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ジャック④

ジャックは古びたアパートの階段を上がる。ミシミシと音がして老朽化しているのが明らかである。

少し、家に帰って無かった為、ポストには大量の新聞が無造作に投げ入れられている。

俺は鍵を開け、家に入った。

迎えてくれる者なぞ誰もいない。

俺はまだ二十五だが、家族は誰もいない。

母は男好きであらゆる男を彼氏にしては、毎日遊びまくるような女だった。

父は真面目な人だった。真面目がゆえに母の椀飯振舞に耐えれなくなり電車に跳ねられて死んだ。自殺だった。


葬式に母は来なかった。来なくて良かったと今では思う。

二年前、たまたまとある殺しの依頼を受けた。女に騙されたから、悔しいから殺して欲しいというあまりにも陳腐な依頼だった。

ターゲットは母だった。

母は未だに若々しく美しかった。

おぞましい程に。

「久しぶり母さん」

まるで汚い汚物でも見るかのように母は俺を見ていた。

「生きてたの」  

「なんで父さんの葬式に来なかったの」

「意味ないからよ」

俺はいつの間にか泣いていた。涙が溢れ出して止まらなかった。

「意味ないわけないだろ!」

「何しに来たの?今更」

「仕事だよ」



母は死んだ。

首を自分から吊り、足をブランコのように揺らしながら。

俺の昔話は終わりだ。

シャワーを浴びると年代物のワインを飲みながら映画を見た。

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