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ゲルニカ②残酷
そうだ。私は死んだ。
ゲルニカに握り潰されて見るも無惨に死んだのだ。
洗剤をスポンジに馴染ませながら、私は尋ねた。
「ねえ、ゲルニカ、私を殺したよね」
皿の汚れを少しずつ取り除く。
「殺したよ。そのハズだった。あの村の人間を皆殺しにするつもりだったからね」
「でも私生きてるよ」
ゲルニカは不思議そうに首を傾ける。
「ツイてたのよ、きっと」
すごく曖昧な答えだった。
私とゲルニカは外を散歩した。
11月半ばで少し肌寒かった。ゲルニカは赤いマフラーを巻いてポケットに手を突っ込んでいた。どうやら寒いのは苦手らしい。
落ち葉が風に舞い上がる。
「ねぇゲルニカ、どうして人を殺すの?」
目の前に子供たちが追いかけっ子をしている。こんな可愛らしく無邪気な存在さえ、ゲルニカは消し去ってしまうのだろうか。
「私ね、人が嫌いなんだ。私の母は生粋の男好きでさ、毎日違う男と寝てたんだ。その、日替わりの男達は皆凄くロリコンでさ。まだ七歳の私を襲い、無理矢理、行為を起こした」
絶句した。
想像を遥かに飛び越えた内容だった。
「ごめん」
私は謝るしかなくゲルニカと目を合わすことも出来なかった。




