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赤羽ダンジョンをめぐるコミュショーと幼女の冒険  作者: 佐々木ラスト
2章:赤羽の英雄は主人公に向かない
42/222

1-2:さうろんちゃんねる⑦

シーケンス的には⑦ですが、時系列的には⑤、⑥より前に投稿された動画です。


「はい、というわけで今日も今日とて〝さうろんちゃんねる〟です。


 景気と反比例して減り続ける視聴数。実体経済なんてこんなもんですとさけびたい宇宙人の夜。


 なにブツブツ言ってんだ、そういうところだぞ、というご指摘はごもっとも。無駄な独り言はほどほどに切りあげとくのがブラウザを閉じさせない秘訣だと気づいた八年目のユーチャンネラーです。


 最近はキッズのニーズを満たすために『宇宙一わかりやすいダンジョン入門講座』をやっているわけですが。今日のお題、じゃじゃん!


 ダンジョンに出現するクリーチャーについて! 888!


 まあ、今までの話の中でもちょいちょい出てきたし、ゲームに出てくるモンスターみたいなものでしょ、という認識くらいは持ってもらってると思います。はっきり言ってそのとおりです。


 クリーチャーは各階層ごとに出現する種族、形状、大きさ、知能や強さなどが異なり、ダンジョンウィキに画像つきで掲載されているクリーチャーは現時点で三百種類以上です。基本的にはゲームと同様、深層に行くほどクリーチャーも強くなっていきます。


 ほんの一部ですが、クリーチャーの姿を画像つきで紹介していきたいと思います。テンカイくん、編集よろしく。ちなみに画像提供はダンジョン庁で、コメントは僕の知人の某プレイヤーによる見解です。


 ゆりやんスライム   主な生息エリア:1、2   かわいい、弱い


 一つ目ウサギ     主な生息エリア:1、2   かわいい、意外と肉食


 タマネギゾンビ    主な生息エリア:2、5   怖い、しつこい


 ザコボルド      主な生息エリア:2、5   ザコ、意外と侮れない


 ギリメカエル     主な生息エリア:3     意外と見かけ倒し、レア


 サンキャクサウルス  主な生息エリア:3、4   群れる、獰猛


 ミジンコ海坊主    主な生息エリア:3     水の塊、中のミジンコが本体


 イカザル       主な生息エリア:1、4   群れる、うざい


 ボーンガール     主な生息エリア:2、5   骨格美人、おかたい


 テンタクル一郎    主な生息エリア:5     触手、もさい


 テンタクル次郎    主な生息エリア:7(塔内) 触手、色違い


 まよなかドラゴン   主な生息エリア:8     カッコいい、火吹かない


 はい、こんな感じですね。


 すっごーい! もっといっぱい見たーい! というフレンズはダンジョン庁のサイトかダンジョンウィキをご覧ください。あ、この動画見終わったあとでね。


 ちなみにこれらの名前は、発見したプレイヤーやダンジョン庁などがつけたものです。ダンジョン暦九年を迎えた今でも、新種のクリーチャーは浅層でもときどき発見されたりしてて、そういうのを専門にしている物好きなプレイヤーもいたりします。ダンジョン界のファーブルやね!


 これらのクリーチャーは……なんというか、地球人の定義でいうと、疑似的な生命を持つ生物です。ちょっと歯切れ悪くて恐縮だけど、地球上の生物とは多少異なる点があるんだよね。


 まず、クリーチャーは率先してプレイヤーを襲うということ。ゆりやんスライムなど、比較的温厚で臆病なクリーチャーもいますが、そういうのは少数派。基本的にはプレイヤーというか人間を見かけたら襲いかかる習性を持っています。怖いね! 不用心に近づいたり、ましてやみかんあげたりしちゃ絶対NGだからね!


 また、クリーチャーは生殖活動などでの繁殖ではなく、ダンジョンによって自動で産み出されています。ポップする、なんてプレイヤーは表現しています。そういう意味では、ダンジョンの各階層には生態系というものは存在しません。()()()。あ、意味ありげ! 伏線とか考えてないけどね!


 このへんがね、いろいろと言われるんですよ。生物学者、哲学者、宗教家、政治家。いろんな人に。


 そのような生き物は生き物と呼べるのか。命を工場の部品やゲームのコマのようにつくり出すなんて非人道的にもほどがある。プレイヤーと殺し合わせるなんて残酷だ。クリーチャーにも生きる権利を――などなど。


 そのへんはね、生き物の定義とか価値観とか、小難しい話になるのでここではなにも言いません。そういうのは地球のみなさんで議論し合ってくださいな。僕にも多少思うところはあるけどね、それを声高にさけんだところできっとまた炎上するだけだし。


 ああ、あと可能な範囲でちょっとだけ補足しときます。


 もう七年も前になりますが、最初の頃の動画で僕は、『ダンジョンは数十万年も前からダンジョンやりながら宇宙を渡り歩いてて、僕の故郷の星でもダンジョンやってた』的なことを言いました。憶えてるかな? たぶん地球で三人くらいは憶えてるよね。


 ダンジョンは、その気の遠くなるほど昔から数えきれないほどの生物の遺伝子をとり込み、一種のジーンバンクとして保存してきました。クリーチャーはそれらを元に産み出されています。つまりあれは、地球上には存在しない、地球外生命体の遺伝子をベースにした生き物なのです。あー、僕の唯一のアイデンティティーがー(棒)。でもユーチャンネラーやってる宇宙人は僕だけですから。それは保証しますよ、地球のパイセン。


 そのへんの詳しい真相ってやつは、ダンジョンを攻略していくにつれ、少しずつ明るみになっていくことでしょう。暗闇に光を照らすのはプレイヤーたる君たちだ! みんながんばって! そうなったら僕への批判も少しは減るよね?


 それともう一つ。希少なクリーチャーをペットにしたい! ゆりやんスライムや一つ目ウサギあたりなら温厚だし飼ってみたい! 的な願望をよくネットで見かけたりします。そういうニーズは少なからずあるんでしょうが、実際世の中には出回ったりしていないんですよね。


 なぜかというと、ダンジョン内のエレベーターは生きた状態のクリーチャーを乗せられないようになっているからです。捕獲したクリーチャーと一緒に乗っても動かないように制御されてるんです。


 クリーチャーの生体研究が進まねえじゃねえか! とか公式の研究者に愚痴られることもあるんですが、嘘つけー裏でこそこそ研究してんじゃねえかーなんて思ったり思わなかったり。言わないお約束ですかね?


 ともあれ、メルヘンな夢を見たいフレンズには残念ちゃー残念かもですが、ペットとか生き物関係の話題ってのは地球でも有数の炎上案件だってのはワイ宇宙人も学習済みなんで。地球のみんな、まずは地球の生き物と仲よくね!


 えーと、特にオチもないんですが、今日はちょっと予定がありまして。七月にある国際ダンジョン祭りの打ち合わせでね。おっと、図らずもゲスト出演を仄めかしてしまったぜ、テヘペロ。


 次回はなんと、テレビCMにも出ているあの世界トップのプレイヤー、〝ヘンジンセイ〟のリーダーである織田くんがゲストに来てくれる予定です。お楽しみに!」

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