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1-3 恋愛魔法の在処

「あ、か……り?」

 呟いてみてやっと僕は体を抱きしめてくる少女のことをやっとを思い出した。

 小学五年生の頃に転校していった友達の光崎明里だ。

 彼女との思い出がフラッシュバックする。

 ままごとや鬼ごっこなどの遊びは当然、それ以外に誰とでも分け隔てなく接してみんなを惹きつけるカリスマ性、誰よりも優れた記憶力、きれいな歌声、そして男子にも負けないかけっこの速さ。そして何よりも僕が憧れた美貌。

「そうだよ、うれしい覚えてたんだ!」

「もちろん。明里とはずっと友達って誓ったんだから」

「うへへ」

 明里は電池切れ間近の笑い袋のような気色の悪い笑い方をすると、ポケットからくしゃくしゃの紙を取り出して僕の目の前に広げた。それは明里が転校する日に僕があげた手紙だった。

「恥ずかしいからしまってよ」

「ごめんごめん。嬉しくって」

「僕もうれしいよ。それよりもさ、明里も恋愛魔法使えるんだ」

「恋愛魔王?」

「違くて。恋愛魔法。僕は今、全身恋愛魔法を使って女装化しているから、普通の人だと僕が女子にしか見えないはずなんだ。なのに明里は見破った。つまりは恋愛魔法を使えて僕の本当の姿をみたからわかったんでしょ」

「どうだろ? 意識したことないなー」

 明里は本当に知らなそうに、困った様子で首をかしげる。

「自分で気づいていないこともたまにあるんだ。だからちょっと待って」

 あまりに魔力が低い場合は恋愛魔法使いの証である紫の瞳にならないことある。

 明里が声や雰囲気で気づいた可能性を無視して、僕は鞄からオーラボールを取り出して両手でお皿を作って明里に見えるようにした。

「なんか綺麗だね。白湯スープみたいで」

「確かに色合いは似ているけど」

 ソフトボールくらいの大きさのそれを僕は優しく包み込む。

「このボールに念じるんだ。好きな人のこと。モノでもいいよ」

「するとどうなるの?」

「こうなる」

 ボールはほんのりと淡い青色に光りはじめる。

「うわぁ。綺麗だね。入浴剤みたい」

「ありがとう。このオーラボールが光れば恋愛魔法が使えるってことなんだ。色はその人が発することのできるオーラの色で、みんな血液型みたいに七色もってるんだよ」

「誠は青色なんだね」

「そう、青は希少色なんだ」

「希少色? 数量限定みたいなこと?」

「ま、そういうこと。赤と青と黄が希少色で、中でも赤は恋愛魔法使いでも一%しかいないんだ」

「ラッキー誠だね。それにしてもこのボール便利だね。こんなの売ってるの見たことないよ」

「だって僕が作ったんだもの。ラブマギカ七道具の一つ、オーラボールお試しあれ」

 オーラボールを受け取った明里は僕と同じようにしてボールを持って念じる。

「なんだか衣みたいにざらざらして気持ちいいね」

「集中」 

「……はい」

 眼を閉じてボールを優しく持つ明里は集中している様子を見せたけれど、ボールが光ることはなかった。

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