レース開始
ピットレーンに入ると、自分の両親と友人、友人の両親が待っていた。最後の登り坂を登るのが遅かったためだいぶ待たせてしまったようだった。自分は申し訳ない気持ちになっていた。
レース本番までは、1時間ほど時間がある。その間、自分は友人と一緒にピット裏の駐車場で休んでいたのだが、じっとしているのが苦手な友人は自分を誘い、駐車場を回ろうといいだした。
自転車で駐車場をまわっていると、いろいろな建物があることに気がついた。ピットの二階や屋上、各チューニングメーカーのロゴが入った倉庫・・・。2人ともかなりはしゃいでいた。中でも自分たちが興奮したのは、トヨタのF1車両があるレストランであった。しかし、まだ開店前だったためレストランには入らず、外から眺めているだけにしていた。
そうこうしている内に、レース10分前になった。自分は友人と一緒にスタートラインへと向かった。
今回のレースのスタート時の並び方は、各車を整列させるやり方なので、並ぶ時に友人とははぐれてしまった。周りをみると、ロードバイクやマウンテン、クロスバイクなど様々な自転車を持った人が、自分と友人を含めて50~60人ほどいた。着ている服装もサイクルウェアや普通の服など様々である。ちなみに自分はサイクルウェアを着ていたが、友人は普通の服だった。
スタート1分前。スタートラインに立つ全員が準備をし始める。自分も自転車にまたがり、スタート時のギアを決める。緊張で心拍数がたかまってきた。
30秒前・・・辺りが一気に静かになり、緊張感がよりいっそう高まる。
20秒前・・・
10・・・9・・・8・・・7・・・6・・・5・・・4・・・3・・・2・・・1・・・パンッ!
火薬銃の音とともにレースが始まった。