私の英雄の伝聞
これは小説でも、文学でも、エッセイでも無い。
私個人の覚え書きで有る。
何時か、甥っ子、姪っ子、まだ居ない自分の息子や娘に、曾お祖父さんがどんな人だったのかと、聞かれた時、答えとなる様に、書き残そうと思う。
私は、胸を張って、誇れる人だったと。何時か、伝えたい。
私の英雄達の伝聞
私の祖父達は、軍人だった。
国を守る。家族を守る。ただそうする事が、当たり前の世の中で、当たり前に軍人となり、戦争に行った。
二人とも還って来る事は、出来た。
そうする事が、出来た。
その当時の事は、語ってくれる事はなかったが、戦争というモノを、嫌っていた。
終戦の日に、何が有ったのか、何度も聞いた。
一度も答えてはくれなかった。
手を振り、アレは嫌だった、とだけ、答えてくれた。
逆に祖母は、その当時、どんな事が有り、どんな事が起きたのかを、良く語ってくれた。
空襲に遭い、全て焼けてしまった事。まだ幼い父を背負い、山へ逃げた事。
実家の土蔵に焼夷弾が落ち、類焼は防げたが、中のモノは全て、灰になってしまったと。
それでも、家族は皆、無事で居た事など。
私の父方の祖父は、傷痍軍人だった。
踵に銃弾を受け、脛の辺りから、切断しなければならなかった。
その後、イギリス軍の捕虜となり、香港の病院船で麻酔なしの切断手術を受け、数年後、還ってきた。
その為、義足を着けていた。
私の母方の祖父は、陸軍士官だった。
戦車部隊に居り、中国で終戦間際の一週間ほど、前線に出たそうだ。
技術士官として参戦し、戦後処理をしながら、無事に還って来れた。
戦時中は、この戦争は負ける、と語っていたらしい。
これは、思いだしながら描く物であり、思い出せなくなった時、書き切る事が出来なくなった時、終わりとなる。
短く、淡々としたモノになるだろう。




