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Remain there 有りのままで  作者: 一語 大福
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チン!すれば生き返る冷凍技術の噂

 ハンク船長が島に向けて攻撃を加えたガンマ線バーストは

有害なミューオン素粒子を生み出し、ミューオンは1500メートルの深海、

800メートルの岩盤をおも貫き、海中、地中の生命を全て死滅させる、

島は完全な死の世界になった。


 しかし、6万キロメートル上空に静止する、ブラックマターでできた

見えない宇宙船が、明るい昼間に放った、眩いだけの光に気づく者はいない。

秘密裏の蛮行を、フィッシャーマンら研究者は何も知らされていなかった。


 動物も植物も死滅した島では アンドロイド兵が島の造成、

リゾート施設の建設に携わっていた。

 島のアンドロイド兵士は、カビに倒された兵士とは大違い、

単に強いだけではない、反重力飛行スーツの機能を内蔵し、飛行ができる、

言わば、各々が生きたアンドロイド戦闘機なのだ、

500平方キロの島を守ることなど造作もない。

 ガンマ線バーストが放ったX線残光は3日程残っていたが、

アンドロイド兵士にX線の影響はない。


 フィッシャーマンやキムラの研究チームは何も知らず、研究に没頭していた。


 あの日から3日後、スワンがキムラの植物研究所に来ていた。


「キムラドクター、この星は動物と植物の性質がほぼ逆転しています。

研究内容を交換した方が効率的ではないですか?」


「さすがは有能なスワンだ、私も同じことを思っていた、

専門外の事は、データベースを調べながらでないと進まない、効率が悪い

距離があるが、君の研究所とこれからは定期的に情報交換しよう。」


「早速ですがドクター、すでに300種類以上の四足歩行動物を調べていますが、

我々が調べた範囲では、動物には生殖機能が二つあります。

 地球の扁形動物門ウズムシ綱ウズムシ目ウズムシ亜種の

プラナリアと良く似ています、有性生殖、無性生殖のいずれも可能で、

自ら分裂が可能です。


 私の実験室では解剖した、ネズミに似た動物の死体が何度も消えましたが、

実は切った数だけ増殖し、逃げたのだと、後でわかりました。

この星の動物は単純で、動物の外観をした、無限増殖生物でもあります。」


「我々の生物学的知識は、地球のデータベースに残されたデータが基本だが、

何もかもが従来の知識の圏外だ。」

キムラから小さな溜め息が漏れた。


「私達が調べている植物の生殖機能も地球の植物とは全く違う。

そもそも、雄しべや雌しべなど存在しない、彼らは生殖器を持っている、

どちらかと言えば地球の哺乳類に近い生殖器だ。

専門外で頭が混乱してくる、解らない事ばかりだ。


 ところで、我々が地球を出発する前に、

新しい商品を輸出すると聞いた記憶があるが、君も噂を聞いていないか。


 何でも、生きたままの状態で哺乳類を冷凍し、

箱詰めにして他の星へ送り出し、受け取った星でチン(解凍)すれば生き返る

そのような冷凍技術が開発され、最初の出荷がまもなく始まるとか?」


「ええ、噂は耳にしました、私は動物の進化論を専攻していましたから

その噂は大学にも入っていました。

 多分、その哺乳類とはホモサピエンスの事だと私は思います。

ホモサピエンスはご存知の通り、

自らが引き起こした6度目の大量絶滅で完全に絶滅しましたが、

滅ぶ前に多くの人種の、膨大な精子と卵子を冷凍保存しました。


 いつの日か復活したかったのでしょうね、

その精子と卵子を使った、ホモサピエンスを復元する研究をしている

謎の研究機関が存在すると、噂ですが聞いています。


 ホモサピエンスは飽食で、何でも良く食べます、肉は柔らかく、美味で

高級食材になる可能性を十分持っています。

確信はありませんが、これが実現したのではないでしょうか?」


「豚や牛を大量に飼育し、食肉としていたホモサピエンスが

今度は自分が食べられる番か、

大量大量絶滅では、それまで君臨していた王者が交代するのは常識だが、

それが事実なら、地球は完全に王者交代だな。」


「交代は終わっています、既にホモサピエンスの天下ではありません。」


「確かに・・」


「本題に戻って良いですか?」


「ああ、そうしよう。」


分野は違っても生物学者同士の話は尽きない、

特にg星は解らないことが多すぎる。


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