「その少年は恋に落ちた。」
とうも。あさがおと言います。今回初投稿です。初めて書いたものなので温かい目で見守っていただければな、と思っています。
中学2年の春過ぎ、俺。中村優斗は彼女と同じクラスになり、恋に落ちた。
西岡和奏。俺の彼女への第一印象は、自分とは逆の、自分には眩しすぎる、まるで、太陽のような。そんな印象だった。
常にクラスの中心で、明るく、女子だけではなく男子にも好かれていて、俺の様な隠キャにはまるで程遠い、THE・陽キャそのものだった。
そんな彼女は少しチャラついた見た目とは違って、どんな人にも明るく、優しく接してくれる。
俺のような隠キャにも「おはよう」を言ってくれる、当たり前の事なのかもしれないけど、ただそれだけでも嬉しかった。
対して周りにも興味がなかったから特に話したこともなかったのに、これが一目惚れ。なのだろうか、いつの間にか俺は彼女を目で追うようになっていた。
だか、俺に告白なんて行動に移す勇気がない俺は、ただ目で追うだけ、片思いのうちに一年が過ぎた。うちの中学は一年ごとにクラス替えがあり、彼女とも離れて、俺の恋は何も実らぬまま終わるのだと思っていた。
三年生に進級する前に、学校からクラス替えのメールが届く。
「二組....」
去年と同じだった。
そして始業式当日。自分のクラスへ行き、黒板に貼ってある座席表を見て自分の席を確認していた。
「ねぇねぇ!中村君!だよね?また同じクラスになったね!よろしく!」
聞き覚えのある声。まさかと思い振り返ると...彼女がいた。
「どうしたの?黙っちゃって、もしかして覚えてない?去年クラス同じだったじゃん!西岡和奏!」
知っている。覚えていないはずがない。それは自分の初恋の人なのだから。
「に、西岡さん....覚えてるよ、突然だからびっくりしちゃって...」
引きつった笑いで必死に動揺を隠した。
「和奏でいいよ!私も優斗くんって呼ぶね!よろしく優斗くん!」
いきなりファーストネームで呼ぶなんて絶対に無理だ。それより西岡さんが俺のことを名前で...
「よ、よろしく西岡さんっ!!!」
緊張と動揺と興奮で周りが振り向くぐらいの大声になってしまった。
「び、びっくりしたぁ〜、急に大声出すんだもん...うんっ!よろしくね!」
びっくりはしていたようだが引いてはいない....と思う。
俺が彼女とまともに会話をしたのはこれが初めてだろうか、そんなことを思いながら再び座席表を見る。
「え〜っと....私の席はっと....あっ!ねえねえ見てみて!」
西岡さんにものすごい勢いで背中を叩かれて、彼女が指を指している所をみた。
「ほら席っ!隣だよ私達!」
こうして俺は始業式当日を迎えた。
いかがだったでしょうか?今回は主人公の優斗が中学時代に和奏に恋に落ちた。という過去の話でした。もう少し過去の話が続きます。
不定期ですのでご理解を。