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ジャック①
俺は都内有数の高さを誇るビルの入口に立っていた。
自動ドアがようこそと言わんばかりに開いた。通路を靴音を鳴らしながら歩く。
突き当たりにある階段をゆっくりと上がる。
依頼通りならターゲットは5階のスイートルームにて酒を飲んでいるはずだ。
吐き気がする。
政治家がこんな場所で酒を楽しんでいる。
それだけで吐き気のオンパレードである。
俺はジャック。本名か偽名かは内緒だ。
とりあえず殺し屋だ。
どうして政治家を殺すのかって?
そんなのは決まっているだろう。
政治家ほど世間に疎まれてる存在はないだろう。それだけで殺すには充分すぎる理由である。
5階についた。
政治家の部屋の前につくと俺は政治家の携帯に電話をかけた。どうして電話番号を知っているかって?恨まれているからだ。
嫌な人間ほど情報は流通しやすい。
電話にでた政治家は思ったより低い声で喋った。
「誰だ?」
俺はその問いには答えなかった。代わりに要求を示した。
「開けろ」




