祖父達は意外とお茶目だった
意外な一面が有り、それでも、そんな祖父達の様になりたい自分が居る。
祖父達は意外とお茶目だった
祖父達は意外と冗談を口にする。
滅多にしなかったが、偶に、ぽつりと、口にしていた。
え?っと、気付いた時には、すでに時遅く、知らんぷりする事も。
それでも、気付いた時は、意外な一面が見えて来た。
その事が楽しく、嬉しくも有った。
自分達に、そういった一面を見せてくれた事に。
これは、父方の祖父との一場面。
私が、初めてジャンケンと言うモノを知ったのは、姉がまだ、幼稚園に通っていた時。
当時、私は、体質も有り、まだ通ってはいなかった。
姉から、ジャンケンと言うモノを教えて貰い、何と無く分った時。
最初の対戦相手に選んだのは、祖父だった。
唐突に現れ、ジャンケンをしようとせがむ私に、祖父は、鷹揚に頷き、応じてくれた。
ただ、私が考えていたモノとは、違っていたが。
じゃーんけーん、と言っていると、徐に自分の口元に手を?
何をするのか、判らないまま、ポン!
同時に、私は驚きすぎた!
祖父の手に、目の前のモノに、度肝を抜かれた!
グーでも、パーでも、チョキでも無い。
入れ歯を出された!
そんなモノが有る事は、知らなかったし、何が何だか分からなかった!
そのまま、直に口に収め、何事も無い様にしていた。
私は何が起こったか、今見たモノが、信じられなかった!
だから、姉を呼びに行き、何が有ったか分からないまま。
もう一度!とせがんだが、それっきり、一度もしてくれた事は無かった。
その後、姉と二人で、祖父の膝の上で、どうしてそう出来たのか、一生懸命、祖父の口をあーだこーだと弄り回した事も。
結局、判らないままだったが。
私には、強烈な思い出となった。
30年経った今でも、鮮烈に脳裏に焼き付いている。
あの頃は、何時か自分もアレをやって、アッと言わせよう、なんて考えていた。
それだけ、強烈でも有った。
下手したら、トラウマになりそうだったが、そうはさせない、人柄も有った。
後にも先にも、私にだけ、見せてくれた一面だった。
他の皆に確認しても、その事は、誰も見た事が無かった。
あれだけ口を弄られたから、懲りたのかも、しれない。
そんな茶目っ気の有る、祖父だった。
母方の祖父は、何時ものんびり、ゆったりした感じで、落ち着いた感じだった。
それでも、何か、口寂しくなると、何か探しだし、口にしていた。
お煎餅だったり、お菓子だったり。
それも無いと、出汁取り用の煮干しだったり。
良く私達もご相伴に預かった。
それを祖母に見つかると、何てモノを!と、良く怒られていた。
私達は、祖父が食べている物だから、大丈夫!と思っていたのだが、祖母にとっては、そんなモノ、孫に食べさせるな!、と言う事だったらしい。
それでも、私達も、祖父も、懲りずにこっそり、食べていた。
それで、1袋無くなってしまった事も。
その次からは、無くなる前に、ここまで、とバレない様に偽装工作したり。
それでも、判ってしまい、怒られる。祖父だけが。
一緒に食べていた私達は、お咎め無しだった。
そんな二人も、もう居ない。
祖母が亡くなると、祖父も全てを見届け。ゆっくりと、祖母に呼ばれる様に、亡くなった。
こんな風に成りたいと思える、歳の取り方をして見たい。




