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らくがき

作者: 霜山美月

更新7ヶ月もサボってたのに急に小説書きたい欲が湧いてきて仕事中に『雨』というテーマで即興短編小説書き始めたもののいや幻想教育の続き書かなきゃなってなって落書きに終わったやつの供養です

は?

 初夏の太陽に熱された温い水滴が、ぽつり、ぽつりと素肌に弾けていく。

 優柔不断な曇天模様を極めていたはずの空を見上げてみれば、普段なら灼熱の陽射しを遮ってくれている木の葉たちが、微風すら吹いていないのに揺れていた。

 その緩急のある鹿威しのような動きが徐々にペースを上げていっていることに気付いてからはあっという間で、焦りと共に地を蹴り、天然芝の生い茂る湿った地面を駆け始めた頃には、中途半端に伸びた前髪が視界を塞ぐべく大粒の雫を滴らせていた。

『ひとつだけ確かなことがある。それは、確かなものは何もないということだ』とは、古代ローマの博物学者、プリニウスの言だ。

 この世は常に流動的なものであり、誰しも確実な未来を見出すことなど出来はしない。

 ただ現時点でわかっていることといえば、時に残酷な天気予報もその例外でないことと、それにまんまと騙された愚かな少年は、芝生の先に見える東屋へ向かうことしかできないということだけだ。

 肌に張り付くほどに濡れてしまっては無駄な抵抗なのではないかと自問しつつも、二・五~三メートルほどの高さの屋根の下へ逃げ込む。

 ざあざあと地を打ち鳴らす耳障りな音は遠くなり、代わりに素材のいい屋根が叩かれる心地いい音が耳朶を打ち始めた。

 日頃の運動不足を訴えるように悲鳴を上げる肉体をベンチに落とし、息を整えながら垂れた前髪を掻き上げると、より明瞭になった視線の先には既に先客がいるようだった。

 薄手のワンピースに柔らかな肢体のラインを浮き上がらせた少女は、哀れな少年の惨状に見向きもせず、声をかけてみようと近付いてみても体育座りをしたまま微動だにしない。

 陽の光を浴びずともなお艶やかな銀色の長髪は水気を含んでベンチに広がり、透き通るような空色の双眸はじっと虚空の一点を見つめ続けている。

 つづかない

それっぽいシーンが出てきたら幻想教育に移したい気持ちはある……

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