したイタリアンのレストランが表示されていた。


「ここか。評判はかなり良いらしいな」

「ええ、だから前から気になっていたんです」


 俺も少し気になっている店ではあったけど、行けるタイミングが無かったんだよな。


「でも大丈夫か?GW中だからかなり混んでそうな気がするぞ」


 俺の心配をよそに仙堂はニヤリと笑みを浮かべる。


「ふっふっふ、こんな事もあろうかと実は予約を入れてました!」


 狭い車内で両腕を広げながら仙堂は得意げな表情になっている。


「予約だって?昨日のうちに入れたのか?」

「評判の良い店が前日に連絡して取れる訳ないですよ。1週間前に連絡してました!」

「そうか、1週間前から・・・って、そんな前から俺と一緒に食べに行く計画をしてたのか!?」

「あっ!?ち、違いますよ!友達と2人で行く予定が急に友達が行けなくなって予約を取り消すのがもったいないと思っただけですから!」


 仙堂にしては珍しく慌てた様子で早口に捲し立てる。心なしか頬も少し赤いように見えるけど、きっと揶揄われたと思って怒っているのだろう。


「つまり体よく利用したって事か」

「そ、そうなんですよ!センパイのおかげで無駄にはならなかったので感謝くらいはしてますから!」


 なぜ上から目線で言われたのは分からないけど、いつもの仙堂に戻ったので良しとしよう(?)。


「じゃあ今日は奢りじゃなくても良いんだな」

「それとこれとは話が別です。可愛い後輩相手にケチな事言わないでください。そんなんじゃ異性にモテませんよ?」

「別にモテたいとは思ってないからな。というかこんなおっさんに興味なんか湧かないだろ」

「そ、そうですね〜。し、仕方ないので可愛い後輩が敬ってあげます!」

「おい、何気に失礼な事言ってないか?」

「ふふ、気のせいでしょ〜」

「まったく、おまえというやつは・・・」


 そんなこんなで道中の車内は賑やかな雑談が続くのだった。



「へえ、結構良い雰囲気だな」


 店に到着して店内に入ると、内装がとても綺麗で照明もオシャレな雰囲気に見事にマッチしていた。さらに店内に流れるBGMもゆったりとした感じで店の雰囲気を一層引き立てており、混んでいるにもかかわらずどこか静かな様子を醸し出している。


「ですね~」


 店員に案内されて2人掛けのテーブル席へと腰掛ける。


「さて、何を食べようか・・・」


 メニューへ手を伸ばそうとすると、仙堂が手で制してきた。


「ん?どうした?」

「実はですね~、今日はコース料理を予約してるのでメニューを見なくても大丈夫です」

「ほぉ、コース料理か・・・って絶対高いやつだろ!」


 しまった、てっきり席だけ予約したものと思い込んでいた。何だか謀られた気分である。


「ふっふっふ、それが思ったよりリーズナブルで何と5千円なんです!」


 なぜか仙堂がドヤ顔になっているけど、確かにコース料理で5千円というのは中々良心的ではある。


「ホントはもっと高いコース料理もあるんですけど、今日のところは1番安いコースにしておきました」

「ちなみに1番高いコース料理は?」

「3万円ですね~」


 さ、3万円か。さすがに気軽に出せる金額じゃないな。


「ほらほら、金額なんか気にしないで楽しみましょ〜」


 そりゃ仙堂は払わないだろうから気兼ねなく楽しめるだろう。まあ今日は仙堂を労うのが目的なので楽しんでもらった方が良いのだが。

 それにコース料理なら以前(・・)のような状態にはならないだろう。


 ある種の期待も込めて料理が来るのを待つのだった。

お読みいただきありがとうございます。

現実のGWが終わる前に本章を終えられるように頑張ります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ