第4話 もう一人の妹
さて、そんなこんなで令さんとの稽古が終わった僕と花は解散ということで自由行動をしているのだが、ずっと気になっていたことがある。
いつも稽古は4人で行っている。令さんと僕、花、そして僕のもう一人の妹、実の4人だ。神星 実は花と同い年の僕の妹で、前に言った白い髪を持つもう一人の人物である。その外見は白く長い髪と翠の透き通った瞳をしている。僕みたいに目が濁ってなくてよかった...。
話を戻すと、僕は今その実を探していたのだが、案外すぐに見つかった。曲がり角からフラッと出てきた。
実「おお、こんなところで会うなんて奇遇だねぇ、お兄様」
僕「奇遇だね、じゃないぞ。実のことを探してたんだからな」
実「へぇ〜、私のことを探してたんだぁ。そんなに私に会いたかったの?お兄様?」
僕「まぁ、会いたかったっていうのは本当だよ」
実「へ、へぇ〜そうなんだ〜。なんか変だねお兄様」
変とはなんだ。変とは。
僕「あと、お兄様って呼ぶやめてくれって。」
僕は、お兄様と呼ばれるのがどうもならなくて変な感じがしてしまう。だからいつも別の呼び方をしてくれた言っているのだが、なかなか直してくれないのだ。
実「ごめんごめん〜。なんか癖でさ〜。それで、お兄さんはなんで私を探してたの?どうせ稽古の時に会えるのにさ〜」
実は何か勘違いをしているようだ。
僕「もう稽古は終わったぞ?実が稽古に来なかったから探してたんだ」
実「ん?んん??あれ?そうなの?」
僕「そうだよ」
実「あ、あぁ...時間を間違えたのか〜」
...と、言うように会話を見ているとわかるだろうが、この神星 実という人物は天然というか、抜けているというか、もはや心配になるぐらいのおっちょこちょいで自由家なのである。だけど、まさかいつも同じ時間に始まる稽古の時間すら間違えるなんて。
僕「まぁ、明日来る時に説明したらいいと思うよ。大丈夫そうでよかった」
実「ごめんさない、お兄さん。迷惑をかけちゃったね〜」
僕「妹の世話をするのも兄の役目だからな」
実「さすがお兄様ぁ〜」
僕「だからその呼び方はやめてくれってー」
と、いうことで実の無事がわかったので、これにて一安心である。明日からはまた4人での稽古をしていくだろう。
試験まで残り約1ヶ月である。
続く
キャラクター紹介
神星 実 シンセイ ミノリ
真の妹で花とは同い年。いつも適当な会話と適当な行動をしているため、だらしないと思ってしまう。本人曰く「本気を出したら...世界を変えられちゃうから力を抑えてるんだよ...」とのこと。しかし、誰も本当の本気を見たことはない。




