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浸食
「良いんだよ。気にしなくていい。ただの昔話さ」
私なら耐えられない。
いやゲルニカもそうなんじゃないか?
だからあれだけの殺戮を行うのではないか?
私はベンチに座りながらただ子供たちの笑い声を聞いていた。
少し、右手が痒くなった。
変な感触だ。
見てみると真っ白な分厚い皮のようなものがへばりついている。
「なに!?これ」
私はつい大声を出した。
子供たちが足を止める。
ゲルニカは寒そうに悴んだ手のひらを息を吐き温めていた。
「君も呪われたのさ。ゲルニカの呪いだよ。その皮のようなものは少しずつ、君の身体に浸食してゆく。神経を血管を臓器を、そして脳を」
それは私が私で無くなるという意味である。
「どうすれば助かるの」
「この世界にはゲルニカの呪いに蟲ばられた哀れな人が私を含めて七人いる」
そんなにいるのか。私は驚きを隠せなかった。
「ここから一番近い場所にいるのはジャックだな。強欲のジャック。職業は殺し屋さ」




