裁かれしモノと閻魔大王の巻
ついにフィナーレ前になりました。
とても感慨深いです。
◆
あれっ、何だか眩しいや……
重い瞼を開けた俺は見た事もないほどの厳粛な雰囲気が漂う場所に居た。
中央の簡素な椅子に腰をかけている俺……真正面に黒漆塗りの京都土産なんかにありそうな高級な椅子に厳つい三人の男性が座っている……俺が小人に見えるほど大きい人達だ……。
三人の後ろには一段段差があり、ひときわ意匠が施された豪奢で大きい椅子と机と木のトンカチが規律正しく置かれている。
左右には、何かを記述するガリベン風の鬼と黒いスーツが良く似合っている鬼。
室内の後方には柵があり、40席ほどの椅子が整然と並んでいるって……ここ、裁判所みたいな。
俺の位置と椅子の場所……明らかに被告人席やん☠
ドンドン――
沈黙を破る音が室内に鳴り響く
「最高裁判官・閻魔大王様ご入廷です」
目の前の神経質そうなおっさんが言い放つと皆が立ち上がり恭しく迎える……ガリバー達に囲まれている気分♪
重々しく扉が開く、室内に異様な緊迫感が張り詰める……威厳に満ち溢れた純白と黒の上衣と帽を基調とした閻魔大王が悠然と席に鎮座した。
その威圧感、少し小さめの黒ズボンが学級内で音を立てて破けてクラス中の注目を浴びてしまった恥じらいランクほどの力強さを感じますよぉぉぉ♪
「これより、薩摩ふぶきの罪を裁きます」
――えっ、罪って?
上手く理解できない……なぜ、裁判を受けているのか……そして、今の状況が……
「被告人、薩摩ふぶきは地獄の三十六丁目の四番地にてゲイおにぃにお尻を弄ばれ続けた疲労とショックで亡くなりました」
――って俺、死んじゃったの(驚)
「この者が生前、犯した罪は結婚詐欺罪と幼女暴行未遂です」
――な、何なんだ、全く記憶の片隅にもないぞ!!
反駁しようとするが全く声が出ない……まぁ、魂だけだから声はだせないかぁ(涙)
仕方なく俺は気持ちを抑えながら聞く事にする。
「具体的に内容を」
閻魔大王の厳かな声音に裁判官達はぶるっと震えている。
「結婚詐欺の件ですが、ミカエルに純白の封筒に入った結婚調印書を渡し、ミカエル本人も結婚を承諾して戦いに巻き込んだにもかかわらず、薩摩ふぶきのミカエルに対する認識は『頼りになるボイン系金髪碧眼の残念系ねーちゃん』完全に身体目当てです」
――ちょ、ちょっと、結婚調印書ってなに?少しパニック♪
「幼女暴行未遂の件ですが、小鈴に助けてもらったにも関わらす、服が破けて裸になったか弱い小鈴の全てを舐めまわすように視姦したと報告書にあります。その上、おちんちんを自らだして小鈴を困らしたとか……」
――偽造です、絶対に偽造です……直ぐに弁護士をよんでください……こちらが被害者なのに……誰かぁぁ、弁護士を呼んでぇぇぇ(涙)って元をただせば厳かに座ってる閻魔大王が鬼ごっこしろとか言ったのが発端ではないかぁぁぁ。
俺のジト目に気がついてたのか……閻魔様……今、視線外しましたよねぇぇ。
「うほん」と空咳をする閻魔大王……絶対、わかってしてやがる!
「結果、薩摩ふぶき被告に懲役ゲイおにぃの相手を百年、求刑します」
――い、いやです。本当に助けてください(涙)
俺の魂から懇願の色が溢れる。
「まて」と威厳ある声で言い放つとガパッと立ち上がった……めっちゃ大きい……
おもむろに判決書を裁判員より取り上げてバリバリっと破り捨てた……青ざめる裁判員や鬼達。
「この者の刑を言い渡す。閻魔家に百年執事として従属する事。また、生前の肉体を復元して与える。刑期が終わり次第、自由権を与える。以上、被告人を退室させ、刑を執行させよ」
俺は虫取り網のようなものですくわれると緑色の変なケースに入れられた……そこで、記憶が途切れた。
いかがでしたか?
えんま家の人々も次回が最終回の予定です。
この作品の続編はまだ考えておりません。
続きを書いての声が沢山きたら書こうと思います。
さて、新作のたんぽぽ荘がコメディ日計16位にいくなど頑張っております。
是非、皆さまのご意見・ご感想をお待ちしております。
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