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第22話 GW2日目2

お待たせしました。

「やっぱり人が多いですね・・・」


 車に乗ってショッピングモールへとやって来た俺と莉緒ちゃん。駐車場がほぼ満車の時点で予想していたけど、ショッピングモール内はかなり人が多かった。自由に歩けない程ではないけど、すこし目を離すと見失うくらい事は間違いないだろう。


 ・・・ならばこうするしかないか。


 俺は莉緒ちゃんの右手を軽く繋ぐ。


「っ!!ひ、弘人さん!?」


 莉緒ちゃんが顔を赤くして驚いたような表情を浮かべている。


「こうしてると迷子にならないと思ってね。もしかして嫌だったか?」


 すると莉緒ちゃんは首をブンブンと強く横に振る。


「い、嫌じゃないです!このままでお願いしますっ!」

「な、なら良かった」


 食い気味に顔を近付ける莉緒ちゃんに少したじろぎながらもショッピングモールの中を歩き始める。


「えへへ〜♪」


 隣の莉緒ちゃんを見るととても上機嫌な様子である。きっとショッピングモールに来るのが楽しみだったのだろう。


「何だか手を繋いでもらうのも久しぶりですっ」

「そういえばそうか・・・」


 莉緒ちゃんがまだ小さい頃は出掛ける時によく手を繋いでいた事を思い出す。


「あの時は中々手を離してくれなかったっけ」


 手を離そうとすると泣きそうな目で見てきたので離すに離せなくなってしまったのだ。


「も、もう、恥ずかしいです・・・」


 莉緒ちゃんは顔を少し赤くして目を逸らす。きっと当時のことを思い出したのだろう。


 少し歩いていると恥ずかしさから復活したのか莉緒ちゃんが話し掛けてくる。


「どこで食べるのかもう決めているのですか?」


 莉緒ちゃんからの問いに俺は首を縦に振る。実はこのショッピングモールに行くと決めた時にこの店だけは行っておきたいと思っていたのだ。


「?レストラン街と方向が違いますね?」


 莉緒ちゃんが言うように目的の店はレストラン街には無い。むしろショッピングモールの中では人目に付かない場所にある。

 莉緒ちゃんは不思議そうな表情をしながらもしっかりと付いてきてくれている。

 多くの人で賑わうショッピングモールにもかかわらず、進んでいく毎に人気が少なくなっていく。


「到着したよ」


 そして目的の店に到着する頃には辺りにほとんど人を見掛けなかった。


「ここ、ですか?」


 莉緒ちゃんが戸惑うのも無理はない。なぜならその店には看板が出ておらず、出入口のドアにも『CLOSE』の札が掛けられているからである。


「うん。さあ入ろう」

「え?でもお札が・・・」

「大丈夫、ちゃんと営業してるから」


 俺は迷わずドアを開けると鈴の音が店内に響き渡り、奥から女性が出てくる。


「うちは一見さんお断り・・・おや?」

「お久しぶりです」


 俺が挨拶すると、その女性はニコリと笑顔を浮かべる。


「弘人君じゃない!随分久しぶりね〜元気してた?」

「まあそれなりには」

「そっかそっか~って後ろに居る子は?初めて見るけど、もしかして妹さん?」

「いえ、彼女は・・・」


 俺が紹介しようとしたところで莉緒ちゃんが前に出てくる。


「は、はじめまして、祭川莉緒といいます!弘人さんにはとてもお世話になっていますっ!」


 莉緒ちゃんは少し緊張しながらも軽くお辞儀をする。


「はは、そう緊張しなくて良いさ。アタシは成瀬川美菜子。この『涼風』のオーナーをやらしてもらってる。よろしくねぇ~」

「は、はい、よろしくお願いします!」


 美菜子は微笑ましげに莉緒ちゃんを見つめる。


「うんうん、元気が良くてなにより。で、名字が違うって事は妹じゃなさそうねぇ」

「彼女は友人の娘なんですよ」

「へぇ〜、この子がそうかい」

「え、えっと?」


 美菜子の反応を見て莉緒ちゃんは戸惑っている。そりゃ初対面の人にそう言われたら当然の反応である。


「美菜子さんには以前に莉緒ちゃんの話をした事があったんだ」

「そそ。あの時の弘人君はまるで父親みたいだったねぇ~」


 以前来た時はまだ莉緒ちゃんが小学校低学年だったので、そういう心境になっていたかもしれない。


「そうでしたか・・・」


 疑問が解消されて莉緒ちゃんは納得した表情になる。


「さ、立ち話もなんだし席に案内するわ」


 案内された4人掛けのテーブル席に腰を下ろす(莉緒ちゃんは当然のごとく隣に座った)と美菜子さんは「注文が決まったらベルで呼んでねぇ~」と言って去っていった。


「綺麗な方ですね」

「うん。でもああ見えて俺よりも歳上だけど」

「ええ!?弘人さんより若いと思いました・・・」


 確かに美菜子さんの見た目は20代と言っても通じるのだから莉緒ちゃんが驚くのも無理はない。今日久しぶりに会ったけど、以前と変わらないくらいなのだ。


「あまり大きな声で言うと美菜子さんが不機嫌になるからこのくらいにしておこう。ちなみにここのお勧めはオムライスだね」


『涼風』は洋食メインの店だけど、特にオムライスは美菜子さんが拘っていて10種類以上もあるのだ。


「わぁ、どれも美味しそうで迷っちゃいます」


 莉緒ちゃんの気持ちはよく分かる。現に俺も迷っているのだから。


 結局莉緒ちゃんはデミグラスソースが掛かったオムライス、俺はクリームシチュー風ソースのオムライスを注文したのだった。

お読みいただきありがとうございます。

今年の冬は寒い日が多い気がします。もうすぐ3月になるというのに、いつになったらあたたかくなってくるのでしょうか・・・。

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