嘘と真実・・・その先にあるものは・・・の巻
今日はえんま家の人々をアップします。
新作のたんぽぽ荘も宜しくお願いします。
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「こっちですぅ」
全身で落ち着きもなく先頭を歩く小鈴に案内されて和の意匠が施された檜の扉の前に立ち止まる。
開かれた扉の向こうに夢ごこちから覚めたような小鳥が一人立ちすくんで待っていた……神話に出てくるかぐや姫のような儚く消え入りそうな雰囲気……とても男性には見えない。
「待ってたよ……うち……もう壊れそうやわ……」
黒水晶のような美しかった瞳は何処か濁っているように見える。
儚げな和の雰囲気が本当に消えてなくなりそうな感覚が脳髄にまで浸透していく。
胸に手を当てた小鳥は切なそうに……とても苦しそうに必死にふぶきを見つめる。
刹那……ぞっとする感覚が背筋を突き抜ける。
「さがれ!ふぶき!」
その声は色濃く怒気が滲んでいる。
金髪がふわりと広がり俺を庇うようにミカエルが前に立つ……その刹那、小鳥の背後から起こるはずのない突風が部屋を攪拌する。
匠の意匠が施されていた家具などが繊細な飴細工を握りつぶすように散乱して破片が渦を巻き、視界が完全に閉ざされる。
全てを呑み込んだ突風が治まった途端……俺達は知らない空間にいた……辺り一帯が荒野……あまりの一瞬の出来事に理解ができていない。
「ここは泣く子も黙る、地獄の三十六丁目です」
笑顔が絶えなかったはずの小鈴が神妙な面持ちで言葉を零した……その物腰はとても陽気ないつもの姿とはかけ離れたギラギラとした猛禽類のような殺気をだしている。
ミカエルの立ち位置も俺を庇うようになっている……目を細めて回りを探るように警戒している。
「ふぶきさまぁ!これに乗るですぅ」
小鈴のポケットが飴やお菓子と一緒に紛れ込んでいた小さなカプセル試験管を取り出すと大地に投げつけた。
「見るですぅぅ!私の究極兵器です」
ドカァァァン!――カプセル試験管が爆発を起こすと砂煙と蒸気が噴き上がり、車輪がドラム、車体はドでかいバイオリンが不格好になったような戦車?のようなものが現れた。
「むふふ♪お小遣い貯めて通販でかったですぅ。ふふぎさまぁ、それに乗って逃げる準備です」
あまりの滑稽なホルムだが、赤髪メガネっ子座敷わらしのヒナナは瞳にお星様を浮かべて大興奮!!
ゴゴゴゴゴ――
突然、大地が割れるような地響き……あまりの揺れに態勢を崩す俺を支えるようにミカエルが肩を抱く……な、何て俺は無力何だ(普通の人間なので♪)
「気を抜くな……何か巨大な力が近づいてくる……絶望的なほどでっかいのが……」
俺の耳元で囁いたミカエルは汗腺から脂汗がどっと流れている……小鈴に目をやると、しっぽを天高く上げて「ぐぅぅぅぅ」と威嚇の唸り声を出している。
「いいか、私と小鈴が飛びだしたら、お前は全力で逃げろ。恐らく私達が束になっても勝てない相手だ……いいな、お前は生き延びろ、ここで、一歩を誤れば大事に至る!」
達観したミカエルの言葉……そして「仕方がないですぅ。私の事を視姦して蹂躙するような鬼畜で象さんなエロ伯爵な御主人様の為に頑張るです。だから生きてください。私のプリティなパンツをクンクンしてた事は皆には黙っておきますので」と小鈴もおちゃらけながらも目は笑っていない。
一瞬、全ての風がやみ、虚無の響きが静寂を包み込む……急にポケットが震えだす……赤髪のメガネっ子座敷わらしのヒナナがポケットの中で戦慄を感じてブルブルと震えている。
ゴゴゴゴゴッ――
凄まじい揺れが大地を揺るがす……前方に起こった地割れが徐々に大きくなる。
「逃げろ!ふぶきぃぃぃ!」
喉が張り裂けそうな咆哮が大地に響く。
ふぶきへの合図をミカエルが叫ぶ……俺は大きなストライドで戦車?のような乗り物に乗ると「パッピロパパー」と大音量の音がなり猛スピードでデコボコの大地を激走していく。
「ひいぃぃぃぃぃ」
必死にしがみつく、少しでも力を緩めれば振り落とされる。
身体が浮くほどの爆風が俺の身体をこんにゃくのようにプルンプルンと痛めつける。
砂煙をあげて爆走する背後ではSF超大作のようなとんでもない爆音と光が交差している。
命がけでちらりっと後ろを見ると、黒い瘴気を放った巨大な目の魔神に挑む金色の巨大な狼と……ミ、ミカエル?
三枚の大きな翼で羽ばたき、片手に大きな三日月のステッキを持ち神々しい金髪の女性が……うっとりと見とれてしまいそうになる心のリピド―を押さえて全力で荒野を走る。
砂埃を上げて走り抜ける先に何があるか分からないが今はただ、爆走する戦車?に振り落とされないように摑まるしか選択はなかった。
いかがでしたか?
楽しんでいただけましたら何よりです。
ご意見・感想などお待ちしております。
たんぽぽ荘も宜しくお願いします。




