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Remain there 有りのままで  作者: 一語 大福
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スワン死す

 スワンの薄れ行く意識の向こうにオデットが見える。

オデットがスワンに手を差し伸べている。


「オデット」

声が出ない、心の中でスワンは必死に叫んだ、

スワンはオデットが差し伸べた手を握ろうと、

力を振り絞って、手を伸ばした。


「もう少しだ」

スワンは精一杯、身を乗り出したが、意識が遠のいていく、

伸ばした手が力なく床に落ち、スワンは息絶えた。


もがいていたフィッシュマンも息絶えた。

痙攣していた周りの研究者が次々に息絶えていく。

静かになった研究室の中では、部屋の中央空間に映し出された

モニターの小さな時計だけが空しく時を刻んでいく。


 レッドアローの船内でも、クルーが次から次へと息絶えていく。


 船長室のハンクは忙しい、夕方になるまで、島を生き返らせ

リゾートに変える方法が無いか、他の惑星の事例を調べ研究していた。


 陽が落ちた、ハンクが船長室を出ると、通路に破れた衣類が床に捨てられ

近くに観葉植物が転がっている、汚物まで落ちている。


 お掃除ロボットを呼び寄せ、「片づけろ。」と命令した。

ロボットは命令されるままに、かき集め、粉砕機に投入した。


 船内のあちらこちらで同じような物が落ちている。

お掃除ロボットはそれら全てを集め、粉砕機に投入し、一塊のゴミとして、

レッドアローの静止軌道よりやや上空の宇宙空間へ捨てた。

ゴミは徐々にg星の軌道から遠ざかり、宇宙の彼方へ消えていった。


 ハンクは船長室に戻り、自身が考えた島の計画について

ポンドの意見を聞くため呼び出した、幾ら呼んでも返事が無い、

 ポンドを探させようと、他のクルーを呼び出したが応答が無い、

今度は食品を開発させていたサイヤを呼んでみたが、さいやも応答がない。


「皆何処へ行ったのだ、することが無くて、私に無断で地上に降りたのか?」

ハンクはついに船長室を出て、船内を探し始めた、通路にも、どの船室にも

誰の姿も無い。船内はきれいに片付いていた。


「俺が厳しすぎて、集団脱走したのか?全く情けない。」


 ハンクは船長室に戻り、フィッシュマンの研究所に連絡を入れた、


「連絡が取れない」、研究所は何処も連絡が取れなかった。


 最後に島のスタローン隊長に連絡をいれた。


「スタローンです、船長。

何か御用ですか、我々は今では雑用係みたいな者ですから、何なりと。」


「また雑用係で申し訳ない、どの研究所とも連絡が取れないんだ、

太陽フレアが有った様子はないが、通信機の故障かも知れない、

手分けして全部の研究所を見に行ってくれないか。」


「了解です、我々は夜も見えますから、これから行かせるメンバーに招集をかけ、

20分後にここから飛びたちます。」


「スタローン、よろしく頼む。」

 

 4時間後、見に行った兵士から最初の一報が入ってきた。


「キムラ研究所に来ています、誰もいません、これから周囲を捜索します。」


 4時間後、


「フィッシュマン研究所に着きました、無人です、室内は誰もいません、

周辺を手分けして探します。」


 次から次から、方々の研究所からアンドロイド兵士の連絡が入ってきたが、

内容はみな同じ、研究所には誰も居ない、だった。


「神隠しだ、アンドロイド以外の全ての研究員、クルー達が消えた、

それも別々の場所から、レッドアローの船内まで、一度に、

こんなことは聞いたことが無い、この星は化け物の星だ。」


 ハンク船長の頭は混乱した、しかし、どうすることもできない。


 陽が明けてからも、アンドロイドたちは行方不明者を捜索していたが、

何の手がかりも見つけることはできなかった。

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