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Remain there 有りのままで  作者: 一語 大福
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再生しない島

 生物学者の研究は簡単には捗らないが、島の改造は急ピッチで進んでいた。

草1本無い地面は砂埃が凄い、整地は終わっても、アスファルト等の資材が無い。

風が吹けば砂嵐が酷い。


 飛行機の発着場や仮設のターミナルはできた。

研究施設や小規模の宿泊施設も完成した。


 出来具合を見るため、ハンク船長が視察に訪れた、この日も風が強い。


「酷い砂だな、これじゃ目も開けていられない、水を撒け。」


「水を撒いただけでは、どうにもなりません、芝生でも植えないと。」

と、スタローンが返したが、


「それはできない、また草や木に妨害されては元の木阿弥だ。」

砂嵐がこれ程とは、ハンクは想像もしていなかた。


「キムラを呼べ、何か植えられる植物が無いか検討させよう。」


キムラは研究の手を止められて、余り気分は良くないが、何事かとやってきた。


「これは酷い、この星に草木の全く無い島があったとは・・」


「いや、ドクター、我々が造ったのだ。」ハンスが自慢げに話した。


「造った?どう言うことですか、まさか、あの兵器を使ったのでは?

あれは最悪の有害生物を、まるごと駆除するための兵器ですよ。」


「別にエイリアンが居たわけではない、

あれならエイリアンでも一瞬で全滅できるが、

この星にそんな害虫はいない、我々のエリアを造っただけだ。」


「重大な規律違反ではないですか。」


「見たものはいない、記録に残さなければ、上には解らんさ。

兵士を殺され、基地も、研究所も作れない、食料も間もなく尽きる、

このままでは完全な敗北だ、このまま帰るわけにはいかん。


 この島を占領し、我々はここから前進する。

そのためにドクターに来ていただいた、見ての通りだ。


 動物と植物も死滅させたら、島は砂だけになってしまった。

このままでは砂埃が酷くて島を使えない、

ドクターは植物学が専門だ、君なら何とかできると思ってな。」


「船長、ここは地球ではありません、

寝る間も惜しんで我々は研究に没頭していますが、

この星の生物の生態はまだ殆ど掴めていません、

解剖などで形態は幾分わかってきましたが、生態は分かりません

解明できたのは、まだほんの僅かですよ。」


「ドクター、砂埃を押さえられそうな植物はないか。」


「ありません。」キムラは即答した。


「そうか、協力してもらえないか、仕方がない、

兵士に、適当に集めて植えさせる、ご苦労だった。」


「余計なお世話でしょうが、成功するとは思いませんよ。」

言い残して、キムラは研究所に帰って行った。


 ハンク船長はスタローン隊長に連絡し、アンドロイド全員を使って

植えられそうな草や木をかき集めるよう指示を出した。


 翌朝、


「全く、今度は造園屋か、最強の戦闘部隊の俺たちに何をやらせるんだ。

頭に来るぜ、これじゃていの良い雑用係だ。」


 スタローンは足元にあった、人の頭ほどの大きさの石を力任せに蹴飛ばし、

部隊を引き連れ、飛び立って行った、

蹴られた石は200メートル先の地面に落ち、転がって行った。


 集めて来た樹木や草は、最初に施設周辺、飛行場の周りにも植えてみた。

手荒い仕事だが、植えた後は、十分に水をかけ、枯れない様に注意したつもりだ、

いくら水をかけても、木も草も、あくる日には元気がなくなり、

早いものは2日目で萎れ始め、5日目には全て枯れてしまった。


 同じ作業を何度繰り返しても、木は1本も根付かない、草もダメだ。


「ハンク船長、お手上げです、我々の手には負えません。」

スタローン隊長は完全に根を上げてしまった。


 火炎放射で焼き尽くしても、あくる日には元通り再生するこの星で、

なぜ、この島だけ再生しないのだ、これでは島は使えない。

結局、我々はまた敗北するのか。


 外は砂嵐だが、施設の中はなんとか使える。

リゾートはお預けだ、食料は急ぐ、邪魔が入る心配もない、

仕方がない、今は食料の確保に全力を挙げるとしよう。


 鯨が何かヒントをくれないかと、額の写真を見たが、考えは浮かばない。

ハンクはため息をつきながら、船長室を出て行った。


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