昔話 桃兄弟
桃太郎をメインに、少し変えてみました。
楽しんでいけると嬉しいです。
昔々、あるところに、お爺さんとお婆さんが住んでいました。
お爺さんは山へ柴刈りに、お婆さんは川へ洗濯に行きました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、
大きな桃が流れてきました。
「おや、これは良いおみやげになるわ。」
お婆さんは桃を拾おうとしましたが、手が届かず
桃はそのまま川を流れていきました。
お婆さんが川で洗濯をしていると、ドンブラコ、ドンブラコと、
大きな桃が流れてきました。
「おや、これはいいお土産になるわ。」
お婆さんは桃を拾い上げて、家に持ち帰りました。
・・・・お婆さんが桃を拾い損ねたなんて事実は存在しない。
ないったらない!お婆さんが最初に桃を見つけてから
1時間たっているなんて言う事実も、我の目には
見えぬ聞えぬ存在せぬ!(狐「書かれとるけどなー。」)
そして、家に帰ったお婆さんとお爺さんが桃を食べようと
包丁で真っ二つに切ると真っ赤に染まった桃の果肉と
肉塊が中から出てきま
お婆さんとお爺さんが桃を食べようと、
包丁でゆっくり丁寧に切るとなんと中から元気のいい
男の赤ちゃんが出てきました。
桃太郎を切った事実なんて存在しない。
ついでに、時を巻き戻したなんて事実も存在しない。
ないったらない。(狐「こういうことになるから拾った食べ物を食ったらあかんねん。」)
「これはきっと、神様が下さったに違いない。」
子供のいなかったお婆さんとお爺さんは大喜びです。
桃から生まれた男の子を、桃太郎と名付けました。
桃太郎はすくすく育って、やがて強い男の子になりました。
そしてある日、桃太郎が言いました。
「僕は鬼ヶ島へ行って、悪い鬼を退治します。」
おばあさんにきび団子を作ってもらうと、鬼ヶ島へ出かけました。
旅の途中で、犬に出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼が島へ、鬼退治に行くんだ。」
「それでは、お腰に付けたきび団子を一つ下さいな、お供しますよ。」
犬はきび団子をもらい、桃太郎のお供になりました。
そして、今度は猿に出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼が島へ、鬼退治に行くんだ。」
「それでは、お腰に付けたきび団子を一つ下さいな、お供しますよ。」
サルはきび団子をもらい、桃太郎のお供になりました。
そして、今度は雉に出会いました。
「桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼が島へ、鬼退治に行くんだ。」
「それでは、お腰に付けたきび団子を一つ下さいな、お供しますよ。」
こうして、桃太郎は犬、猿、雉の仲間を手に入れました。
そして、そんな桃太郎一行を陰から見つめる狐の少女が一匹。
おいコラ、駄狐、お前何してんだ。
(狐「桃太郎がいると聞いて、大福片手に観に来ただけやけど?」)
あ、そう。
ついに、桃次郎一行は鬼ヶ島へとやって来ました。
鬼ヶ島では、鬼たちが近くの村から手に入れた宝物やご馳走を並べて、
酒盛りの真っ最中です。
「皆ぬかるなよ。それ、かかれ!」
そう言って、酒盛りをしている鬼に不意打ちをしようとする桃次郎。
が、桃次郎に気づいていた鬼によって瞬殺されました。
哀れ、桃次郎。(狐「まあ、戦闘経験はほとんどなかったからなあ。」)
遂に、兄たちの遺志を継いで、戦闘訓練をし、鬼が島にやってきた桃三郎一行。
鬼ヶ島では、鬼たちが近くの村から手に入れた宝物やご馳走を並べて、
酒盛りの真っ最中です。
「皆ぬかるなよ。それ、かかれ!」
犬は鬼の尻に嚙みつき、猿は鬼の背中を引っ搔き、
雉は嘴で鬼の目を突きました。
(狐「雉のだけ、えげつなすぎるやん。」)うっさい、黙れ。
そして、桃三郎も刀を振って大活躍です。
そして、こっそり仙術で鬼たちを同士討ちさせている狐の少女。
・・・人のこと言えないじゃねーか。(狐「・・・」)
ようやく鬼たちをしょぶ、ゴホゴホ、退治した桃三郎達。
桃三郎と犬と猿と雉は、鬼から取り上げた宝物をくるまに積んで、
元気よく村に帰りました。
お婆さんとお爺さんは、桃三郎を見て涙を流しています。
そして、桃三郎一行は強盗殺人罪で逮捕され、牢屋に入れられました。
なお、とある狐の少女が告発した模様。
そして、狐の少女は桃三郎一行が鬼から盗んだ宝物の一部で
和菓子をたくさん買い込みましたとさ。
めでたしめでたし
お前ひとりだけ得してるじゃねーか!(狐「てへっ。」)
いかがだったでしょうか。
狐「鬼ヶ島についたのが桃次郎になっとるんやけど。」
桃太郎? ああ、奴なら捕まったよ。
狐「え?」
労働基準法に引っかかって牢屋に行った。
狐「確かに、きび団子一つで戦いにつれていくなんて
ブラック企業も真っ青やなー。」
あと、鬼は略奪なんてしていません。
悪徳商法をしただけです。
これを入れたほうがいいようなので一言。
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